株価指数先物【寄り前】 レンジ下限割れならヘッジ対応のショートが強まる
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大阪3月限ナイトセッション 日経225先物 37580 -720 (-1.87%) TOPIX先物 2706.5 -32.0 (-1.16%) シカゴ日経平均先物 37585 -715 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 27日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前日の取引終了後に好決算を発表したエヌビディアが買われ、NYダウは上昇して始まり、一時450ドルほど上げる場面もみられた。ただし、トランプ米大統領がカナダとメキシコに予定通り関税を課す考えを改めて示したほか、中国にも追加で10%の関税を課す方針を自身のSNSに投稿した。これをきっかけに関税による世界経済への悪影響が警戒されると次第に売りが広がった。エヌビディアは終盤にかけて急落し、下落率は8%を超えた。 週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万2000件増の24万2000件となり、市場予想(22万1000件)を上回った。1月の米中古住宅販売成約指数は前月比4.6%低下の70.6となり、2001年以降の最低を記録するなど、弱い経済指標の内容も重荷となった。 NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほかセールスフォース 、アマゾン・ドット・コム 、マイクロソフト 、アップル 、シャーウィンウィリアムズ 、IBM が下落。一方で、トラベラーズ やユナイテッドヘルス・グループ 、マクドナルド 、スリーエム 、シェブロン が買われた。 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比715円安の3万7585円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比50円安の3万8250円で始まり、その後はロング優勢の展開となり、3万8400円まで買われる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始直後に3万7840円まで売られた。売り一巡後は、3万8260円まで下げ幅を縮めたものの、終盤にかけて再び下へのバイアスが強まり、3万7580円とナイトセッションの安値で取引を終えた。 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップダウンで始まることになりそうだ。米国市場はトランプ大統領によるSNS投稿をきっかけにショートの動きが強まる形となった。買い先行で始まったエヌビディアが終盤にかけて急落しており、他の半導体関連株やAI関連株の一角に売りが広がったこともセンチメントを悪化させている。 日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万7900円)を上回って始まり、-1σ(3万8450円)に迫る場面もあった。200日移動平均線が射程に入っていた状況のなか、その後の下げで-3σ(3万7360円)に接近している。-3σ水準ではショートを仕掛けづらくさせるものの、バンドが下向きで推移していることもあり、ボトムを見極めにくくさせそうだ。 週足の-2σ(3万7780円)を割り込んできたことから昨年10月以降のボックスレンジの下限を下抜け、ヘッジ対応のショートが強まる展開には注意したいところである。再来週には3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなか、レンジ割れとなればポジション調整の動きが加速することが警戒されよう。 昨年10月28日につけた3万7510円を割り込まなければ、いったんはショートカバーが入りやすいが、これを割り込むと昨年9月9日の3万4970円が射程に入る可能性はあるだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万7500円を中心とした上下の権利行使価格である3万7000円から3万8000円と広めのレンジを想定する。 27日の米VIX指数は21.13(26日は19.10)に上昇した。終値で20.00を上回るのは昨年12月19日以来となる。+3σ水準まで上昇してきたことで、いったんは調整が入る水準と考えられるものの、上へのトレンドを強めてきており、リスク回避姿勢に向かわせよう。 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.98倍に低下した。14.07倍に上昇して始まり、14.09倍をつける場面もみられたが、その後はハイテク株の不安定な値動きなどが日経平均型の重荷となった。米ハイテク株安の流れのなかでは、相対的にTOPIX型優位になりやすく、方向性としては昨年5月31日につけた13.85倍辺りが意識されそうだ。 株探ニュース