富田隆弥の【CHART CLUB】 「不確実性を嫌う日米株価」
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「不確実性を嫌う日米株価」 ◆桜の開花が始まり、心なごむ季節を迎えた。例年なら新年度入りで、株式市場は新たな展開に期待を膨らませるところだ。だが、今年はトランプ米国政権が、日本車を含む米国に輸入される自動車に25%の追加関税を課したこともあり、投資家の心は穏やかでない。 ◆今週の日経平均株価は3万8000円台を回復したのもつかの間、再び大台を割り込んだ。チャートは3月11日に3万5987円まで下げて往来ゾーン(3万8000円~4万円)を下放れて陰転。その後の戻りは「崩れた後のあや戻し(プルバック)」であり、日足と週足の移動平均線が集まる3万8700円水準を回復するまでは試練が続く。 ◆3月11日安値からの戻りで、日足の順位相関指数(RCI)の短期線(9日・13日線)が高値圏に入ってきた。同様に裁定買い残が再び2兆円の大台(21日現在2兆618億円)に拡大中だ。つまり、日経平均株価は調整しやすいタイミングとなり、調整に転じると裁定解消売りを誘って「二段下げ」に向かう可能性も出かねない。 ◆日経平均株価は28日の配当の権利落ちで下値支持の25日線(27日時点3万7676円)を割り込む可能性が高い。米国株はNYダウ、ナスダックとも急落した後の戻りで試練が続き、日足チャートは上から降りてくる25日線をまだ抜いていない。「不確実性」を嫌って、日米とも株式市場はリスクオフ姿勢を強めつつあるように思える。新年度入りの4月だが、チャートに好転の兆しが出るまで様子見も一策だろう。 (3月27日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース