前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―
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■伊藤園 <2593> 2,965.5円 (-435.5円、-12.8%) 東証プライムの下落率2位。伊藤園 <2593> [東証P]が急反落。3日取引終了後に24年5月-25年1月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比4.2%増の3608億9300万円、営業利益は同18.2%減の178億800万円だった。飲食関連事業が堅調だったものの、主力のリーフ・ドリンク関連事業が増収減益となり全体に響いた。売上原価や販管費の増加が重荷となった。通期で増収増益を見込んでいるだけに失望売りを誘ったようだ。 ■セレス <3696> 2,593円 (-265円、-9.3%) 東証プライムの下落率3位。セレス <3696> [東証P]が急反落。トランプ米政権の関税政策を巡る先行き警戒感が高まり、日米株式市場ではリスクオフの流れが急速に強まっている。こうしたなか、この流れは仮想通貨市場にも波及し、代表格ビットコインの価格は米戦略備蓄の対象となることへの期待から前日3日の日中までは堅調に推移していたが、その後急落。一気に1万ドルほど水準を切り下げ、足もと8万3000ドル近辺で推移している。これを受け、前日上昇していた一連の仮想通貨関連株も反落している。セレスやマネックスグループ <8698> [東証P]のほか、メタプラネット <3350> [東証S]が安かった。 ■セブン&アイ <3382> 2,044円 (-151円、-6.9%) 東証プライムの下落率6位。セブン&アイ・ホールディングス <3382> [東証P]が3日ぶり急反落。読売新聞オンラインが4日、「セブン&アイ・ホールディングスが、カナダのコンビニエンスストア大手からの買収提案を受け入れず、自力での企業価値向上を目指す方針を固めたことが3日わかった」と報じた。カナダのアリマンタシォン・クシュタールの買収提案を受け、株価にプレミアムを上乗せしたTOB(株式公開買い付け)を巡る思惑が同社株には広がっていたが、報道を受けてTOBが実施されない可能性が意識され、売りが促された。報道によると、社外取締役でつくる特別委員会が、単独での経営を維持する方針を決めた。クシュタールと米国で店舗網が重複し、反トラスト法に抵触する懸念が払しょくできないことなどを考慮したもようだ、としている。 ■松屋 <8237> 1,058円 (-43円、-3.9%) 松屋 <8237> [東証P]が大幅反落。3日の取引終了後に発表した2月度の売上速報で、銀座店と浅草店を合わせた銀座本店の売上高が前年同月比1.0%減と3年半ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。化粧品や時計など銀座店の強みとなるカテゴリーは引き続き好調に推移したものの、ラグジュアリーブランドで春節の会期の前年とのずれが響いた。 ■ぴあ <4337> 2,923円 (-82円、-2.7%) ぴあ <4337> [東証P]が4日ぶり反落。3日の取引終了後、2月20日に発表した136万3900株の売り出しと、オーバーアロットメントによる上限を20万4500株とする売り出しに関して、売出価格が2914円に決定したと発表しており、これにサヤ寄せする格好となった。 ■長谷工 <1808> 1,956.5円 (-39円、-2.0%) 長谷工コーポレーション <1808> [東証P]が反落。マンションの大規模修繕工事で談合を繰り返したとして、公正取引委員会が修繕工事会社約20社に立ち入り検査したと、この日午前11時ごろに複数のメディアが報じた。報道によると、立ち入り検査を受けた企業の一つとして長谷工グループの長谷工リフォームが挙げられており、これを嫌気した売りが出たようだ。 ■相鉄HD <9003> 2,122.5円 (-40.5円、-1.9%) 相鉄ホールディングス <9003> [東証P]が3日続落。3日の取引終了後、2月20日に発表した847万9900株の売り出しと、オーバーアロットメントによる上限を127万1900株とする売り出しに関して、売出価格が2098円に決定したと発表しており、これにサヤ寄せする格好となった。 ■トヨタ <7203> 2,753.5円 (-41.5円、-1.5%) トヨタ自動車 <7203> [東証P]が反落。トランプ米大統領が3日、日本と中国を名指しし、通貨安政策を取る場合に米国は不当に不利な状況に置かれる、との認識を示した。記者団に対する発言が伝わると、外国為替市場でドル円相場は円買いの動きが強まり、1ドル=148円までドル安・円高に振れた。米国側の圧力で日銀が利上げを進め、円高圧力が高まる可能性が意識されるなか、米国の関税発動に伴う自動車産業へのネガティブな影響に対する警戒も続いており、自動車株の買い持ち高を圧縮する目的の売りがかさんだ。もっとも、トヨタは前日3日の取引終了後に、スマートフォン決済アプリ「TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)」を活用した株主優待制度の導入を発表。機関投資家による売りに優待狙いの個人投資家が買い向かう構図となっており、株価の深押しは回避された。 ■ワークマン <7564> 3,885円 (-50円、-1.3%) ワークマン <7564> [東証S]が6日続落。3日の取引終了後に発表した2月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比3.5%減と2ヵ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。平年と比べ気温が低かったことで、冬物のアウターやインナー、防寒シューズなどが好調に推移したが、太平洋側では降雨日が少なかったことから、レインウェアなどの雨関連商品が伸び悩んだ。なお、全店売上高は同0.5%減だった。 ※4日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋 株探ニュース