話題株ピックアップ【夕刊】(2):ディスコ 、郵船、キッセイ
投稿:
■ディスコ <6146> 30,400円 +1,635 円 (+5.7%) 本日終値 ディスコ<6146>が断トツの売買代金をこなし大幅高に買われたほか、アドバンテスト<6857>も5連騰と戻り足を強めた。前日の米国株市場ではエヌビディアが3%高に買われたほか、半導体セクターに買いが優勢となりフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに反発した。トランプ米政権がバイデン前政権時代に策定されたAI半導体の輸出規制を撤回する方針にあると報じられ、これが材料視されたもよう。報道が現地時間の午後だったため、米株市場で半導体株への買いは限定的だったが、この流れを受けて東京市場でエヌビディア関連に位置付けられる半導体製造装置関連株への買いを誘導した。 ■日本郵船 <9101> 4,892円 +213 円 (+4.6%) 本日終値 日本郵船<9101>が後場大口の買い注文が流入。一時247円高の4926円まで上値を伸ばした。前引け時点で株価はマイナス圏に位置していたが、後場に入り一転して急浮上する展開となっている。きょう後場取引前に開示された26年3月期業績予想は最終利益が前期比48%減の2500億円となるなど大きく落ち込む見通しとなった。新造船の竣工に伴う船腹需給の軟化で収益が悪化する見通し。しかし、今期の業績低迷については事前に織り込みが進んでおり、水準もコンセンサスとほぼ一致していたことから株価にネガティブ材料とはならなかった。一方、発行済み株式数約11%相当の4800万株、金額ベースで1500億円を上限とする自社株買いも併せて発表しており、これが買いを引き寄せる背景となったもようだ。 ■キッセイ薬品工業 <4547> 3,975円 +165 円 (+4.3%) 本日終値 キッセイ薬品工業<4547>は高い。7日取引終了後に25年3月期連結決算を発表し、売上高は前の期比16.9%増の883億3000万円、営業利益は同43.7%増の57億7300万円だった。続く26年3月期の売上高は前期比3.6%増の915億円、営業利益は同3.9%増の60億円の見通し。配当予想も前期比20円増の120円としており、これを好感した買いが集まっている。過活動膀胱治療薬「ベオーバ錠」など、引き続き各種治療薬の育成による売り上げの増加を見込む。あわせて、30年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。最終年度に売上高1100億円以上を目指す。株主還元については中計期間中に累進配当(普通配当)で270億円、機動的な自己株式取得として300億円とする方針を掲げた。また、140万株(自己株式を除く発行済み株数の3.27%)を上限に、8日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で自社株を取得すると発表。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、キッセイは予定通り買い付けを実施し、136万9200株を取得した。 ■コロプラ <3668> 486円 +20 円 (+4.3%) 本日終値 コロプラ<3668>が急反発した。7日の取引終了後、25年9月期第2四半期累計(24年10月~25年3月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比10.6%増の140億4300万円、営業利益は同4.0倍の14億1300万円となった。大幅な営業増益となったことを評価した買いが集まったようだ。投資育成事業においてタイミー<215A>などの株式を売却した影響が出た。スマートフォン向けゲームの「ドラゴンクエストウォーク」も好調に推移し、引き続き業績に貢献した。一方、投資有価証券の一部で減損処理に伴う評価損14億4900万円を特別損失として計上。最終利益は微増の1億7700万円だった。 ■東京センチュリー <8439> 1,552.5円 +60.5 円 (+4.1%) 本日終値 東京センチュリー<8439>が続伸した。同社は7日の取引終了後、米国の連結子会社がロシアの航空会社に向けてリースをしていた機体を対象とする保険金に関し、一部の保険会社との間で保険和解金として3億9800万ドル(約570億円)を受領する契約を締結したと発表。26年3月期に同額の円貨相当額を特別利益として計上する見込みとしており、材料視されたようだ。リース機体やロシアの航空会社を実質与信先とする融資・融資保証に関する債権を巡り、東京センチュは回収の見通しが立たない状況となったとして、23年3月期に特別損失を計上。その後、保険会社に対して保険契約に基づく支払いを請求するため、訴訟手続きを進めていた。和解契約の締結に至っていない他の保険会社との訴訟については、引き続き継続するとしている。 ■クスリアオキ <3549> 3,588円 +138 円 (+4.0%) 本日終値 クスリのアオキホールディングス<3549>は大幅高に買われ6日続伸で年初来高値を更新している。株価は3622円まで上値を伸ばし、23年12月につけた上場来高値3627円を視界に捉えている。7日の取引終了後、4月度の月次営業速報を発表。既存店売上高が前年同月比11.8%増と増収基調を継続したことが好材料視されたようだ。既存店の客数は同5.6%増、客単価は同5.9%増といずれも増加した。なお、全店売上高は同20.8%増だった。 ■富士フイルム <4901> 3,153円 +117 円 (+3.9%) 本日終値 富士フイルムホールディングス<4901>は後場に入りマイナス圏から切り返し。この日午後2時ごろ、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比2.6%増の3兆2800億円、営業利益を同0.3%増の3310億円と発表。配当については前期分を60円から65円に増額した上で、今期は更に上乗せして70円とする見込み。堅調な業績見通しを評価した買いが入った。米国の関税政策による影響は織り込んでいないとしつつも、リスクとして共通関税10%と、米中間での相互関税引き上げによる影響を想定しているという。なお、同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比7.9%増の3兆1958億円、営業利益は同19.3%増の3301億5500万円だった。 ■メルカリ <4385> 2,398円 +86.5 円 (+3.7%) 本日終値 メルカリ<4385>が大幅続伸、足もと物色人気化し2300円近辺のもみ合いを急速に上放れる動きとなった。同社が7日取引終了後に発表した25年6月期第3四半期(24年7月~25年3月)決算は、営業利益が前年同期比59%増の203億3600万円と大幅な伸びを達成した。国内フリマなどのマーケットプレイス事業が好調で流通総額の増勢が続き過去最高を更新しているほか、フィンテック事業も収益に貢献している。これを評価する形で買いを呼び込んでいる。テクニカル的には上向きの13週移動平均線を明確に上回ってくれば、一段高への期待が膨らむ。 ■川崎汽船 <9107> 2,014円 +68 円 (+3.5%) 本日終値 川崎汽船<9107>が底堅い動き。同社は7日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比9.3%減の9500億円、最終利益予想は同67.3%減の1000億円とした。一方、年間配当予想は前期比20円増配の120円とした。大幅な減益予想を示したことを受け、朝方の同社株は下げに沈む場面があったものの、減配が回避されたことを評価する買いが次第に優勢となり、株価は持ち直した。米国の関税政策や円高による影響を業績予想に織り込んだ。想定為替レートは1ドル=140円79銭。25年3月期の売上高は前の期比9.4%増の1兆479億4400万円、最終利益は同3.0倍の3053億8400万円だった。 ■エムスリー <2413> 1,904.5円 +61 円 (+3.3%) 本日終値 エムスリー<2413>が3日続伸。岩井コスモ証券は7日、同社株の投資判断を「B」から「A」へ2段階引き上げた。目標株価は1450円から2100円に見直した。26年3月期の連結営業利益は前期比11.2%増の700億円と4期ぶりに営業増益に復帰する見通し。新型コロナウイルス感染症関連需要の反動減による業績へのマイナス影響は一巡し、主力事業の製薬会社向け営業支援サービスの回復などによって同社は新たな成長局面を迎えている、と指摘。また、決算発表時に自社株買いを発表し、資本効率化や株主還元に前向きな姿勢を示したことも同社株への評価を高めるとみている。 株探ニュース