富田隆弥の【CHART CLUB】 懐疑の中で育つ
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「懐疑の中で育つ」 ◆日経平均株価は3万5000円台を回復したが、戻り試練は続く。大型連休を迎え投資家は動きづらく、日足チャートは25日移動平均線(24日時点3万5009円)に差し掛かり、順位相関指数(RCI)の短期線(9日・13日)も高値圏に到達する。 ◆ただ、為替(ドル円)は22日に1ドル=140円を一時上回り139.89円を付けたが、これが目先の高値となり24日時点では143円付近まで切り返している。企業業績への影響が懸念される円高だが、「140円」処は2023年12月、昨年9月に付けたチャートの反転ポイントである。その節目からの切り返しは注目される動きであり、目先145円台に向けたリバウンドも想定される。 ◆そして、やはりカギを握るのは米国株だ。トランプ大統領のコロコロ変わる言動にマーケットは振り回され、NYダウ、ナスダックともに乱高下を続けているが、安値を付けた7日以降のチャートは三角保ち合いとなっている。この保ち合いからの放れが目先のポイントであり、それは日本株にも影響するだろう。 ◆株式市場には「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」という格言がある(著名投資家ジョン・テンプルトンの言葉とされる)。3月下旬に始まった日経平均株価の急落は4月7日で底打ちし、その後の戻りはまさに「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ」に沿った流れといえる。セリングクライマックスを経た相場でもあり、為替や米国株の動向によっては連休明けの5月上旬まで戻り歩調を続けてもおかしくない。 ◆とはいえ、チャートは崩れた後のリバウンド(あや戻し)であるから、次の節目の3万6000円台まで戻りの正念場は続く。日足チャートの支持線など下値チェックも忘れずに続けたい。 (4月24日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース