【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─トランプ関税への最もシンプルな対処法とは?!
投稿:
「トランプ関税への最もシンプルな対処法とは?!」 ●「関税男」トランプ氏を突き動かすもの 一寸先も読めない、とはまさにこのことだ。 ご承知のように、トランプ大統領は4月9日午後1時1分(日本時間)、世界60ヵ国と地域に対して「相互関税」の上乗せ分の適用を始めた。だが、その13時間後、今度はそれを覆し、課税措置を90日間一時停止すると発表した。世界に向けて表明した国策を半日ほどで簡単にひっくり返すなど、通常ではあり得ないこと。はっきり言ってハチャメチャだ。しかし、トランプ大統領には不当なことなどではなく、ゲーム感覚でやっていることなのだろう。お陰で10日の東京市場は日経平均株価が2894円高と久しぶりに大暴騰し、喜ばせてもらったのだが、残念ながら週末11日は1023円安と急反落、結局は不安定な相場の継続となってしまった。 それにしてもなぜ、トランプ大統領は、世界中を混乱に陥れる関税引き上げに熱心なのか。もちろん、アメリカの製造業を守るためということになろうが、私は実はもっと本質的な要因があると見ている。トランプ大統領は、アメリカの第25代大統領だったウィリアム・マッキンリーの熱烈な信奉者であり、彼と同じことをなしとげようとしているのだ。 マッキンリーは、アメリカが産業国家から帝国主義国家へと変化する時期にリーダーシップをとった大統領(在任1897~1901年)。それも「関税の専門家」と呼ばれるほど関税政策に精通し、アメリカ国内の産業を外国から守るために「保護関税政策」を推進したことで知られている。当時、アメリカは1898年のアメリカ・スペイン戦争に勝利し、フィリピン、グアム、プエルトリコなどを獲得。また、ハワイを併合するなど、マッキンリーはアメリカ繁栄の礎を築いたとされている。 トランプ大統領は彼に倣って「21世紀のマッキンリー」になろうとしているように私には見える。このため、現在世界中を振り回している高関税政策を多少緩和することはあっても、取りやめることはないだろう。 ●希望の未来への祭典「大阪・関西万博」関連に期待! したがって、株式投資はやりにくいと状況が続くと考えておかねばならないが、最もシンプルな対処法は、これまでも提案してきたように、トランプ関税問題があっても、本来日本が独自に推進すべき政策やイベント、消費拡大などに関連する銘柄への投資になる。 その一つが、大阪・関西万博だ。本稿が読者の目に触れる4月13日に開幕するが、これまでのマスコミ報道によると、前売り券はだいぶ売れ残ったようだ。人気がない。こういうことになろうが、開幕すると評価は大きく違ってくると見てよい。近年、大きな催しには大抵冷やかな目が向けられ、批判されることが多かった。しかし、実際に始まってみると、「結構楽しかった」と評価が変わることも多い。万博の場合、国内だけでなく、世界中から人々が押し寄せることになる。 1970年に開催された大阪万博も、会場は外国人たちであふれていた。55年前にそうだったのだから、今回はさらなる賑わいとなるだろう。これまで開催に反対、あるいは冷ややかだった人でも、子供や孫に「万博に行こうよ」と誘われると断れないに違いない。 そこで、今回は大阪・関西万博関連銘柄への投資を考えたい。まずは清水建設 <1803> [東証P]になる。なぜ、清水建設か。私は同社が建設した日本政府のパビリオン「日本館」に大期待していて、素晴らしい建物に違いないと思っているからだ。 万博は半年も続くのだ。その間に不可欠な業務は数限りないが、会場警備もその一つだ。全国から警備会社が集まり業務に当たることになるため、投資対象として有望なのは綜合警備保障 <2331> [東証P](ALSOK)になる。 万博開催中は展示物の新設や置き換えなどの作業が続く。それを受け持つのが乃村工藝社 <9716> [東証P]や丹青社 <9743> [東証P]。ともにスタッフたちは休む間もないほど忙しいことだろう。 また、万博に行ったら、必ず土産を買うことになる。人形とかお菓子とかだ。なかで最も売れるのは、万博のシンボルキャラクターである「ミャクミャク」。私も万博に行ったら記念に必ず買うことだろう。万博関連品(お菓子などを含む)公式ライセンスも持つタカチホ <8225> [東証S]にも要注目だ。 大阪中之島にある「リーガルロイヤルホテル」を運営するのはロイヤルホテル <9713> [東証S]。「大阪の迎賓館」とも呼ばれるほどの高級ホテルであり、万博に訪れる海外富裕層の宿泊が見込めるため収益増は必至、株も有望だ。 最後に、ANAホールディングス <9202> [東証P]と日本航空 <9201> [東証P]を。もちろん両社とも海外、国内から万博来場者を運ぶ役割を担うことになる。原油価格が下げていることも収益増に寄与するだけに、株価はややスローながら、上昇基調の動きとなろう。 2025年4月11日 記 株探ニュース