相場の潮流に変化、再評価期待の中小型株市場と4月IPOの行方を探る <株探トップ特集>

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コラム

―米国不振のなか内需株多く見直し余地、IPO銘柄の初値は久々に高騰も―

 東京株式市場が波乱状態に突入している。日経平均株価は3月31日に前週末比1502円安と急落し3万5000円台に下落し相場のレンジを切り下げた。株安の震源地は米国で、インフレや景気の先行き不透明感を背景に大幅な下落となった。東京市場も米国株安の影響を受けているが、相対的な底堅さを示しているのが中小型株だ。これまで物色の圏外にあったほか、内需株の比率が高いことも見直されている。足もとでは、IPO銘柄の初値高騰もみられている。中小型株と4月IPOの行方を探った。

●中小型株は内需株多く円高はプラスの側面も

 4月新年度入りした1日の日経平均株価は6円高と小反発した。前日31日の急落後の自律反発狙いの買いも期待されたが、上値は重く依然として3万5000円台後半での低迷状態は続いている。米国では、インフレと景気悪化が並存する「スタグフレーション」も警戒する状況にあり、その米国株下落の影響を受けているのが東京市場だ。そんななか、比較的底堅い値動きとなっているのが中小型株だ。日経平均株価は1日時点で昨年末から約11%下落しているが、東証スタンダード市場指数は3月26日に1321.61と最高値をつけ、足もとでは下落しているものの、高水準にあった昨年末に比べほぼ横ばいの状態。東証グロース市場250指数も昨年末に比べ1%程度の下落となっている。

 相対的な底堅さが目立つ中小型株の背景には何があるのか。特にグロース市場が顕著だが、これまで長く物色の圏外にあったことから下落相場でも下げ余地は限られている。また、日本の中小型株には内需系の企業が多く、米国市場の影響は小さく為替の円高もプラス要因に働く企業が少なくないことも挙げられる。

●3月IPOでは久々に初値高騰銘柄も目立つ

 この底堅い値動きは、今年に入ってからのIPO市場にもみられる。2月は5社が新規上場したが、初値が公開価格を下回った銘柄はなかった。ビジネス書の要約サービス「flier」などを手掛けるフライヤー <323A> [東証G]の初値は公開価格に対し、70%強上昇した。中小製造業のM&Aなどに関わる技術承継機構 <319A> [東証G]やリカバリーウェア「BAKUNE」を手掛けるTENTIAL <325A> [東証G]なども足もとの株価は初値水準を上回って推移している。

 3月IPOでは12社が登場した。このうち初値が公開価格を下回ったのは1社のみだった。特に、デジタル障害者手帳「ミライロID」を手掛けるミライロ <335A> [東証G]の初値は公開価格の2.4倍と急騰。上場2日目で初値をつけたが、これは24年3月のイシン <143A> [東証G]以来のことだ。同様にZenmuTech <338A> [東証G]も上場2日目に公開価格の3.2倍と大幅高で初値をつけた。暗号技術を応用したセキュリティー技術の開発・販売を手掛けており、31日もストップ高と逆行高を演じた。ビジュアル・プロセッシング・ジャパン <334A> [東証G]の初値も公開価格の2.1倍と急騰するなど、小型IPOを中心に初値が高騰する状況が久しぶりに復活した。更に、超大型IPOとして話題を集めたJX金属 <5016> [東証P]も、初値は公開価格から約3%の上昇にとどまったが、その後のセカンダリー(流通)市場で上昇基調を強め、市場の話題を集めた。

●IACEトラやDグリッド、Lクリエイトなど登場

 これまで低迷相場が続いたこともあり、足もとの相場波乱は大型株から好実態の中小型株を見直す動きとなる可能性もある。そして、4月のIPOでは4社の登場が予定されている。昨年4月の6銘柄から2社減少する。内訳は、スタンダード市場に1社、グロース市場に2社、札幌証券取引所のアンビシャス市場に1社というものだ。

 7日にはIACEトラベル <343A> [東証S]が登場する。同社はクラウド出張手配システム「Smart BTM」の運営や出張マネジメントサービスなどを展開している。25年3月期業績は連結営業利益が前の期比34%増の見通し。公開価格は想定発行価格より低く決まっている。資金吸収額は13億円台の見込みだ。22日にはデジタルグリッド <350A> [東証G]が登場する。同社は、電力や環境価値取引プラットフォーム、脱炭素関連の学習コンテンツなどを手掛ける。資金吸収額は90億円台の見込みと大きく、4月IPOでは最大となる。

 24日にはLIFE CREATE <352A> [東証G]が上場する。同社はブティック型のフィットネススタジオの運営を行っている。資金吸収額は40億円強の見込み。25日には、エレベーターコミュニケーションズ <353A> [札証A]が札証アンビシャス市場に上場する。同社は、エレベーター・エスカレーターなど昇降機設備の保守・管理などを手掛ける。資金吸収額は2億円程度だ。

■4月IPO一覧

上場日  コード・上場市場  企業名           主幹事
4月7日  343A・東S  IACEトラベル         東海東京
 22日  350A・東G  デジタルグリッド          大和
 24日  352A・東G  LIFE CREATE       大和
 25日  353A・札A  エレベーターコミュニケーションズ  東洋
(注)東Sは東証スタンダード、東Gは東証グロース、札Aは札証アンビシャス

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