話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、リミックス、東急建設
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■トヨタ自動車 <7203> 2,582円 +123 円 (+5.0%) 本日終値 トヨタ自動車<7203>がマドを開けて買われる展開で3日ぶりに大きく切り返した。外国為替市場ではリスクオフの巻き戻しを反映して急速に円安方向に押し戻されており、前日から2円近い円安で1ドル=142円台半ばで推移している。同社株など自動車セクターは輸出採算改善効果が見込まれるが、特に為替感応度の高い同社は対ドル1円の値動きで営業利益が約500億円動くと試算されており、足もとで自律反発狙いの買いや空売り筋のショートカバーを誘っている。一方、きょうから中国・上海で世界最大級の自動車展示会である「上海国際自動車ショー」が開幕するが、同社を筆頭に日本の自動車メーカーが電気自動車(EV)などでどういう戦略をみせていくのか、その内容にも視線が集まっており、株価にも影響を与えそうだ。 ■リミックスポイント <3825> 350円 +16 円 (+4.8%) 本日終値 リミックスポイント<3825>が大幅高で4日ぶりに反発。この日、産業用蓄電池の導入を検討している高圧需要家向けの新たな支援策として、「蓄電池割」の提供を開始したと発表しており、好材料視された。「蓄電池割」は、蓄電池の充電にかかる電気代の一部を同社が負担するもの。これにより充電月額コストの大幅な削減が可能となり、導入後にかかる費用負担を軽減することで事業者の蓄電池導入を後押しするとしている。 ■東急建設 <1720> 841円 +36 円 (+4.5%) 本日終値 東急建設<1720>が6日続伸し年初来高値を更新した。22日の取引終了後に、集計中の25年3月期連結業績について、営業利益が従来予想の69億円から88億円(前の期比7.9%増)へ、純利益が50億円から66億円(同9.2%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これを好材料視した買いが入った。国内建築工事で予定案件の受注時期が遅れた影響により完成工事高が減少し、売上高は2940億円から2930億円(同2.6%増)へやや下振れたものの、海外土木工事の採算改善や国内建築工事の追加変更工事獲得などにより完成工事総利益が増加し利益を押し上げた。 ■PAコンサル <4071> 1,647円 +63 円 (+4.0%) 本日終値 プラスアルファ・コンサルティング<4071>が大幅反発。22日の取引終了後、マイナビ(東京都千代田区)とHR領域で包括的に業務提携すると発表しており、好材料視された。就職・採用分野で豊富な実績を持つマイナビと「科学的人事」の実現を目指すタレントパレットを展開するPAコンサルがサービスや保有データを融合・連携することで、学生や社会人のデータを蓄積するプラットフォームを提供し、採用・育成・配置業務においてスキルなどによるマッチング精度向上に取り組むという。これにより就職や転職を起点として、その後の活躍までを支援する革新的なサービス×プラットフォームのシナジー創出を目指すとしている。 ■富士電機 <6504> 6,088円 +228 円 (+3.9%) 本日終値 富士電機<6504>が大幅高で4日ぶりに反発。この日、インドネシアのムアララボ地熱発電所2号機の地熱発電設備一式及びエンジニアリングを受注したと発表しており、好材料視された。ムアララボ地熱発電所2号機は、同社が2017年に地熱発電設備一式及びエンジニアリングを受注し、19年に運転を開始したムアララボ地熱発電所1号機に隣接して建設される予定で、これにより同発電所の発電容量は、約170メガワットまで引き上がる計画。住友商事<8053>が一括工事を請け負い、富士電機は蒸気タービンや発電機などの主要機器の製造・供給及びエンジニアリングを担当するとしており、27年の稼働開始を予定している。 ■安藤・間 <1719> 1,419円 +47 円 (+3.4%) 本日終値 安藤・間<1719>が上げ幅を拡大し、年初来高値を更新した。同社は午後3時ごろ、25年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しは従来の270億円から352億円(前の期比89.3%増)に引き上げた。売上高予想も4171億円から4251億円(同7.9%増)に上方修正。土木事業・建築事業ともに工事が概ね順調に進捗したほか、利益面では建築の完成工事において採算性が向上したことなどが寄与した。 ■ベルーナ <9997> 987円 +31 円 (+3.2%) 本日終値 ベルーナ<9997>が上値追い鮮烈、8連騰で今月1日につけた年初来高値966円を約3週間ぶりに更新した。きょうを含め日足7連続陽線を形成しており、機関投資家筋など実需の買いが流入していることを示唆している。カタログ通販の大手だが、通販の顧客向けファイナンスや不動産分野などにも事業展開しており、内需の好業績株として頭角を現している。25年3月期は営業利益段階で前の期比18%増の115億円予想と大幅な伸びを見込む。株主還元にも前向きな点は評価され、25年3月期の年間配当は29円(前の期実績は20円50銭)を計画している。 ■アドバンテスト <6857> 5,558円 +167 円 (+3.1%) 本日終値 アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連が急速に買い戻される展開。前日の米国株市場ではこれまでハイテク株などを中心に売り込まれてきた反動から、大きく買い戻される展開となった。半導体セクターもAI用半導体大手のエヌビディアが4日ぶりに2%高と切り返したことで、投資家のセンチメントが改善した。東京市場でもエヌビディアを主要顧客とするアドテストなどをはじめ半導体主力株に買い戻しの動きを誘発する格好となった。 ■杏林製薬 <4569> 1,518円 +42 円 (+2.9%) 本日終値 杏林製薬<4569>が大幅高。同社は23日、25年3月期の連結業績について、売上高が計画を66億円上回る1300億円(前の期比8.8%増)、最終利益が計画を40億円上回る90億円(同64.4%増)で着地したようだと発表。最終利益は減益予想から一転して増益となり、評価されたようだ。今年3月に自社創製化合物である「KRP─M223」について、ノバルティス とのライセンス契約をもとにした契約一時金収入5500万ドルを計上。収益が予想を大きく上振れする格好となった。 ■オービック <4684> 5,030円 +126 円 (+2.6%) 本日終値 オービック<4684>は年初来高値を更新。22日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比10.0%増の1334億円、営業利益を同10.0%増の862億円と発表。配当予想は74円とし、前期実績(株式分割考慮後で70円)から実質増配となる見通しを示した。これが好感された。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比8.6%増の1212億4000万円、営業利益が同10.5%増の783億7800万円だった。企業のデジタル需要を追い風に、主力の統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」が伸びた。 株探ニュース