話題株ピックアップ【夕刊】(2):フジッコ、JAL、丸紅
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■フジッコ <2908> 1,636円 +21 円 (+1.3%) 本日終値 フジッコ<2908>は底堅い。この日午後2時30分ごろ、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比2.5%増の585億円、営業利益を同45.9%増の16億5000万円と発表。前期から一転増益となる見通しを示しており、これが好感された。配当予想は前期比同額の46円とした。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比2.4%増の570億7700万円、営業利益が同26.1%減の11億3100万円だった。プロモーションの強化により売上高は増加したものの、各種コストの上昇で利益は押し下げられた。 ■日本航空 <9201> 2,629.5円 +30 円 (+1.2%) 本日終値 日本航空<9201>が後場に持ち直しの動き。同社は2日正午、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績・配当予想を開示した。今期の売上高は前期比7.2%増の1兆9770億円、最終利益は同7.4%増の1150億円を見込む。また、3月31日を基準日とする前期の期末配当は従来の見通しから6円増額の46円(年間86円)で決定。今期の年間配当予想は前期比6円増配の92円とした。増益・増配計画を示し、買い安心感が意識されたようだ。国内線、国際線ともに旅客収入は増加を想定。業績予想の前提となる為替レートは1ドル=145円、シンガポール・ケロシンの市場価格は1バレル=90ドルとした。25年3月期の売上高は前の期比11.6%増の1兆8440億9500万円、最終利益は同12.0%増の1070億3800万円だった。 ■丸紅 <8002> 2,536円 +9 円 (+0.4%) 本日終値 丸紅<8002>が反発。午前11時ごろ、2月5日に発表した自社株買いについて、取得する自社株の上限を3000万株から7000万株(発行済み株数の4.23%)へ、取得価額の総額を300億円から700億円へそれぞれ引き上げたことが好感された。なお、取得期間も25年6月30日までから26年1月30日までに変更されている。同時に発表した26年3月期連結業績予想は、純利益5100億円(前期比1.4%増)を見込み、年間配当予想を前期比5円増の100円とした。想定為替レートを1ドル=140円(25年3月期152円58銭)、1オーストラリアドル=90円(同99円49銭)としたことによるマイナスの影響はあるものの、既存事業の磨き込みや成長投資の利益貢献が増益に寄与する。米国による広範な関税率の引き上げやそれに伴う世界経済の鈍化など不測の損失に備えたバッファ300億円を織り込むも過去2番目の水準を更新する見通しだ。なお、25年3月期決算は、売上高7兆7901億円(前の期比7.4%増)、純利益5029億6500万円(同6.7%増)で、従来予想の純利益5000億円を超過達成した。 ■コカBJH <2579> 2,408円 -238 円 (-9.0%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス<2579>が大幅続落。1日の取引終了後に発表した第1四半期(1~3月)連結決算で、営業損益が100億6900万円の赤字(前年同期30億7000万円の赤字)となり、赤字幅を拡大させて着地したことが嫌気された。売上高は1897億6000万円(前年同期比1.7%増)となった。販売数量は価格改定による影響はあったものの前年並みを維持しており、これに価格改定によるケースあたり納価の改善効果が貢献した。一方、中長期の成長につながるマーケティング投資を実施したほか原材料や資材価格高騰の影響もあり、赤字幅が拡大した。なお、25年12月期通期業績予想は、売上高9061億円(前期比1.5%増)、営業利益180億円(同34.4%増)の従来見通しを据え置いている。 ■セイコーエプソン <6724> 1,920円 -99.5 円 (-4.9%) 本日終値 東証プライム 下落率6位 セイコーエプソン<6724>は反落。1日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比3.2%減の1兆3200億円、純利益を同25.7%減の410億円と発表。円高によるマイナス影響を織り込んだ。前期から一転して減収減益となる見通しを示したことから、これが売り材料視された。想定為替レートは1ドル=141円、1ユーロ=155円。なお、米関税引き上げについて会社側は業績への影響は大きなものになると想定し、価格対応や生産拠点の変更などのサプライチェーン対応を実行していくとした。配当予想は前期比据え置きの74円を見込んだ。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比3.7%増の1兆3629億円、純利益が同4.9%増の551億7700万円だった。 ■リコーリース <8566> 5,280円 -190 円 (-3.5%) 本日終値 リコーリース<8566>が後場に下げに転じた。2日午後2時、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示。今期の最終利益は前期比15.7%減の132億円を見込む。減益予想を嫌気した売りが優勢となったようだ。資金原価と販管費の増加が利益を圧迫する。今期の売上高は同2.5%増の3200億円を計画する。3月31日を基準日とする前期の期末配当を従来の見通しから5円増額して100円(年間180円)としたうえで、今期の年間配当予想は前期比5円増配の185円とした。 ■ゼンショHD <7550> 8,700円 -311 円 (-3.5%) 本日終値 ゼンショーホールディングス<7550>が大幅反落。1日に発表した4月度の「すき家」売上高(速報値)で既存店売上高が前年同月比7.2%減となり、50カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。なお、全店売上高は同20.2%減だった。一部店舗における異物混入発覚を受けて、全店舗が3月末から約4日間休業したことや、営業再開後も客離れが続き既存店客数が同16.0%減となったことが響いた。 ■三菱UFJ <8306> 1,737.5円 -44.5 円 (-2.5%) 本日終値 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>が軟調に推移。東証の業種別指数で銀行業は2%を超す下げとなり、下落率トップとなっている。前日の取引終了後、日銀の植田和男総裁が金融政策決定会合後の記者会見に臨んだ。このなかで植田総裁は、米国の関税政策に関し、経済や物価の下押しリスクを指摘したうえで、基調物価の2%達成時期については、やや後ずれするとの認識を示した。これを受け、日銀が早期に利上げに踏み切るとの見方が後退。金利の先高観が薄れたとの受け止めが広がり、金利上昇メリットセクターである銀行株に対しては、買い持ち高を圧縮する目的の売りが優勢となった。 ■協和キリン <4151> 2,191円 -47.5 円 (-2.1%) 本日終値 協和キリン<4151>が反落。1日の取引終了後に発表した第1四半期(1~3月)連結決算が、売上高1047億2500万円(前年同期比0.8%減)、純利益61億6700万円(同57.9%減)と減収減益となったことが嫌気された。北米及びヨーロッパ、中東及びアフリカ地域を中心にFGF23関連疾患治療剤クリースビータや抗悪性腫瘍剤ポテリジオなどのグローバル戦略品が伸長したものの、アジア太平洋地域の事業再編による影響や尋常性乾癬治療剤ドボベットの販売提携契約終了による影響、薬価改定や競合品の影響を受けた発熱性好中球減少症発症抑制剤ジーラスタの苦戦などが響いた。なお、25年12月期通期業績予想は、売上高4780億円(前期比3.5%減)、純利益570億円(同4.8%減)の従来見通しを据え置いている。 ■H2Oリテイ <8242> 1,896.5円 -39 円 (-2.0%) 本日終値 エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>は続落。1日取引終了後に4月度の売り上げ速報を発表。百貨店事業の全店合計は前年同月比6.4%減と、前月に続きマイナスとなった。高い伸びとなった前年の反動と円高傾向により、免税売り上げが引き続き苦戦。また、阪急本店などの大型改装で売り場面積が減少した影響もあった。これが嫌気された。 株探ニュース