ドル円、値の荒い動きが続く 関税緩和措置への期待が高まる=NY為替概況
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ドル円、値の荒い動きが続く 関税緩和措置への期待が高まる=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は値の荒い動きが続く中、本日はNY時間にかけて買い戻しが強まり、一時144円台を回復する場面も見られた。ただ、ドルの下値警戒感は依然強く、その後は142円台に伸び悩んでいる。 トランプ政権がスマホやPCを含む一部の電子機器について、相互関税の適用除外したことや、自動車と部品に対する関税について、一時的な適用除外の可能性を示唆したことで、トランプ関税の緩和措置への期待が高まった。 ただし、大統領は電子機器について、課税方針に変化はないことも改めて表明しており、週末に発表した除外措置については、米国の貿易を再構築するという包括的な取り組みにおける手続き上のステップに過ぎないと強調している。 米国離れと景気後退への警戒感は根強いものの、本日は米国債も買い戻されていたことから、為替市場もドル安が一服していたようだ。 今週は赤沢経済再生相が訪米し、ベッセント米財務長官と会談する予定で、市場はこちらの行方も注目している模様。赤沢再生相は「非関税障壁や農産品、為替の関心を具体的に確認したい」とインタビューで述べていた。 ユーロドルはNY時間にかけて上げが一服し、1.12ドル台に伸び悩む場面も見られた。ただ、ロンドン時間の早朝には一時1.14ドル台に上昇するなど、力強い動きは堅持している。今週はECB理事会が開催され、市場は利下げを有力視しているが、見方は分かれている。ただ、ECBが市場を驚かせる可能性は低いとの見解も出ていた。 ユーロは過去15年間で最速のペースで上昇しており、ストラテジストらは予測の更新を急いでいる。1.20ドルへの上昇も視野に入れ始めているようだ。本日のオプション取引の4分の3はユーロ高を見込んだものとなっている。 「為替市場はユーロを買い越しているが、構造的な分散投資の流れにより、多くの投資家がこれに追随するだろう」と指摘。「今年中に1.15-1.20ドルのゾーンにレベルシフトするリスクが急速に基本シナリオになりつつある」と述べた。 ポンドドルは買い戻しが優勢となり、直近高値の1.32ドル台を回復する場面も見られた。本日のポンドは対ユーロでも上昇。 最近はトランプ関税に左右されているポンド相場だが、今週は英経済指標が再び注目されるかもしれないとの指摘もアナリストから出ている。火曜日に英雇用統計、水曜日に英消費者物価指数(CPI)が発表されるが、いずれもポンドの下振れリスクとなる可能性があるという。 英雇用統計については、4月の雇用主負担税の引き上げを前に3月の失業率が上昇した可能性があるとしている。また、英CPIでは3月のサービスインフレの上昇圧力が緩和した可能性があり、それらは英中銀の追加利下げを後押しするという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美