24年10-12月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第2弾〕 30社選出 <成長株特集>
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3月期決算企業の4-12月期決算がほぼ出そろった。本特集では、直近3ヵ月実績である10-12月期(第3四半期)に経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した企業にスポットライトを当てた。 今回は24日に配信した「24年10-12月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 31社選出」(時価総額3000億円以上)に続く第2弾として、24日時点の時価総額が1000億円以上3000億円未満の銘柄(銀行を除く)の中から利益倍増企業として30社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。なお、下表では四半期ベースの「増益連続期数」、4-12月期経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。 増益率トップとなったのは、香料大手の高砂香料工業 <4914> [東証P]。24年10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期の7億1500万円から71億7000万円に急拡大して着地。欧米向け医薬品中間体や東南アジアの飲料向けフレーバーなどが好調だったほか、国内では香料素材を手掛けるアロマイングリディエンツ事業が製品構成良化によって利益率改善が進んだ。業績好調に伴い、最高益見通しだった25年3月期通期の同利益をさらに上乗せし、配当も従来計画の160円→240円に大幅増額修正した。これを受けて株価は急騰し、19日に約35年4ヵ月ぶりの高値6780円をつけている。 2位のさくらインターネット <3778> [東証P]は昨年1月から提供を開始した生成AI向けGPU(画像処理半導体)クラウドサービスの稼働が本格化し、10-12月期の経常利益は前年同期比9.4倍の13.8億円と2四半期連続の最高益更新を果たした。併せて、GPUクラウドサービスにおける「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」追加投資分の迅速な稼働開始や政府系などの大型案件獲得を織り込み、通期の同利益を従来予想の24.5億円→32.5億円に上方修正し、従来の14期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。 続く3位の日本製紙 <3863> [東証P]は値上げ効果や海外の構造改革進展によって生活関連事業の営業損益が黒字に転じ、10-12月期の経常利益は110億円と前年同期比6.0倍に膨らんだ。国内で溶解パルプや機能性コーティング樹脂、トイレットロールなどの販売数量が増加したほか、海外では豪州子会社のOpalで固定費削減などの原価改善が進んだ。 4位のDM三井製糖ホールディングス <2109> [東証P]は主力の砂糖事業でホット飲料などの冬物商品向けが好調に推移したうえ、海上運賃や包装資材などの高止まり影響を値上げの浸透や原材料の安定調達で吸収し、10-12月期の経常利益は51.6億円(前年同期比4.4倍)と2四半期連続の大幅増益を達成した。好調な業績を踏まえ、通期の同利益を従来予想の110億円→130億円に上方修正している。 7位には畜産系エキスを原料とする天然調味料の製造販売を手掛けるアリアケジャパン <2815> [東証P]が入った。10-12月期は売上高173億円(前年同期比3.2%増)、経常利益54.1億円(同3.2倍)といずれも四半期ベースの過去最高を更新した。国内で外食向けの販売が好調だったことに加え、価格改定やコスト削減の効果、デリバティブ評価損が好転したことも利益を押し上げた。 10位にリスト入りした総合設備大手のダイダン <1980> [東証P]は工場、データセンターなどの産業施設工事や医療関連施設などの大型工事が順調に進み、10-12月期の経常利益は99.7億円(前年同期比3.0倍)とこれまでの過去最高益を98.1%も上回って着地。業績好調に伴い、25年3月期通期の同利益予想を上方修正し、従来の31期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。また、年間配当も従来計画の123円→150円に増額修正している。 11位のミライトワン <1417> [東証P]は環境・社会イノベーション事業でEV・蓄電池工事や電気・空調工事などが伸びたほか、NTT事業ではアクセス工事・モバイル工事が増加に転じた。また、23年12月に買収した測量大手、国際航業の業績上積みも寄与し、3四半期連続で業績高変化を遂げた。データセンター関連としての注目度も高く、株価は17日に上場来高値2444円50銭まで上値を伸ばす場面があった。 このほか、配当利回りが年間ベースで3.5%を超えている、AREホールディングス <5857> [東証P]、パラマウントベッドホールディングス <7817> [東証P]、奥村組 <1833> [東証P]、石油資源開発 <1662> [東証P]、安藤・間 <1719> [東証P]、三井金属鉱業 <5706> [東証P]、フジミインコーポレーテッド <5384> [東証P]は足もとの業績が好調な高配当株として注目したい。 ┌ 経常利益 ┐ 増益 対通期 予想 コード 銘柄名 増益率 10-12月期 連続期数 進捗率 PER <4914> 高砂香 903 7170 5 87.9 9.2 <3778> さくらネット 843 1386 4 76.6 79.1 <3863> 日本紙 503 11015 1 67.4 39.2 <2109> DM三井製糖 337 5169 2 93.4 12.6 <5741> UACJ 321 13934 3 - 8.9 * <5857> AREHD 238 6945 3 87.1 10.9 * <2815> アリアケ 221 5418 1 78.0 24.1 <8871> ゴールドクレ 211 3069 2 109 26.0 <6951> 日電子 210 12389 4 84.1 11.0 <1980> ダイダン 204 9978 5 76.1 9.6 <1417> ミライトワン 182 7507 3 44.3 11.2 <4628> エスケー化研 165 7788 1 102 13.1 <6787> メイコー 163 7948 1 91.2 13.1 <6508> 明電舎 143 4979 2 36.3 15.5 <7817> パラベッド 143 4099 1 60.4 17.4 <1833> 奥村組 142 9513 1 83.3 18.1 <7966> リンテック 136 7314 4 88.8 11.5 <8848> レオパレス 136 8151 3 83.5 10.4 <7616> コロワイド 134 3533 1 - 120 * <1662> 石油資源 133 20995 1 70.1 3.3 <1719> 安藤ハザマ 131 9563 4 71.8 10.0 <2730> エディオン 129 3480 3 80.1 13.7 <7014> 名村造 125 10401 3 104 6.1 <8595> ジャフコG 112 5354 3 - - <4368> 扶桑化学 112 5208 3 80.2 10.9 <3110> 日東紡 112 5476 3 77.6 15.4 <5706> 三井金 106 20723 3 86.3 4.3 <6744> 能美防災 103 4201 6 55.9 18.2 <6622> ダイヘン 101 5475 1 66.9 14.3 <5384> フジミインコ 100 4060 4 86.8 18.5 ※経常利益の単位は百万円。増益率は前年同期に比べた増加率、単位は%。「*」は国際会計基準、米国会計基準を採用する銘柄。 ※増益連続期数は四半期ベースの連続回数、同一会計基準内が対象。対通期進捗率は経常利益の通期計画に対する4-12月期の進捗割合、単位は%。黒字転換、赤字縮小は増益に含めない。23年10-12月期の経常利益が1億円未満の銘柄、今期最終赤字を見込む銘柄は除いた。 株探ニュース