話題株ピックアップ【夕刊】(1):住友ファーマ、住石HD、カカクコム
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■住友ファーマ <4506> 608円 +100 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ 住友ファーマ<4506>がストップ高。京都大学の研究チームによるiPS細胞を用いたパーキンソン病向けの治験で、有効性と安全性が示されたことが明らかになった。治験結果は16日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。住友ファーマは京都大学と連携し、iPS細胞を活用したパーキンソン病の治療薬の実用化を目指している。今回の成果発表を受け、将来的な収益貢献を見込んだ買いが同社株に入ったようだ。 ■住石ホールディングス <1514> 760円 +100 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値 住石ホールディングス<1514>が急反発。16日の取引終了後、集計中の25年3月期の連結業績について、営業利益が従来予想の34億円から46億円(前の期比42.6%減)へ、純利益が33億円から41億円(同45.6%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。下期の石炭販売取引に関して、上期同様エネルギー需要の緩みにより石炭市況の軟化が見られたことや、石炭販売量が減少したことなどから売上高は171億円から148億円(同34.5%減)へ下振れたものの、豪州ワンボ炭鉱からの配当金が下期予想を上回ったことから各利益は上振れたとしている。なお、業績上振れに伴い、期末一括配当予想を25円から30円(前期60円)へ増額した。 ■カカクコム <2371> 2,433円 +239.5 円 (+10.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位 カカクコム<2371>が大幅高で底値圏から急浮上に転じている。大陽線を示現し、3月21日のザラ場につけた2356円の戻り高値を払拭しにわかに注目度が高まっている。同社が注力する「求人ボックス」事業が絶好調に推移しており、証券会社ではモルガン・スタンレーMUFG証券が同社株に強気評価(オーバーウェート)を示し、目標株価3000円を継続している。前日に観光庁が発表した1~3月期の訪日外国人観光客による消費額は、同期間としては過去最高となる2兆円を突破。訪日客数も1月以降の累計で過去最速で1000万人を超えたことで、インバウンド関連株への注目が改めて高まっているが、そのなか同社はインバウンド向けネット予約サービスを本格展開しており、収益環境への追い風が意識されている。 ■日本農薬 <4997> 790円 +74 円 (+10.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位 日本農薬<4997>は大幅高。16日取引終了後、旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスから株主提案に関する書面を受領したと発表した。提案された議題は「少数株主を保護し、株主価値向上策について検討するための特別委員会の設置に係る定款変更の件」と「取締役の過半数を社外取締役とする定款変更の件」。これに対する取締役会の意見は決定次第速やかに知らせるという。これを受けて思惑的な物色が向かった。 ■サイバーエージェント <4751> 1,173.5円 +99 円 (+9.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位 サイバーエージェント<4751>は急反発。16日取引終了後、子会社CyberOwl(サイバーアウル)での不適切な会計処理を巡り、外部の専門家を含む社内調査委員会による調査結果報告書を受領したと発表した。売上高の概算計上の根拠となる係数などにおいて、同子会社の取締役個人1人が2020年から改ざんを続けていたという。調査結果を受け、過年度の有価証券報告書などの訂正を行う予定で作業を進めていることや、再発防止策などを示した。アク抜け感から買い戻しの動きが出たようだ。なお、子会社アプリボットがバンダイナムコエンターテインメントと共同開発するスマートフォンゲーム「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」が16日に配信開始された。アップストアの無料ゲームアプリランキング(17日午前時点)で首位となっており、これを材料視する向きもあるもよう。 ■マネーフォワード <3994> 4,139円 +279 円 (+7.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位 マネーフォワード<3994>が急反発。中堅企業向けクラウド業務ソフトや個人向け資産管理アプリなどを展開するが、業績はトップラインの大幅な伸びが続く一方で、損益面は先行投資によって営業赤字が続いている。16日取引終了後、三井住友フィナンシャルグループ<8316>及び三井住友銀行とBaaS/デジタルバンク提供の検討に向けた準備会社を設立すると発表。新銀行の設立・開業を目指す方向にあり、これが株価を強く刺激する格好となった。テクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前で、底値圏もみ合いからの離脱が期待される場面にある。 ■ネットプロ <7383> 443円 +27 円 (+6.5%) 本日終値 ネットプロテクションズホールディングス<7383>が堅調推移。同社は17日、DMM.com(東京都港区)が運営する総合サイト「DMM.com」に、後払い決済サービス「atone(アトネ)」の提供を開始したと発表。これを材料視した買いが株価を押し上げたようだ。atoneの会員数は700万人を超える。DMM.comの顧客層との親和性が高いことなどを理由に導入が決まった。 ■チェンジHD <3962> 1,268円 +70 円 (+5.8%) 本日終値 チェンジホールディングス<3962>は高い。16日取引終了後、オンライン商談システムを手掛けるBloom Act(ブルームアクト、茨城県つくば市)と、金融機関や自治体の窓口業務のDX化を推進することを目的に業務提携したと発表した。チェンジHD傘下のチェンジが同商談システムの導入支援を行うなど、窓口業務の変革に向けた包括的なサービスを提供する。今後の業容拡大を期待する向きもあるようだ。 ■日立建機 <6305> 4,074円 +155 円 (+4.0%) 本日終値 日立建機<6305>が4日続伸。同社は16日、遠隔監視でほぼリアルタイムに収集した鉱山機械の稼働データを解析し、顧客の鉱山操業の効率を高めるソリューション「LANDCROS Connect Insight(ランドクロス・コネクト・インサイト)」を開発したと発表しており、好材料視された。同社は、IoTにより鉱山機械を24時間遠隔監視するサービスソリューション「ConSite Mine(コンサイト・マイン)」を22年1月から鉱山現場向けに提供してきたが、「ConSite Mine」が1日に1回、日立建機ブランドの鉱山機械の稼働データを取得するのに対し、「LANDCROS Connect Insight」はほぼリアルタイムに稼働データを取得し、コンサルティングまで実施できるのが特徴という。同社では25年度からオーストラリア、ザンビア、チリ、アメリカなど世界各地の鉱山現場に順次展開するとしている。 ■アドバンテスト <6857> 5,612円 +189 円 (+3.5%) 本日終値 アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、レーザーテック<6920>、KOKUSAI ELECTRIC<6525>、TOWA<6315>など半導体製造装置関連や、半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス<285A>、半導体シリコンウエハーを製造販売するSUMCO<3436>といった半導体セクターの銘柄が軒並み切り返す動きをみせている。前日の米国株市場ではエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイシズ などが大幅安に売られるなど半導体株安が顕著で全体相場を押し下げたが、東京市場ではこれに先立って前日に関連銘柄への売りがかさんでいた。米政府の対中輸出規制強化や、直近発表されたオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング の1~3月期決算発表を受けて半導体業界の収益環境に先行き懸念が広がるなかも、目先は空売り筋の買い戻しでリバウンドに転じている。 株探ニュース