富田隆弥の【CHART CLUB】 「二段下げの下値メド到達でも安心できず」

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コラム

「二段下げの下値メド到達でも安心できず」

◆新年度入り早々、株式市場は大荒れだ。ご承知の通り、トランプ政権が関税政策の詳細を4月2日(日本時間3日早朝)に公表し、世界のマーケットは激震に見舞われた。株式市場は「世界同時株安」に、為替市場は「ドル安」への傾斜を強めた。

◆日経平均株価は3月26日に3万8220円までプルバック(あや戻し)を見せ、節目に差し掛かり正念場を迎えていたが、そこで頭を叩かれて再び下げが加速。日足チャートはセオリー通り、「二段下げ」に走ってしまった。

◆3月26日までのあや戻しの過程で「信用買い残」が4兆5791億円(前週比1066億円増:3月28日時点)、「裁定買い残」は2兆4567億円(同3949億円増)と増加した。押し目買いに動いた投資家は少なくなかったが、二段下げに巻き込まれて軒並み損失を被り、その投げ売りが今週に集中したといえる。

◆二段下げの下値メドを試算すると、「2月13日高値3万9581円→3月11日安値3万5987円→3月26日高値3万8220円」の波動からは、「N値3万4626円、V値3万3754円」となる。日経平均株価は4月3日に3万4102円のザラバ安値をつけており、当面の下値メドに到達した可能性はある。

◆とはいえ、チャートが底打ち反転を明確にするまでは安心できない。上述した2つの「買い残」の解消が大きく進むまで需給懸念も燻り、戻りの過程では試練が続く。昨年8月には3万1156円の安値をつけており、戻りが鈍ければ先行き「三段下げ」に向かうことも否定できない。ここは日米株式市場の落ち着きを待つか、もしくは3万円に向かうようなセリングクライマックスを待つかだ。

(4月3日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ





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