株価指数先物【寄り前】 米中協議を控えてショーカバーが入りやすい
投稿:
大阪6月限ナイトセッション 日経225先物 36960 +180 (+0.48%) TOPIX先物 2694.5 +2.5 (+0.09%) シカゴ日経平均先物 36960 +180 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ベッセント米財務長官とグリア通商代表が10日と11日にスイスで中国側の代表と貿易問題で協議すると報じられ、米中関税交渉の進展への期待が高まった。トランプ大統領が対中交渉のために関税を引き下げる用意はないとの考えを示し伸び悩む場面はあったが、バイデン政権時代のAI(人工知能)半導体輸出規制を撤廃するとの報道が伝わると、エヌビディアなどの半導体株に買いが強まった。 米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。パウエルFRB議長は会見で利下げに慎重な見方を改めて示したが、ほぼ予想通りの内容であり、FOMCを無難に通過したことで買い安心感が広がった。 S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレル、小売が上昇。一方でメディア、テクノロジー・ハード・機器、電気通信サービスの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ウォルト・ディズニー やエヌビディア、ナイキ 、ハネウェル・インターナショナル 、アマゾン・ドット・コム が買われた。半面、アップル 、ユナイテッドヘルス・グループ 、ベライゾン・コミュニケーションズ が下落。 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比180円高の3万6960円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万6840円で始まり、3万6930円まで買われた後はショート優勢となり、米国市場の取引開始直後には3万6630円まで売られた。その後3万6880円まで切り返したが中盤にかけて軟化し、3万6590円まで下げ幅を広げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて切り返すと3万7070円まで買われ、3万6960円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まりそうだ。FOMCを無難に通過したほか、バイデン前政権が導入したAI向け半導体の輸出規制案を、トランプ大統領が撤廃を検討しているとの報道が支援材料になりそうである。指数インパクトの大きい値がさハイテクが日経平均型を牽引する展開が期待されよう。 日経225先物はナイトセッションで一時3万7070円まで買われ、75日移動平均線(3万6970円)を上回る場面もみられた。3万7000円処では強弱感が対立するとみられるが、ハイテク株主導の上昇が見込まれ押し目待ち狙いのロング対応となりそうである。米中協議を週末に控えてショートポジションを圧縮する動きも入りやすく、75日線を明確に上抜けてくるとショートカバーが強まりそうだ。 そのため、3万7000円を中心としたオプション権利行使価格の3万6500円から3万7500円のレンジを想定。75日線突破から同線が支持線として機能するようだと、200日線(3万7640円)や26週線(3万7660円)、52週線(3万7870円)などが次のターゲットとして意識されてくる可能性がある。 7日の米VIX指数は23.55(6日は24.76)に低下した。一時25.62まで上昇する場面もあったが、その後の下げで75日線(22.88)に接近している。トランプ関税の影響を警戒しつつも、同線を明確に割り込んでくると200日線(19.66)が射程に入り、リスク選好に向かわせよう。 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.66倍に低下。13.70倍と小幅に上昇して始まったが、ボリンジャーバンドの+2σ(13.71倍)に抑えられた。その後13.62倍まで低下する場面もあったが、+1σ(13.64倍)を下回った水準ではNTショートを巻き戻す動きが入っていた。ナイトセッションでも+1σを下回る局面ではNTショートの巻き戻しがみられている。ハイテク株主導の上昇が見込まれるなか、+2σを意識してのNTロングに振れやすくなりそうだ。 株探ニュース