株価指数先物【寄り前】 3万4000円を下回る場面では押し目狙いのロング対応

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 34120 -140 (-0.40%)
TOPIX先物 2513.0 -11.0 (-0.43%)
シカゴ日経平均先物 34155 -105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 21日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に下落。トランプ米大統領が、米連邦準備理事会(FRB)に対し再び政策金利の引き下げを求めた。FRBの独立性を巡る懸念で売りが広がり、NYダウの下落幅は一時1300ドルを超えた。政治的な理由でパウエルFRB議長が辞めることになれば金融政策の不透明感が高まるとして、為替市場では円相場が1ドル=140円後半と円高に振れて推移。

 S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、自動車・同部品、半導体・同製造装置、ヘルスケア機器・サービス、電気通信サービス、保険が弱い。NYダウ構成銘柄では、ナイキが上昇した一方で、ユナイテッドヘルス・グループ、エヌビディア、セールスフォース、アメリカン・エキスプレス、シャーウィン・ウィリアムズ、アマゾン・ドット・コムの下げが目立った。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比105円安の3万4155円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比70円安の3万4190円で始まり、その後はプラス圏を回復して3万4360円まで買われた。だが、米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万3860円まで売られる場面もみられた。終盤にかけてはショートカバーにより下げ幅を縮め、3万4120円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、売り先行で始まりそうだ。トランプ大統領の発言を受けて金融不安が高まり、「米国売り」といった形から主要な米株価指数はいずれも2%を超える下げとなっている。

 個別では「モデルY」廉価版の生産の遅れが伝わったテスラがS&P500指数を押し下げたほか、エヌビディアは中国ファーウェイが新たなAI向け半導体の大量出荷を早ければ来月にも始める見通しと報じられたことが嫌気され、NYダウの重荷となった。一方で、前週に発表した1-3月期決算や4-6月期の収益見通しが市場予想を上回ったネットフリックスが上昇した。

 日経225先物は一時3万3860円まで売られたが、引き続きボリンジャーバンドの-1σ(3万3310円)を上回っての推移だった。25日移動平均線(3万5180円)とのレンジをキープしているため、3万4000円を下回る局面では押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。トランプ大統領の発言に振らされやすい状況ではあるが、関税を巡る日米両国の良好な関係が確認され、交渉進展への期待が高まるなかでショートは仕掛けづらくさせよう。

 短期的にはナイトセッションの安値水準を仕掛けてくる動きが意識されやすく、オプション権利行使価格の3万3875円から3万4875円によるレンジを想定。トランプ大統領のパウエルFRB議長の辞任を求める発言については、前日の時点で織り込まれているだろう。幅広い銘柄が売られるなかで、ネットフリックスが決算評価から買われた点は冷静さを感じさせる。

 21日の米VIX指数は33.82(17日は29.65)に上昇した。先週は30.00~35.00辺りのやや落ち着いた値動きで、15日には28.29まで低下する場面もあった。25日線(28.14)に接近していたこともあり、反発しやすいタイミングだったと考えられる。楽観はできないが、関税が再発動されるとみられる7月の期限までは各国の交渉協議の進展が期待されるため、25日線を割り込んでくる展開に期待したいところだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.57倍と横ばいで推移。13.53倍に低下する場面もみられたが下へのトレンドは強まらず、その後は25日線(13.55倍)が支持線として意識されていた。本日はややリスク回避から内需系にシフトしやすく、相対的にTOPIX型優位の展開になりそうだ。ただし、円高が嫌気され輸出関連株などが重荷となるため、トレンドは出にくい。25日線水準で底堅さがみられるようであれば、その後のリバランスを想定したNTロングが入りそうだ。

株探ニュース

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