富田隆弥の【CHART CLUB】 「『下放れ』の警戒信号を発す」

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コラム

「『下放れ』の警戒信号を発す」

◆日経平均株価は往来相場(3万8000円~4万円)入りしておよそ5カ月が経つ。好調な企業業績を背景に上放れの期待はあるものの、どうも動きが鈍い。トランプ米大統領が輸入する自動車や半導体へ追加関税を課す方針を打ち出し、「トランプリスク」が現実味を帯びてきた。そして、1ドル=149円台に入ってきた「円高」も日本株にとっては脅威となる。

◆長引く往来相場で強気派にも買い疲れ感が漂う。日経平均株価は20日に486円安と続落し、チャートで支持線になっている200日移動平均線(20日時点3万8673円)と52週線(同3万8779円)を維持できるか微妙になってきた。

◆これら支持線を割り込むと、高水準の信用買い残(2月14日時点4兆4606億円)や裁定買い残(同2兆0757億円)から解消売りが出やすくなる。信用買い残は昨年8月2日以来、評価損率は-5.28%と昨年7月12日以来の水準となる。これらの解消売りが始まると需給悪となって急落を招きかねず、日経平均株価は往来下限の3万8000円を一気に割り込む可能性も否めなくなる。

◆テクニカル面では、順位相関指数(RCI)が日足、週足とも戻り一巡から調整入りを暗示。サイコロジカルラインは18日まで注意信号の9勝3敗(75%)を続け、20日時点でまだ8勝4敗。3月は14日にメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出)があり、年度末に伴う外国人投資家のポジション調整売りも出やすくなる。

◆NYダウはダブルトップ(12月4日の史上最高値4万5073ドル、1月31日高値の4万5054ドル)を突破できずにいる。日経平均株価が往来相場を割り込むと決まったわけではないが、注意信号が灯るここは下放れを警戒し、キャッシュポジションを高めて次のチャンスに備えるのも一策と思われる。

(2月20日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

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