株価指数先物【寄り前】 日米関税交渉への期待から押し目狙いのロングで対応

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 33800 ?120 (-0.35%)
TOPIX先物 2489.5 -10.5 (-0.42%)
シカゴ日経平均先物 33835 -85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。中国向けに設計したAI半導体「H20」が米政府の輸出規制の対象になったとして、第1四半期に最大で55億ドルの費用を計上すると発表したエヌビディアが急落し、ハイテク株を中心に売りが広がった。オランダの半導体製造装置メーカーであるASMLホールディングが決算と併せて発表した新規受注額が予想を下回ったことも嫌気され、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下落率は4%を超えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が16日の講演で早期利下げに慎重な見方を示したことで、NYダウの下げ幅は一時900ドルを超えた。

 S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器、ソフトウエア・サービス、小売が下落。一方で、エネルギー、ヘルスケア機器・サービスの2セクターが上昇した。NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほかアムジェン、アップル、マイクロソフト、スリーエム、ウォルマート、アマゾン・ドット・コムが売られた。半面、トラベラーズ、ボーイング、シェブロンが上昇。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比85円安の3万3835円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比140円安の3万3780円で始まり、その後3万4350円まで切り返し、3万4000円~3万4350円処で保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを下抜けると、一時3万3600円まで売られ、3万3800円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。エヌビディアやASMLホールディングの下落については前日の時点で織り込まれており、改めてショートを強めてくる動きは限られるだろう。ボリンジャーバンドは下向きで推移しているものの、ナイトセッションで-1σ(3万3510円)を上回っていたことで、同バンドを支持線とした底堅さが意識されよう。

 赤沢亮正経済再生担当相は日本時間17日朝、トランプ米大統領と会談した。関税交渉は午前6時からベッセント財務長官らと行われている。トランプ大統領が協議に出席の意向を示したことで、一段と市場の注目度が高まりそうだ。交渉を巡る報道によりアルゴリズムが発動する可能性もあるため、瞬間的な変動には注意しておきたい。

 日経225先物は-1σが支持線として意識されるなか、オプション権利行使価格の3万3500円から3万5000円のレンジを想定する。-1σを割り込む局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 16日の米VIX指数は32.64(15日は30.12)に上昇した。前日に25日移動平均線(27.46)に接近する場面もみられていたため、いったんは反発が予想されていた。楽観視はできないものの、過度なリスク回避姿勢には向かわないとみておきたい。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.56倍に低下。25日線(13.56倍)が支持線として機能する形で13.63倍まで戻す場面もあったが、エヌビディアの特損計上やASMLホールディングの決算を受けたハイテク株一段安の影響で、NTショートが強まったようだ。本日は25日線が支持線として機能する可能性から、NTショートを巻き戻す動きに向かわせそうだ。

株探ニュース

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