株価指数先物 【週間展望】―米関税政策を睨みつつ、ショートカバーが強まる

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先物

 今週の日経225先物は、ゴールデンウィークに入り積極的にポジションを傾ける動きは限られるが、ショートカバーが強まりやすく、リバウンドを意識したスタンスとなろう。

 先週21日は18日の欧米市場がグッドフライデー(聖金曜日)の祝日で休場だった影響で海外投資家の資金流入が限られ、3営業日ぶりに反落したが、その後は4日続伸し25日には一時3万5870円まで上げ幅を広げた。今回のリバウンドで25日移動平均線(3万4910円)を明確に上抜けて、25日の取引終了後のナイトセッションでは3万6000円を突破し、3月下旬以来の水準を回復してきた。

 これにより25日線とボリンジャーバンドの+1σ(3万6470円)とのレンジに移行したため、目先的には+1σの突破を狙った動きとなろう。同バンドを突破してくると75日線の3万7120円、200日線の3万7730円、+2σの3万8070円が意識されてくるとみられ、3月26日戻り高値3万7970円から4月7日安値3万0650円の下げを完全に埋めてくる可能性が高まる。

 25日の米国市場では主要な株価指数が上昇した。米中対立への過度な懸念が和らぐなか、NYダウが前日までの3日間で1900ドルあまり上昇したこともあり、主力株の一角に利益確定の売りが出て下落に転じる場面もあった。ただし、エヌビディアが4%を超す上昇となったほか、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどが買われた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料となりそうだ。

 決算発表が本格化するなか、先週はファナック<6954>[東証P]の株価反応が投資家のセンチメントを明るくさせた。最終赤字拡大へ下方修正を行った日産自動車<7201>[東証P]も、構造改革への期待から株価が上昇した。また、25日の引け後に発表されたアドバンテスト<6857>[東証P]の決算は、2026年3月期の見通しが市場コンセンサスを下回ったが、同時に自社株買いを発表。PTS(私設取引)、ADR(米預託証券)では小動きながら、アク抜け感が強まるようだと、一段とセンチメントを明るくさせそうである。

 30日に赤沢亮正経済財政再生相が訪米し、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が予定されている。前週行われた第1回目の協議では、両国の良好な関係が確認されていた。楽観はできないが、トランプ米大統領は25日、日本と非常によい関係にあり、合意はかなり近いと述べている。関税交渉の進展期待によりショートを仕掛けづらくせるとともに、押し目待ち狙いのロングが入りやすい。国内では30日~5月1日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。トランプ関税の影響を踏まえて利上げは見送られるとの見方が大勢であり、無難に通過することになるだろう。

 日経225先物は、まずは+1σをターゲットとしたロング優勢の展開が期待される。29日の祝日を挟むうえ、週末からの4連休を控えて上値追いの動きは強まりにくいが、+1σ水準を回復したとしても戻り待ち狙いのショートは避けておきたい。レンジとしてはオプション権利行使価格の3万5500円から3万7000円辺りを想定する。

 25日の米VIX指数は24.84(24日は26.47)に低下した。23日に25日線(28.82)を割り込み、その後も低下基調を継続した。4月3日から7日にかけての急伸前の水準まで下がってきた。20.00を上回っている状況であるが、目先的には75日線が位置する22.13辺りが意識されてくるため、リスク選好に向かわせよう。

 先週のNT倍率は先物中心限月で13.57倍(24日は13.52倍)に上昇し、前週比で変わらずだった。23日に13.46倍に低下する場面もみられたが、週末は「中国が米国から輸入する半導体製品の一部を報復関税の対象から除外した」との報道をきっかけにハイテク株が買われ、日経平均型が優勢となるなかで切り返した。25日線が支持線として機能してくるようだと、リバランスを想定したNTロングへの転換を意識しておきたい。

 4月第3週(4月14日-18日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりの買い越しであり、買い越し額は3452億円(4月第2週は1958億円の売り越し)だった。なお、現物は1503億円の買い越し(同1582億円の買い越し)と3週連続の買い越しであり、先物は1948億円の買い越し(同3540億円の売り越し)と4週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で3441億円の売り越しと2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1670億円の買い越しとなり、2週連続の買い越し。

 主要スケジュールでは、29日に米国4月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に3月鉱工業生産、中国4月製造業PMI、米国4月ADP雇用統計、米国1-3月期GDP、米国3月個人所得、米国3月個人消費支出、5月1日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利発表、日銀総裁記者会見、米国4月ISM製造業景気指数、赤澤経済再生担当大臣が米関税措置を巡る2回目の閣僚交渉(見通し)、2日に3月完全失業率、米国4月雇用統計などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75
06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56
07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54
08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68
09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41
10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72
11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26
12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68
01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
03月限 日経225 36483.79  TOPIX  2684.98
04月限 日経225 32737.29  TOPIX  2418.70

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/06 04月25日  34940  35870  34790  35780  +750
25/06 04月24日  35000  35510  34970  35030  +110
25/06 04月23日  34330  35400  34290  34920  +640
25/06 04月22日  34190  34370  33860  34280  +20
25/06 04月21日  34730  34820  34240  34260  -570

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/06 04月25日  2586.0  2640.5  2574.5  2636.0  +45.5
25/06 04月24日  2596.0  2629.0  2588.5  2590.5  +4.5
25/06 04月23日  2540.5  2613.0  2537.5  2586.0  +49.5
25/06 04月22日  2520.0  2539.0  2497.5  2536.5  +12.5
25/06 04月21日  2557.5  2564.5  2522.5  2524.0  -41.5

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
04月25日(06月限) 36000  +220
04月24日(06月限) 35570  +540
04月23日(06月限) 35355  +435
04月22日(06月限) 34845  +565
04月21日(06月限) 34155  -105
 ※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
04月18日    637億円  -197億円 1兆4680億円  -3997億円
04月11日    834億円  -301億円 1兆8678億円  -1659億円
04月04日    1136億円  +139億円 2兆0337億円  -4230億円
03月28日    996億円  -550億円 2兆4567億円  +3949億円
03月21日    1547億円  +80億円 2兆0618億円  +998億円
03月14日    1466億円 -1555億円 1兆9619億円  +2885億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
04月23日    1544万株   -661万株  6億2252万株   -5077万株
04月22日    2205万株   +159万株  6億7329万株   +625万株
04月21日    2046万株    -57万株  6億6703万株   -2073万株
04月18日    2103万株    -19万株  6億8777万株   -3467万株
04月17日    2123万株   -171万株  7億2245万株   -1098万株
04月16日    2295万株   -157万株  7億3343万株   -5431万株
04月15日    2452万株    +91万株  7億8774万株   -1億5278万株
04月14日    2360万株   -440万株  9億4053万株   +965万株
04月11日    2801万株   +933万株  9億3088万株   -3852万株
04月10日    1867万株   -388万株  9億6940万株   +2553万株
04月09日    2256万株   -1489万株  9億4387万株   -675万株
04月08日    3746万株   -581万株  9億5062万株   +617万株
04月07日    4327万株    -80万株  9億4444万株   -7288万株
04月04日    4407万株   -237万株  10億1733万株   -330万株
04月03日    4644万株   +614万株  10億2063万株   -2867万株
04月02日    4030万株   +123万株  10億4931万株   -1990万株
04月01日    3907万株   +186万株  10億6921万株   +737万株
03月31日    3720万株   +437万株  10億6184万株   -1518万株



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