株価指数先物【寄り前】 日米協議への進展期待でショートカバーを誘う

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 32510 +1550 (+5.00%)
TOPIX先物 2393.0 +126.0 (+5.55%)
シカゴ日経平均先物 32225 +1265
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。トランプ米大統領が、中国が米国からの全ての輸入品に34%の追加関税をかける報復関税を撤回しない場合、さらに50%の追加関税を課すと自身のSNSに投降した。米政権の関税政策による世界経済の落ち込みや貿易戦争の激化を警戒した売りが続くき、NYダウの下落幅は一時1700ドルを超えた。その後、トランプ大統領が中国以外の国・地域に対する関税措置を90日間停止することを検討していると伝わり、一時900ドル近く急騰。米政権がフェイクニュースと否定したため再び急落するなど、関税を巡る報道に敏感に反応する地合いだった。

 S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、銀行、メディアが上昇。半面、不動産、テクノロジー・ハード・機器、自動車・同部品が下落した。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、JPモルガン・チェース、ボーイング、セールスフォースが買われた。一方で、アップル、ホーム・デポ、トラベラーズ、ナイキが軟調。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比1265円高の3万2225円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比20円安の3万0940円で始まり、3万0790円まで売られた。売り一巡後に切り返し、米国市場の取引開始後には一時3万3430円まで急伸する場面もみられた。中盤以降は3万1790円~3万2750円辺りで推移し、3万2510円でナイトセッションの取引を終えた。ナイトセッションでも2600円を超える変動幅となった。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。石破首相は7日夜、トランプ大統領と電話会談を行った。今後は二国間で協議が行われるほか、首相は閣僚会議の推移を踏まえて、トランプ大統領と直接会談する考えも明らかにしており、協議の進展が期待されて自律反発を狙ったロングが入りやすくなっただろう。ただし、欧州連合(EU)が一部の米国製品に対して25%の対抗関税を提案していると報じられており、関税を巡る報道には引き続き注意を払う必要がある。

 日経225先物はボリンジャーバンドの-3σ(3万1350円)を上抜ける形で、-2σ(3万3000円)を上回る場面もみられた。-2σ水準で強弱感が対立する可能性はあるが、日米による二国間協議への期待からショートカバーを誘う可能性があるため、オプション権利行使価格の3万2000円から3万4000円のレンジを想定する。-2σ水準を上回っての推移が続くようだと、-1σ(3万4650円)水準が射程に入ってくるだろう。

 7日の米VIX指数は46.98(4日は45.31)に上昇した。60.13に急伸して始まった後に38.58まで低下するなど、関税を巡る報道を受けた乱高下のなかで荒い値動きだった。2020年3月高値82.69が意識されている状況であり楽観はできないが、各国の関税対応次第で急速に低下する可能性はありそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.65倍に上昇した。全面安商状のなか、朝方に一時13.91倍まで上昇し、75日移動平均線(14.04倍)に迫る場面もみられた。その後下げに転じる場面もあったが、25日線(13.59倍)が支持線として意識される形だった。自律反発が意識されインデックスに絡んだ商いが集中することで、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する形で、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせよう。





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