株価指数先物【寄り前】 ナイトセッションでは連日で2000円を超える変動幅
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大阪6月限ナイトセッション 日経225先物 32140 -960 (-2.90%) TOPIX先物 2357.5 -76.0 (-3.12%) シカゴ日経平均先物 32245 -855 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。この日も関税を巡る報道に乱高下する展開となった。ベッセント米財務長官が米番組でおよそ70の国・地域が関税引き下げの交渉を持ちかけていると語り、交渉の進展が期待されてNYダウは1400ドルあまり上昇する場面もあった。ただし、米政権は中国が報復措置を撤回しなければ、9日から中国製品に計104%の関税を課すとの報道を受け、終了間際には下げ幅が一時800ドルを超えた。S&P500指数は昨年4月以来約1年ぶりに5000を割り込んだ。 S&P500業種別指数は、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、テクノロジー・ハード・機器、素材、エネルギーが下げた一方で、ヘルスケア機器・サービス、保険の2セクターが小幅に上昇。NYダウ構成銘柄ではアップル、ナイキ 、アムジェン 、シャーウィン・ウィリアムズ 、メルク 、アマゾン・ドット・コム が下落。半面、ユナイテッドヘルス・グループ 、トラベラーズ 、JPモルガン・チェース が買われた。 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比855円安の3万2245円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比90円高の3万3190円で始まり、3万2690円まで売られた後に切り返し、米国市場の取引開始後には一時3万3920円まで急伸する場面もみられた。ただし、中盤以降は下へのバイアスが強まる形で下落に転じると、終盤にかけて3万1830円まで下げ幅を広げる場面もみられ、3万2140円でナイトセッションの取引を終えた。ナイトセッションでも、連日で2000円を超える変動幅となった。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。米国の相互関税が9日に発動されることを踏まえ、貿易摩擦に対する警戒や経済の先行き不透明感が根強く、荒い値動きが続きそうである。日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σ(3万2550円)を上回って始まり、その後-1σ(3万4340円)水準を意識する場面もあったが、結局は-2σを割り込んで終えた。 トランプ米大統領は友好国を優先に交渉には応じる姿勢を示している。国内では米国との二国間で協議が今後行われるほか、石破首相は閣僚会議の推移を踏まえて、トランプ大統領と直接会談する考えも明らかにしており、交渉の進展期待からショートを仕掛けづらくさせよう。もっとも、中国との土壇場での合意は期待しづらく、ロングの動きも慎重にさせる。そのため、-2σを挟んでの推移が見込まれ、オプション権利行使価格の3万1500円から3万3500円のレンジを想定する。まずは3万2000円近辺での押し目狙いのロング対応に向かわせよう。 8日の米VIX指数は52.33(7日は46.98)に上昇した。36.48まで低下する場面もあったが、その後に切り返す形となった。関税を巡る報道を受けた乱高下のなかで荒い値動きが続いている。ただし、一時57.52まで切り上がったが、前日の高値(60.13)は超えなかった。 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.60倍に低下した。東証プライムの値上がり数が1600を超え全体の99%占めたほか、メガバンクなど金融セクターの強さが目立ち、TOPIX型を押し上げる形となった。1月23日の高値14.54倍から4月1日の安値13.32倍の下げに対するリバランスにより、25日移動平均線(13.58倍)が支持線として機能するようだと、再びNTロングに振れやすいとみておきたい。 株探ニュース