富田隆弥の【CHART CLUB】 「支持線割れで慎重に対応」

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コラム

「支持線割れで慎重に対応」

◆日経平均株価は2月26日、一時495円安の3万7742円まで下落したが、終値は95円安の3万8142円と下げ幅を縮めた。日足のローソク足は長い下ヒゲを伸ばす「たぐり足」を描き、翌27日は113円高の3万8256円と反発して終えた。

◆チャートは往来相場(3万8000円~4万円)の下限を割り込みかけたが、27日時点では「たぐり足」の効果もあり往来ゾーンを辛うじて維持している。ただ、これまで支持線として機能していた200日移動平均線(27日時点3万8676円)や52週線(同3万8749円)を割り込んだことで、「下放れ」を警戒する必要が一段と強まった。

◆「たぐり足」を示現したことで、短期的には売り方の買い戻しにより反発をみせるかもしれない。だが、支持となる移動平均線を割り込んだチャートは「陰転」を示しており、支持線(3万8700円近辺)や2月13日戻り高値の3万9581円を奪回するまで安心はできない。

◆チャートの陰転は往来下放れを暗示するもので、下値メドとしては往来相場の2000円幅を下に返す「3万6000円」となる。チャートが陰転したことで、高水準にある信用買い残(2月21日時点4兆5372億円)や裁定買い残(同1兆9184億円)からは解消売りが出やすい。また、3月は納税や年度末に伴う売りによる需給悪化も懸念される。

◆米国市場ではNYダウ、ナスダックがともに75日線を割り込み、チャートには陰転の気配が漂う。NYダウであれば割り込んだ75日線(26日時点4万3845ドル)や25日線(同4万4389ドル)を奪回するまでは安心できず、下落のリスクがつきまとう。日米株価には陰転信号が灯り、慎重に対応したいところだ。

(2月27日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

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