富田隆弥の【CHART CLUB】 「チャート陰転で需給悪化を懸念」
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「チャート陰転で需給悪化を懸念」 ◆今週は日経平均株価、NYダウ、ナスダックのいずれもが、そのチャートの「陰転」を確定させた。日経平均株価は3月4日に3万6816円まで下落し、先週の52週移動平均線割れに続き、今週は5カ月超続いた往来相場から下放れて「陰転」を明確にした。米国市場ではNYダウ、ナスダックがともに26週線を割り込み、ダブルトップからの「陰転」が確定した。 ◆トランプ政権による関税発動がもたらす貿易戦争や、米国のインフレ再燃などが懸念され、マーケットはリスクオフ(警戒)姿勢を強めてきた。チャートの陰転はその現われであり、同時に5年間続いた買い方有利の相場が終了したことを暗示する。 ◆日本で信用買い残(2月28日申し込み時点)が4兆7109億円と昨年8月2日以来の水準に増加している。そして、評価損益率は-7.69%(同)と2月14日時点の-5.28%をボトムに悪化傾向にある。個人投資家の押し目買い姿勢はこれまで功を奏してきたが、それがここにきて採算が苦しくなってきた。 ◆裁定買い残(期近・期先合計、2月28日時点)も1兆9120億円と高水準で解消売りの懸念が燻る。また、3月は納税や年度末に伴う売りが出やすく、「彼岸底」の格言もある。相場は「需給」が最大の材料であり、ゆえに「流れに従う」のがチャートの基本となる。つまり、日米ともに割り込んだ移動平均線を回復して「好転」を見せるまで需給不安がつきまとうことから、もうしばらく慎重に対応したいところだ。 (3月6日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース