株価指数先物【寄り前】 自律反発のなか3万7500円辺りでの底固め
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大阪3月限ナイトセッション 日経225先物 37550 +440 (+1.18%) TOPIX先物 2701.0 +25.0 (+0.93%) シカゴ日経平均先物 37590 +480 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 28日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。1月の米個人消費支出(PCE)価格指数は総合指数、コア指数が前月から減少したが、概ね市場予想に一致。ただ、個人消費支出が予想外にマイナスとなったことで、NYダウは下落に転じる場面もみられた。ただし、米長期金利が低下したことで主力株に買いが入ったほか、週末要因もあって前日の大幅な調整で売りに傾いていたポジションを買い戻す動きにより切り返した。 NYダウ構成銘柄では、前日に8%を超える大幅な下落となったエヌビディアが買われたほか、マイクロソフト 、アマゾン・ドット・コム 、スリーエム 、シャーウィンウィリアムズ 、ゴールドマン・サックス・グループ 、JPモルガン・チェース 、アップル が上昇。半面、IBM 、マクドナルド 、ベライゾン 、ナイキ が下落した。 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比480円高の3万7590円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比120円高の3万7230円で始まり、その後は3万7200円~3万7400円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にレンジを割り込み、3万7040円まで売られる場面もあった。ただし、売り一巡後はプラス圏に浮上し、3万7500円台を回復。中盤にかけて3万7110円と日中比変わらずの水準まで軟化したが、終盤に再びロング優勢となり、3万7550円とナイトセッションの高値で取引を終えた。 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ただし、前週末に1190円安と3%を超える下落だったほか、一時3万6840円まで下げてボリンジャーバンドの-3σ(3万7180円)を下回ったことで売られ過ぎが意識されやすく、当然の自律反発といったところであろう。 一方で、28日に行われたトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談は激しい応酬となった。レアアース資源の権益を巡る合意文書の署名が見送られ、予定されていた共同記者会見は行われなかった。欧州各国はウクライナを支援する姿勢を鮮明にしており、ウクライナや関税を巡り欧米関係がこじれるようだと、リスク回避姿勢が強まりやすいだろう。 日経225先物はナイトセッションで-3σは3万6990円、-2σは3万7620円まで下がってきた。-2σに上値を抑えられる状況になるようだと、下向きで推移するバンドに沿った調整が続く可能性が警戒される。前週の下落によって昨年10月以降のレンジ下限を割り込んだこともあり、これまでのレンジ下限水準であった3万7500円辺りを明確に上回ってこないと、同水準が抵抗線として意識されてくるだろう。まずは戻り待ち狙いのショートを吸収しつつ、3万7500円水準で底堅さをみせてくるかを見極めたい。 そのため、オプション権利行使価格の3万7500円を中心とした上下の権利行使価格である3万7250円から3万7750円のレンジを想定する。3万7500円処で上値の重さが意識される局面では、3万7000円から3万7500円のレンジになりそうだ。一方で、-2σを捉えてくる局面では3万7500円から3万8000円のレンジに移行しよう。 28日の米VIX指数は19.63(27日は21.13)に低下した。一時22.40まで切り上がり、1月27日の高値(22.51)に接近する場面もみられた。1月の戻り高値水準では上値を抑えられていることもあり、過度なリスク回避姿勢には向かっていないようだが、20.00を上回る状態が恒常化してくる局面では慎重姿勢が強まる可能性がある。 28日のNT倍率は先物中心限月で13.86倍に低下した。昨年9月5日の直近安値である13.93倍を割り込んでおり、方向性としては昨年8月6日につけた13.65倍が射程に入っている。米国市場でエヌビディアが自律反発したこともあり、本日はややNTショートの巻き戻しが入りやすい。ただし、トランプ政権による対中半導体規制の強化が警戒されて、方向性としてはTOPIX型優位になりそうであり、戻りの鈍さがみられる局面ではNTショートに向かわせよう。 株探ニュース