株価指数先物【寄り前】 節目の3万5000円回復でショートカバーが強まる

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 35040 +3210 (+10.08%)
TOPIX先物 2566.0 +216.0 (+9.19%)
シカゴ日経平均先物 34860 +3030
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に上昇。米中貿易戦争の激化を懸念したリスク回避ムードのなか売り先行で始まったが、トランプ大統領が自身のSNSに「 BE COOL! EVERYTHING GOING TO WORK OUT WELL(落ち着いて!すべてうまくいく)」と投稿したことを受け、徐々に買い戻しに向かわせた。午後に入りトランプ大統領は、この日発動した「相互関税」について「報復しない国・地域に90日間の関税一時停止を承認」と発表すると買いが膨らみ、NYダウは一時3100ドル超上昇する場面があった。

 S&P500業種別指数は、すべてのセクターが上昇し、自動車・同部品、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、メディア、ソフトウエア・サービスの上げが目立った。また、NYダウ構成銘柄も全面高となり、エヌビディア、ボーイング、アップル、アメリカン・エキスプレス、アマゾン・ドット・コムなどが大幅に上昇した。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比3030円高の3万4860円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比470円高の3万2300円で始まり、その後は軟化し3万1120円まで売られる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に急伸し、終盤にかけて3万5140円まで買われ、3万5040円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップアップで始まりそうだ。トランプ大統領の発言次第で相場が大きく変動する状況が続いており、先行きは依然不透明ながら、日経225先物は一気に節目の3万5000円を回復するなか、ショートカバーの動きが強まりやすいだろう。

 ただし、相互関税の一部を90日間停止する一方で、報復措置として84%の追加関税を発動した中国に対しては125%に引き上げるなど、米中の関税の応酬に歯止めがかからず、世界経済への影響が警戒される。

 日経225先物は3万5000円近辺では、強弱感が対立するだろう。ボリンジャーバンドの-1σ(3万4210円)を上抜いており、買い一巡後はいったん同バンドが支持線として機能するかを確認する動きがありそうだ。-1σで底堅さがみられるようであれば、中心値(25日)が位置する3万6030円辺りが次のターゲットとして意識されるだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万4000円から3万6000円のレンジを想定する。

 9日の米VIX指数は33.62(8日は52.33)に低下した。朝方は57.96まで上昇する場面もあったが、トランプ大統領の発言を受けて急低下する形となった。リスク選好へとつながるものだが、25日移動平均線(25.67)を上回っているほか、関税を巡る報道を受けた乱高下のなかで荒い値動きが続いているため、楽観視はできない。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.54倍に低下した。前日と変わらずの13.60倍で始まり、13.64倍に上昇する場面もあった。ただし、その後25日線(13.57倍)を割り込んでくると、一時13.45倍まで低下した。本日は全面高の展開から指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を押し上げる形になるとみられ、NTロングに振れやすいだろう。





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