前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
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■GFA <8783> 400円 (+70円、+21.2%) 一時ストップ高 GFA <8783> [東証S]が6日ぶり急反騰、一時ストップ高となった。同社は7日の取引終了後、日経平均のオプションを活用した取引戦略を開始すると発表。更に8日朝に、 ビットコインのショートポジション決済による営業外収益の計上について公表し、材料視されたようだ。子会社のGFA Capitalにおいて、インプライド・ボラティリティ(IV)に連動する指数のショートとプット・オプション(売る権利)の購入、CFD(差金決済取引)によるロング・ショートのバランス構築を組み合わせた戦略を導入。ボラティリティの変動に強いポジションを構築するとしている。また、4月7日付で再構築したビットコインのショートポジションを全て決済し、36万8841ドル(約5348万円、1ドル=145円換算)の利益を確定。26年3月期第1四半期(4-6月)に営業外収益として計上する。このほか同社は8日に、暗号資産担保型融資サービスを開始すると発表した。 ■フジクラ <5803> 4,293円 (+700円、+19.5%) ストップ高 東証プライムの上昇率4位。フジクラ <5803> [東証P]がストップ高。前日まで2営業日連続のストップ安を含め3営業日続落し、この間に1760円も水準を切り下げていたが、8日はその反動から空売り買い戻しや、突っ込み狙いの押し目買いに拍車がかかった。データセンター関連の有力株として人気化し、株価は昨年2月を起点に約1年間にわたる大相場を形成していた。今年2月13日には7620円の上場来高値をつけたが、その後は米国でAI用半導体やデータセンター関連株が軒並み崩れ足となったことで、同社株もそれに追随して大幅な調整を余儀なくされていた。データセンター投資の減速を背景に今期業績が停滞することへの懸念はあるものの、前日の米国株市場で 半導体周辺株が軒並み切り返したことを受け、同社株にも水準訂正を狙った短期資金が集中した格好だ。 ■ティムス <4891> 143円 (+23円、+19.2%) ティムス <4891> [東証G]が7日ぶり急反騰。7日取引終了後、急性腎障害などを対象疾患として開発中の「TMS-008」について第1相臨床試験の最初のデータリードアウトを行い、良好な安全性・忍容性が示されたと発表した。これが材料視された。同試験では健常な成人男性を対象に、TMS-008を5つのコホート毎に段階的に用量を引き上げて投与。この結果、投与した全てのコホートで良好な安全性・忍容性が示され、薬物動態などの解析においても目標を達成したという。 ■岡本硝子 <7746> 143円 (+23円、+19.2%) 岡本硝子 <7746> [東証S]が9日ぶり急反騰。同社は8日に3D・超精密形状ガラス製品製造ラインの試験稼働を開始したと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。プロジェクターや車載用照明などの光源がLED化するなか、配光レンズにおいて従来の樹脂から発熱・高エネルギーに耐えられるガラスに回帰する動きが出ており、これに対応するため、ガラスの射出成型技術である「G-injection技術」を用いた製造ラインを構築した。新ラインはLEDから出射する拡散光を、ある角度範囲に高効率で集光できるガラスデバイスの「LED用新導光体デバイス」の生産にも対応するという。 ■ブルーイノベ <5597> 919円 (+142円、+18.3%) ブルーイノベーション <5597> [東証G]が急反騰。8日、超音波板厚計測機器搭載検査ドローン「ELIOS 3 UT検査ペイロード」が、日本海事協会から「製品・ソリューション向けイノベーションエンドースメント認証」を取得したと発表しており、好材料視された。「ELIOS 3 UT検査ペイロード」は、スイスのフライアビリティ社の屋内点検用球体ドローン 「ELIOS 3」に搭載可能な超音波厚さ測定(UT)ペイロードで、閉鎖空間や危険環境における安全かつ高精度な検査を可能にしたのが特徴。ブルーイノベは18年に日本における独占販売契約をフライアビリティ社と締結して「ELIOS」シリーズを活用した点検ソリューションの提供を開始しており、今回の認証取得により海事業界において同技術の導入が加速することが期待された。 ■日製鋼 <5631> 4,566円 (+700円、+18.1%) ストップ高 東証プライムの上昇率6位。日本製鋼所 <5631> [東証P]がストップ高の水準に買われた。8日の東京市場では日経平均株価が急反発した。3月26日のザラ場高値3万8220円から4月7日のザラ場安値3万792円まで7400円あまり下落し、特に7日の下落幅は史上3番目の大きさとなるなど、ショック安商状を呈していた。日製鋼をはじめとする 防衛関連株も急落を余儀なくされたが、「トランプ2.0」で揺れる世界情勢のなかにあっても、国内では防衛関連予算を増額する流れ自体が変わることは見込みにくく、全体相場の急落が一服した8日に入ると、業績面で盤石な投資対象として押し目待ちの資金が流入したようだ。豊和工業 <6203> [東証S]も一時ストップ高。三菱重工業 <7011> [東証P]や川崎重工業 <7012> [東証P]、IHI <7013> [東証P]の重工大手3社は10%を超す上昇となった。 ■パス <3840> 92円 (+14円、+18.0%) パス <3840> [東証S]が5日ぶり急反騰。同社は7日、子会社のアルヌールがスピルリナの室内培養に成功したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。スピルリナはアルカリ性の湖沼などに生息するシアノバクテリアで、らせん状に連なった細胞からなるバイオマスは体内でビタミンAに変換されるベータカロテンや抗酸化作用などを持つゼアキサンチンといったカロテノイドを多く含んでいる。シアノバクテリアのポテンシャルについては未開発な領域が多いが、アルヌールでは新事業開発、光合成による二酸化炭素(CO2)の固定及び削減、新原料、新飼料、バイオ肥料、バイオ医療研究、藻類バイオマスのエネルギー利用、バイオ燃料など新たな産業の開発や研究に取り組む自治体、企業、大学などへの販売と技術提供を目指すとしている。 ■ユトリ <5892> 2,042円 (+310円、+17.9%) yutori <5892> [東証G]が4日ぶり急反騰。株価は前日7日に全体波乱相場に流されて15%を超える暴落を余儀なくされたが、8日は値ごろ感からの買い注文を引き寄せた。同社は若年世代をターゲットに複数のアパレルブランドを展開しSNSを活用した販売戦略に特長がある。前日取引終了後に発表した3月の月間売上高は、春物販売の好調を背景に前年同月比で2.2倍となるなど大幅な伸びを継続しており、これが材料視された。また、2025年3月期はグループ全体で売上高が前の期比93%増と急拡大したことも併せて発表しており、株高を助長した。 ■アクリート <4395> 689円 (+100円、+17.0%) ストップ高 アクリート <4395> [東証G]がストップ高。同社は7日、シンガポールのディープブルー・テクノロジーと日本国内の企業向けに「ダークウェブ診断」サービスを開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。両社はランサムウェア攻撃などにより企業情報が漏えいしていないかを診断する最新のセキュリティー診断ソリューションを提供することで、サイバーセキュリティー強化を支援するとしている。 ■精工技研 <6834> 2,992円 (+404円、+15.6%) 精工技研 <6834> [東証S]が4日ぶり急反騰。8日、東海理化 <6995> [東証P]と共同開発した日本初の小型部品向け型内塗装技術が、トヨタ自動車 <7203> [東証P]の「ハイエース」に搭載されるスイッチ部品に初めて採用されたと発表しており、これを好感した買いが流入した。両社が共同開発した型内塗装技術は、従来別々に行っていた「成形工程」「塗装工程」「乾燥工程」の各工程を、射出成形機を用いて金型内で一貫して行うことを可能にしたもの。「塗装工程」や、CO2が多く発生する「乾燥工程」を省略することで、消費電力削減によるCO2排出量の削減を実現する。両社は今後、同技術の開発、活用を更に進め、別部品への展開や従来工法では難しい意匠への対応、自動車業界だけでなく異業種領域への活用や販路拡大を目指すとしている。 ■グッドコムA <3475> 1,055円 (+140円、+15.3%) 一時ストップ高 グッドコムアセット <3475> [東証P]が急反騰、一時ストップ高となった。8日は相場環境が改善するなか、一気に上値追いを加速しフシ目の1000円大台ラインを突破、年初来高値に買われた。投資用新築マンションの企画・開発・販売・管理まで一気通貫で手掛け東京23区を中心に「GENOVIA(ジェノヴィア)」ブランドで高水準の需要を獲得している。24年10月期に営業利益が前の期比2.5倍と変貌を、続く25年10月期も営業増益基調を維持する見通し。PER8倍前後で高配当利回りが魅力。直近では福証への重複上場記念優待(デジタルギフト贈呈)を発表したことで注目度を高めた。トランプ関税の影響を受けにくい不動産セクターの成長株として人気に拍車がかかっていた。 ■エンジャパン <4849> 1,632円 (+215円、+15.2%) エン・ジャパン <4849> [東証P]が4日ぶり急反騰。実質4月相場入りとなった3月28日以降は上昇した日がなく、前日は9%近い下落に見舞われたが、満を持して切り返す動きとなった。求人情報サイトの運営及び人材紹介ビジネスを展開する。株主還元に積極的で、株価下落もあって配当利回りは直近で4.9%台と高い。そうしたなか、香港を拠点とするアクティビストファンドのオアシス・マネジメントが7日付で提出した大量保有報告書によると、オアシスのエンジャパン株式保有比率が5.93%と、新たに5%を超えたことが分かった。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としており、株価の先高期待につながった。 ■めぶきFG <7167> 599.5円 (+72.6円、+13.8%) めぶきフィナンシャルグループ <7167> [東証P]が8日ぶり急反騰。7日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を4500万株(発行済み株数の4.57%)、または230億円としており、取得期間は4月8日から6月20日まで。株主還元の充実並びに資本効率の向上を目的としており、うち2500万株を8日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)により取得するとした。なお、8日朝のToSTNeT-3により、うち2344万8400株を取得している。 ■WNIウェザ <4825> 3,255円 (+362円、+12.5%) ウェザーニューズ <4825> [東証P]が4日ぶり急反騰。7日の取引終了後に25年5月期の連結業績予想について、営業利益を38億円から42億円(前期比28.4%増)へ上方修正したことが好感された。航海気象事業や陸上気象事業が牽引役となり売上高は計画通りの235億円(同5.7%増)となる見通し。一方の利益面では、AIなどを用いた運営モデルのシステム化の推進が想定より順調に進捗し、特にBtoB事業で運営品質維持に必要な人員数の増加が抑えられたことで利益率が改善する。なお、同時に発表した第3四半期累計(24年6月-25年2月)決算は、売上高174億2800万円(前年同期比4.6%増)、営業利益31億3700万円(同37.1%増)だった。 ■アドテスト <6857> 5,629円 (+595円、+11.8%) アドバンテスト <6857> [東証P]が急反騰。ここにきて下げが加速する状況にあったが、足もとで売り一巡感が出ており、空売り筋の買い戻しや目先リバウンドを狙った押し目買いが入った。前日7日の米国株市場ではハイテク株が底堅さを発揮し、特に半導体セクターへのショートカバーが観測された。エヌビディアが朝安から切り返し大陽線を形成したほか、マイクロン・テクノロジー なども切り返し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに反発した。これを受けて東京市場でも同セクターの主力銘柄を中心にリスクを取る動きが再燃した。もっとも上値では戻り売り圧力も強く、買い一巡後の動きが注目された。 ※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース