話題株ピックアップ【昼刊】:富士フイルム、新日本空調、コニカミノル

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■富士フイルム <4901>  2,984円   +308 円 (+11.5%)  11:30現在  東証プライム 上昇率トップ
 富士フイルムホールディングス<4901>が急動意、大量の買い注文を集め底値圏から急速に離脱する動きをみせている。同社は22日、米製薬大手から総額30億ドル(約4200億円)超のバイオ医薬品の生産を受託したと発表した。ノースカロライナ州で抗体医薬品を10年間にわたり生産する。医薬品は経済安全保障の観点でトランプ米政権が関税導入を表明しており、製薬大手が米国内での生産に動いていることから、その需要に対応した背景がある。これが強力なインパクトで株価を突き動かしている。ここ2700円近辺を軸とした底値圏でのもみ合いを続けていたことで売り物がこなれていたことも、買い人気を増幅している。

■新日本空調 <1952>  1,969円   +186 円 (+10.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位
 新日本空調<1952>が大幅高で3日ぶりに反発している。午前11時ごろに集計中の25年3月期連結業績について、売上高が従来予想の1330億円から1376億円(前の期比7.5%増)へ、営業利益が93億円から112億円(同21.3%増)へ、純利益が80億円から96億円(同33.9%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。売上高が予想をやや上振れたことに加えて、工事採算の改善などが利益を押し上げた。なお、業績上振れに伴い、期末配当予想を30円から50円へ引き上げた。

■コニカミノルタ <4902>  434.2円   +35.3 円 (+8.9%)  11:30現在  東証プライム 上昇率3位
 コニカミノルタ<4902>が急伸している。日本経済新聞電子版は22日夜、「コニカミノルタは薄くて曲がるペロブスカイト型太陽電池向け保護膜の生産を2026年度にも始める」と報じた。成長が期待されるペロブスカイト型太陽電池向けのフィルムとあって、事業へのポジティブな影響を期待した買いを集めたようだ。記事によると、同社が生産するのはわずかな水分も通さない樹脂製のフィルムで、有機EL照明の製造で培った技術を活用。国内の既存工場で生産し、26年度にもサンプル出荷を始めるという。

■コカBJH <2579>  2,734.5円   +164.5 円 (+6.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率4位
 コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス<2579>が8日続伸している。22日の取引終了後、主要カテゴリーの製品を10月1日出荷分から値上げすると発表しており、好材料視されている。対象となるのはPETボトル製品(小型・中型・大型)、缶製品(缶、ボトル缶)、紙パック、袋入り製品(一部製品を除く)で、値上げ率は4.8~23.0%。コーヒー製品で1本あたり20~30円、その他製品で同20円に相当する。原材料、資材、エネルギー価格の高騰や為替相場の変動による影響が長期化していることなどが要因で、企業努力のみで吸収することが困難だと判断したという。

■PAコンサル <4071>  1,675円   +91 円 (+5.7%)  11:30現在  東証プライム 上昇率10位
 プラスアルファ・コンサルティング<4071>が大幅反発している。22日の取引終了後、マイナビ(東京都千代田区)とHR領域で包括的に業務提携すると発表しており、好材料視されている。就職・採用分野で豊富な実績を持つマイナビと「科学的人事」の実現を目指すタレントパレットを展開するPAコンサルがサービスや保有データを融合・連携することで、学生や社会人のデータを蓄積するプラットフォームを提供し、採用・育成・配置業務においてスキルなどによるマッチング精度向上に取り組むという。これにより就職や転職を起点として、その後の活躍までを支援する革新的なサービス×プラットフォームのシナジー創出を目指すとしている。

■ジェイテクト <6473>  993円   +38.1 円 (+4.0%)  11:30現在
 ジェイテクト<6473>が上げ幅を拡大した。同社は23日午前10時30分、25年3月期の連結業績に関し、売上高が計画を200億円上回る1兆8800億円(前の期比0.6%減)、最終利益が計画を80億円上回る130億円(同67.7%減)で着地したようだと発表。これを好感した買いが入ったようだ。原価改善の取り組みが奏功したほか、コストアップに対する客先からの回収も寄与。インド事業の収益改善や、米国での法人所得税費用が減少したことなども利益を押し上げる要因となった。

■東急建設 <1720>  836円   +31 円 (+3.9%)  11:30現在
 東急建設<1720>が6日続伸し年初来高値を更新している。22日の取引終了後に、集計中の25年3月期連結業績について、営業利益が従来予想の69億円から88億円(前の期比7.9%増)へ、純利益が50億円から66億円(同9.2%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。国内建築工事で予定案件の受注時期が遅れた影響により完成工事高が減少し、売上高は2940億円から2930億円(同2.6%増)へやや下振れたものの、海外土木工事の採算改善や国内建築工事の追加変更工事獲得などにより完成工事総利益が増加し利益を押し上げた。

■トヨタ自動車 <7203>  2,552円   +93 円 (+3.8%)  11:30現在
 トヨタ自動車<7203>がマドを開けて買われる展開で3日ぶりに大きく切り返している。外国為替市場ではリスクオフの巻き戻しを反映して急速に円安方向に押し戻されており、前日から2円近い円安で1ドル=142円台半ばで推移している。同社株など自動車セクターは輸出採算改善効果が見込まれるが、特に為替感応度の高い同社は対ドル1円の値動きで営業利益が約500億円動くと試算されており、足もとで自律反発狙いの買いや空売り筋のショートカバーを誘っている。一方、きょうから中国・上海で世界最大級の自動車展示会である「上海国際自動車ショー」が開幕するが、同社を筆頭に日本の自動車メーカーが電気自動車(EV)などでどういう戦略をみせていくのか、その内容にも視線が集まっており、株価にも影響を与えそうだ。

■ベルーナ <9997>  985円   +29 円 (+3.0%)  11:30現在
 ベルーナ<9997>が上値追い鮮烈、8連騰で今月1日につけた年初来高値966円を約3週間ぶりに更新した。きょうを含め日足7連続陽線を形成しており、機関投資家筋など実需の買いが流入していることを示唆している。カタログ通販の大手だが、通販の顧客向けファイナンスや不動産分野などにも事業展開しており、内需の好業績株として頭角を現している。25年3月期は営業利益段階で前の期比18%増の115億円予想と大幅な伸びを見込む。株主還元にも前向きな点は評価され、25年3月期の年間配当は29円(前の期実績は20円50銭)を計画している。

■リンテック <7966>  2,677円   +76 円 (+2.9%)  11:30現在
 リンテック<7966>が大幅続伸している。22日の取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、売上高が従来予想の3100億円から3160億円(前の期比14.4%増)へ、営業利益が240億円から245億円(同2.3倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、好材料視されている。洋紙事業を除く事業が総じて堅調に推移していることが売上高・営業利益を押し上げたという。なお、最終利益は洋紙事業に関して固定資産の減損損失約77億円を特別損失として計上することから、170億円から140億円(同2.7倍)へ下振れて着地したようだ。

■アドバンテスト <6857>  5,516円   +125 円 (+2.3%)  11:30現在
 アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>が揃ってカイ気配スタートとなるなど半導体製造装置関連が急速に買い戻される展開となっている。前日の米国株市場ではこれまでハイテク株などを中心に売り込まれてきた反動から、大きく買い戻される展開となった。半導体セクターもAI用半導体大手のエヌビディアが4日ぶりに2%高と切り返したことで、投資家のセンチメントが改善した。東京市場でもエヌビディアを主要顧客とするアドテストなどをはじめ半導体主力株に買い戻しの動きを誘発する格好となった。

■ダイフク <6383>  3,553円   +66 円 (+1.9%)  11:30現在
 ダイフク<6383>が続伸している。為替市場でドル安・円高の進行が一服していることが追い風となっているもよう。また、22日にインドの自動化ニーズに応える新工場が稼働したと発表していることも買い手掛かりとなっているようだ。この新工場では食品・化学・機械・ゴム製品などの製造業向け、小売り・運輸・倉庫などの流通業向けに、自動倉庫や高速搬送台車、コンベヤなどの製造を行い、同国での生産品目の拡充を進める考え。顧客へのリードタイム短縮や地域に密着した製品開発・サービス体制を整えることで、同国市場での事業拡大を図るとしている。

■クイック <4318>  1,943円   +28 円 (+1.5%)  11:30現在
 クイック<4318>が続伸している。22日の取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、売上高が従来予想の316億7000万円から325億100万円(前の期比10.2%増)へ、営業利益が44億9000万円から45億3300万円(同8.7%減)へ、純利益が35億1000万円から35億8300万円(同2.2%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。グループの注力領域である建設や電気・機械、自動車、IT分野に加え、医療・福祉分野でも採用ニーズが旺盛であったことや、飲食業や販売業、サービス業でもインバウンド需要の拡大などを背景に企業の人手不足感は高止まりしており、これを受けて主力の人材サービス事業やリクルーティング事業を中心に売上高が順調に推移したという。また、業績上振れに伴い、期末配当予想を47円から49円に増額し、年間配当を96円にするとあわせて発表した。

■トクヤマ <4043>  2,633.5円   +26 円 (+1.0%)  11:30現在
 トクヤマ<4043>が続伸している。22日の取引終了後、JSR(東京都港区)から体外診断用医薬品事業と体外診断用医薬品材料事業を取得すると発表しており、好材料視されている。対象事業を承継する新設会社の全株式を10月1日付で取得し子会社化する。これにより、粒子や抗体を用いた免疫試薬を製品化する能力を補完でき、開発期間の大幅な短縮と基礎技術とのシナジーが期待できるほか、両事業の中国顧客に対してトクヤマの電解質検査電極・試薬やその他の製品を提供することによるクロスセルが可能になるとしている。取得価額は820億円。なお、26年3月期業績への影響は精査中としている。

■INPEX <1605>  1,826円   +5.5 円 (+0.3%)  11:30現在
 INPEX<1605>やENEOSホールディングス<5020>はしっかり。22日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の5月限が前日比1.23ドル高の1バレル=64.31ドルと上昇。米財務省は22日、イラン産原油や液化石油ガス(LPG)の輸出に関連する人物と関連企業に新たな制裁を発動したと発表した。対イラン制裁の強化を受け、原油市場の需給引き締まり観測が強まった。また、ベッセント米財務長官が米中貿易摩擦は緩和に向かうとの認識を示したと伝わったことを好感する買いも流入した。

■マクアケ <4479>  774円   +100 円 (+14.8%) ストップ高   11:30現在
 マクアケ<4479>が4連騰してストップ高の774円に買われ、年初来高値を更新している。22日の取引終了後、25年9月期の単独業績予想について、売上高を38億円から40億4000万円(前期比10.6%増)へ、営業利益を1億2000万円から3億1000万円(前期6200万円の赤字)へ、最終利益を7000万円から2億9000万円(同1億300万円の赤字)へ上方修正したことが好感されている。プロジェクト単価の向上に注力した各種施策により取扱高が堅調に推移したことに加え、実行者からの広告代行受注が増加したことなどが要因。また、人件費が減少したことや諸費用に関するコストマネジメントの徹底によって販管費を低減したことも寄与した。

■イシン <143A>  1,060円   +120 円 (+12.8%) ストップ高   11:30現在
 イシン<143A>はストップ高。22日の取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、売上高が従来予想の13億5400万円から13億9300万円(前の期比8.8%増)へ、営業利益が2億600万円から2億4500万円(同22.5%増)へ、純利益が1億4200万円から1億7700万円(同40.5%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。グローバルイノベーション事業でスタートアップ情報ポータル「BLITZ Portal」及び大型の海外研修サービスが想定を上回ったことに加えて、メディアPR事業でも3月に開催したイベントのスポンサー売り上げが計画を上回ったことが要因としている。

●ストップ高銘柄
 マクアケ <4479>  774円   +100 円 (+14.8%) ストップ高   11:30現在
 イシン <143A>  1,060円   +120 円 (+12.8%) ストップ高   11:30現在
 以上、2銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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