富田隆弥の【CHART CLUB】 「乱高下しながら落ち着きを探る」

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コラム

「乱高下しながら落ち着きを探る」

◆トランプ米大統領の関税を巡る発言に世界のマーケットは大きく振られ、日米の株式市場はともに急落し、チャートを崩してしまった。トランプ大統領が相互関税発効日の9日(現地時間)、突如「90日間の停止」を決めたのも、厳しい下げが続く株式市場を無視できなかったことが一因と思われる。「関税停止」を受けて株式市場は大きく反発したが、疑心暗鬼に陥ったマーケットがチャートをすぐに修復させるのは難しい。

◆今週7日、日経平均株価は一時2987円安の3万0792円まで突っ込み、2644円安の3万1136円(-7.83%)で引けた。下げ幅は歴代3位で、ブラックマンデー翌日の1987年10月20日に記録した3836円安に次ぐ大きさだった。日足の移動平均線の総合カイリが-35.8%に達したほか、東証プライムの値下がり銘柄数は1628と99%を占め、年初来安値銘柄数も1328を数えるなど、まさにセリングクライマックスといえる状況を呈した。テクニカル指標の順位相関指数(RCI)、相対力指数(RSI)も底値圏に到達している。

◆その反動が翌8日の1876円高(歴代5位の上げ幅)、10日の2894円高(同歴代2位)に現われたといえる。だが、その大きな反発も、崩れたチャートでは一時的なリバウンドにすぎず、好転の兆しを見せるには少なくとも25日移動平均線(10日時点3万6161円)を突破する必要がある。

◆チャートが崩れたことで需給も悪化する。「信用買い残」(4月4日時点)は4兆4696億円と依然高水準であり、評価損益率は「-15.31%」(前週-6.57%)に悪化している。今週は追い証発生に伴う売りがかなり出たと思われるが、買い残の整理が納得できる水準まで進んだかは疑問だ。

◆当面の日経平均株価は「2万9800円~3万5000円」ゾーンでの乱高下を想定する。上値は25日線、下値は7日安値の3万0792円が意識されるだろう。さらなる深押しも否定できないが、あるとしてももう少し先になると思われる。それは乱高下の踊り場を挟んだ後に「三段下げ」の検討が必要になったときだ。

(4月10日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ





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