ドル円、一時141円台に下落も買い戻される 短期的に強気な見方も=NY為替概況
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ドル円、一時141円台に下落も買い戻される 短期的に強気な見方も=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は再び141円台に下落する場面が見られたものの、142円台半ばまで買い戻される展開となった。本日も米株式市場が上値の重い展開となる中、ドル円は上値の重い展開が続いていた。 ただ、トランプ大統領が「EUとの貿易合意に強い自信がある」と述べていたほか、ベッセント財務長官が「日本との協議は極めて満足のいく方向に動いている」と述べていたことで、ドル円は買い戻されている。 市場ではドル円に弱気な見方が多く、140円割れは時間の問題との指摘も多い。しかし、短期的にドル円に強気な見方を示すアナリストもいる。円ロングが過剰に積み上がっており、ドル円はショートカバーが出易いと指摘。米商品先物協会(CFTC)のIMM投機筋の建玉報告では、円ロングの急増が確認されているが、これらの投機筋は150円付近またはそれ以上で円ロングを積み上げており、ここから145円まで戻したとても、利益を確定できる水準にあるとも指摘している。 明日からイースター休暇で流動性低下する中、本日は積み上げた円ロングの調整も出ていたようだ。 ユーロドルは戻り売りが優勢となり、一時1.1340ドル付近まで値を落とす場面が見られた。1.14ドル台の上値抵抗は根強いようだが、下押す動きまではない。過熱のサインが点灯しているものの、上昇トレンドは堅持している。米国離れが指摘される中で、資金の逃避先として、引き続きユーロが選択されているようだ。 本日はECB理事会が開催され、予想通りに中銀預金金利を引き下げた。昨年6月に金融緩和局面に入ってから利下げは7回目。ECBはインフレ抑制のプロセスが軌道に乗っているとの認識を示し、声明から「景気抑制的」の文言を削除した。 その一方、欧州が逆風に直面しているとも強調。ラガルド総裁はその後の会見で「異例の不確実性により経済見通しは曇った。経済成長の下振れリスクは高まっている」と述べ、トランプ関税の完全な影響が明確になるには時間がかかるとの認識を示していた。ユーロドルは上下動したものの、大きな動きには至っていない。 本日もポンドドルは買いが続き、8日続伸。2024年3月以来の高値水準を維持している。英中銀は貿易戦争のリスクが残る中、予想以上に利下げを拡大する可能性あるとの見方がエコノミストから出ている。トランプ大統領が関税措置を一時停止したにもかかわらず、英経済に与える影響は予想以上に深刻化し、英中銀の利下げペースが加速する可能性があるという。理由として以下を挙げている。 1、トランプ政権の過去1週間の態度変更は既に高まっていた不確実性をさらに増大させた。2、ポンドはドルに対して弱含んでおらず、英製品はより魅力的になっていない。3、英財政政策は現在計画されているよりも緊縮的になる可能性がある、などと指摘。また、貿易戦争がさらにエスカレートしなくても、英中銀が予想以上に利下げを行うリスクは高まっているとも付け加えていた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美