利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第5弾 35社選出 <成長株特集>
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本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。最終回となる第5弾は、第1弾を配信した3月16日時点で時価総額が80億円以上250億円未満の銘柄を対象に、24年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。 下表では、本決算月にかかわらず、24年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している35社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。 上振れ率トップとなったのは、就業管理を中心としたとするERP(総合基幹業務システム)パッケージを展開する勤次郎 <4013> [東証G]。10-12月期(第4四半期)は主力のHRM事業でクラウド形態の契約ライセンス数が引き続き増加し、経常利益は3.3億円とこれまでの過去最高を2.1倍も上回って着地。同時に発表した25年12月期の同利益は29.3%増の9.4億円と3期連続で過去最高益を更新する見通しだ。好決算を背景に、株価は昨年来高値圏で推移している。 2位のヤマックス <5285> [東証S]は九州最大の土木用・建築用コンクリート二次製品メーカー。工場で成型した部材を現場に運び組み立てる「プレキャスト工法」を強みとし、人手不足に悩む建設業界の需要を取り込んでいる。10-12月期(第3四半期)は防災・減災などの国土強靱化の動きや防衛関連施設の工事に対応したほか、自社製造品の割合増加による利益率の改善やコスト上昇分の販売価格への転嫁にも取り組み、経常利益は過去最高だった前年同期実績を58.5%上回る11.1億円に伸びて着地。3月17日には25年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正しており、株価は1770円と約11ヵ月ぶりの高値をつけている。 3位のシステムサポートホールディングス <4396> [東証P]は、顧客企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)需要の高まりを背景にアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やサービスナウといったクラウドサービスの移行・利用に関する技術支援が好調だったほか、移行後のライセンスなどの再販も拡大し、10-12月期(第2四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を達成した。 4位には大阪を地盤に運送と倉庫業を展開するヒガシトゥエンティワン <9029> [東証S]がランクイン。10-12月期(第3四半期)は大型物流センターの開設で大手EC向け業務が拡大したほか、新貨幣対応の精密機器配送・設置業務や大手インフラ会社向け資材販売も増加し、経常利益は前年同期比54.7%増の8.9億円と6四半期ぶりに過去最高益を更新した。 6位のエスユーエス <6554> [東証G]は慢性的なIT人材不足の状況が続く中、主力のソリューション事業でエンジニア派遣の稼働人数が増加したうえ、高付加価値化の推進によって派遣単価も上昇した。また、IT請負や製造請負の受注も伸び、10-12月期(第1四半期)は売上高36.8億円(前年同期比20.5%増)、経常利益3.9億円(同71.1%増)といずれも過去最高を塗り替えた。株価は昨年来高値圏で頑強な動きを続けている。 13位にリスト入りした日本精鉱 <5729> [東証S]はプラスチック材料の難燃剤などで使用するアンチモン製品の国内トップメーカー。10-12月期(第3四半期)は原料であるアンチモン地金の相場高騰で販売価格が上昇し、経常利益は8.2億円と前年同期比4.0倍に膨らんだ。2月27日には非開示だった25年3月期通期の同利益が前期比4.8倍の34.2億円になりそうだと発表。3期ぶりの最高益見通しを示したうえ、配当も従来計画の105円→160円に大幅増額修正した。これを受けて株価は3月3日に1995年10月につけた上場来高値を約29年5ヵ月ぶりに更新している。 ●利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】シリーズ ───── ・〔第1弾〕 38社選出 (時価総額4000億円以上) ・〔第2弾〕 34社選出 (時価総額1500億~4000億円) ・〔第3弾〕 35社選出 (時価総額600億~1500億円) ・〔第4弾〕 41社選出 (時価総額250億~600億円) も併せてご覧ください。 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想 コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER <4013> 勤次郎 106 332 161 29.3 948 733 18.9 <5285> ヤマックス 58.5 1111 701 47.2 2700 1834 7.6 <4396> システムサポ 54.1 820 532 25.9 2195 1743 14.4 <9029> ヒガシ21 41.1 896 635 12.6 2600 2309 10.0 <5586> ラボロAI 39.1 121 87 29.5 250 193 103 <6554> エスユーエス 36.8 390 285 25.6 1080 860 11.4 <9145> ビイングHD 27.7 752 589 10.8 2500 2257 10.2 <6565> ABホテル 22.9 1271 1034 1.6 3620 3562 9.6 <1736> オーテック 22.2 1436 1175 51.2 3700 2447 9.6 <7792> コラントッテ 21.3 644 531 10.4 1650 1495 9.3 <9171> 栗林船 20.5 1473 1222 27.5 3100 2431 8.3 <9799> 旭情報 20.1 532 443 4.2 1563 1500 14.3 <5729> 日精鉱 20.0 823 686 52.3 3420 2246 5.4 <1847> イチケン 19.6 2323 1942 15.1 5700 4951 5.2 <1828> 田辺工業 18.1 1254 1062 20.8 3500 2898 10.1 <4414> フレクト 15.5 342 296 25.7 944 751 20.6 <3741> セック 15.1 510 443 21.5 1880 1547 18.7 <5284> ヤマウHD 14.8 1294 1127 12.6 2980 2647 5.8 <9753> IXナレッジ 13.9 629 552 4.5 1817 1739 8.2 <4977> 新田ゼラチン 13.6 1567 1380 67.9 4000 2382 7.2 <9325> ファイズHD 12.5 566 503 12.8 1540 1365 11.0 <2924> イフジ産業 12.5 900 800 72.2 3115 1809 7.6 <9211> エフ・コード 11.3 383 344 53.8 2033 1322 17.2 * <3648> AGS 11.0 516 465 42.2 1840 1294 11.4 <2708> 久世 10.9 1031 930 5.7 2050 1939 5.3 <3683> サイバーリン 10.5 524 474 37.0 1734 1266 10.5 <9554> エイビック 10.1 153 139 51.5 668 441 23.4 <5570> ジェノバ 9.8 212 193 3.2 718 696 19.9 <2485> ティア 9.5 597 545 11.2 1445 1300 13.1 <8006> ユアサフナ 7.6 831 772 8.5 2400 2212 10.6 <6643> 戸上電 6.6 1239 1162 11.6 3600 3226 6.3 <3837> アドソル日進 6.5 495 465 17.5 1745 1485 16.3 <2813> 和弘食品 6.3 555 522 18.4 1823 1540 8.6 <9996> サトー商会 6.2 702 661 1.7 1785 1756 14.3 <3937> Ubicom 6.2 362 341 43.9 1518 1055 16.3 ※ 2023年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。 ※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。 株探ニュース