話題株ピックアップ【夕刊】(2):三井住友FG、アドテスト、トヨタ

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■三井住友FG <8316>  3,989円   +80 円 (+2.1%)  本日終値
 三井住友フィナンシャルグループ<8316>が6連騰。みずほフィナンシャルグループ<8411>や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>とともに、連日で昨年来高値を更新している。日銀の早期利上げ観測が広がるなか、国内の長期金利が上昇を続けており、19日午前には一時1.435%まで上昇。2009年以来、およそ15年ぶりの高水準で推移している。長期金利については1.500%の節目を試す動きも想定されており、金利の先高観が銀行株の支援材料となったようだ。

■アドバンテスト <6857>  9,600円   +97 円 (+1.0%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連株に思惑錯綜、売り買いを拮抗させている。前日の米国株市場ではインテルが半導体設計事業への買収思惑などから16%高と急騰。そのほかマイクロン・テクノロジーが人気化するなど半導体セクターへの買いが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4連騰と戻り足を強めた。今月に入ってから反騰態勢を明示しているエヌビディアも小幅ながら上値追いを続けており、これを受けて東京市場でも半導体主力株を中心に追い風が意識される。一方、エヌビディアの決算発表が近づいており、当面は日米ともに半導体セクターの値動きにマーケットの関心が集中しそうだ。

■トヨタ自動車 <7203>  2,755.5円   -48.5 円 (-1.7%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>をはじめ自動車株は売りに押される銘柄が目立つ。業種別騰落でも値下がり率で上位に入っており、総じて買いが見送られる状況。マーケットではトランプ米政権が打ち出す関税政策に対する警戒感が強い。欧州だけでなく日本なども現状では対象から外れておらず、特に輸出セクターの代表格である自動車は強い向かい風が意識されている。そうしたなか、現地時間18日にトランプ米大統領が4月2日に詳細が発表される予定にある自動車への追加関税に言及、「(税率は)25%程度になる」とコメントしており、これがネガティブに捉えられている。ただ、自動車への関税強化の動き自体はこれまでの経緯で織り込まれており、下値を改めて売り込む動きには発展していない。

■三井物産 <8031>  2,722円   -39.5 円 (-1.4%)  本日終値
 三井物産<8031>が後場に弱含み、下落率は一時3%を超えた。19日、英リオ・ティントが事業開発を担う豪州の鉄鉱石事業の権益40%を取得すると発表した。取得額の合計は53億4200万ドル(約8000億円)となる見通し。財務面での負担などを懸念した売りが出たようだ。西豪州ピルバラ地域に位置し、68億トンの資源量を持つ世界最大級の未開発鉄鉱床に関する権益で、2030年までの生産開始を予定。持ち分権益生産量は初期生産体制で年間1600万トン、最終的に年間4000万トン以上を見込む。長期的な収益基盤の更なる強化につなげる方針。権益取得に伴って、三井物はキャッシュ・フロー・アロケーションの枠組みにおいて、追加資金4000億円をマネジメント・アロケーションに充当する予定という。マネジメント・アロケーションの残額は5500億円となり、引き続き厳選した成長投資と機動的な株主還元を検討していくとしている。

■アライドHD <6835>  240円   +50 円 (+26.3%) ストップ高   本日終値
 アライドテレシスホールディングス<6835>に投資マネーが集中。出来高流動性が高い低位株ならではの需給相場の様相を呈している。前週末の決算発表を境に、今週に入って商いを膨らませ急動意。週明け17日に50円高はストップ高に買われた後、前日も34円高の190円で引けるなど急騰パフォーマンスを際立たせている。18日引け後には、メルコホールディングス<6676>の牧寛之社長が18日付で大量保有報告書を提出し、牧氏のアライドHD株式保有比率は6.16%と新たに5%を超えたことが判明。これが株価の先高期待を増幅させる形となっている。

■ジェネレーションパス <3195>  389円   +80 円 (+25.9%) ストップ高   本日終値
 ジェネレーションパス<3195>がストップ高。18日の取引終了後、連結子会社の青島新嘉程家紡が、新たに「カポック繊維及び羽毛を含む充填材及びその製造装置・製造方法」に関する特許を取得したと発表しており、これを好感した買いが流入した。カポック繊維は、東南アジアやアフリカなどの熱帯地域に生息するカポックという木の実から採取される天然繊維。羽毛に匹敵する軽量性と保温性を備えつつ、羽毛と比較して経済的であることから、寝具・衣類市場で従来の羽毛に代わる新たな選択肢となる可能性を秘めているという。同社では今回の特許取得により、カポック繊維と羽毛をミックスした充填材を用いた寝具や衣類などへの活用が期待できるとしており、既に大手寝具メーカーとの間でリサイクル羽毛×カポックの製品製造の協業に向けて検討を開始しているという。なお、同件による25年10月期業績への影響は未定としている。

■フェニックスバイオ <6190>  431円   +80 円 (+22.8%) ストップ高   本日終値
 フェニックスバイオ<6190>がストップ高。19日午前10時、TOPPANホールディングス<7911>の3D細胞培養技術とフェニクスBの新鮮ヒト肝細胞を組み合わせた「人工三次元肝臓組織」の試供に向け、業務提携契約を同社と締結したと発表。今後の収益貢献を期待した買いが入ったようだ。TOPPANの3D細胞培養技術「invivoid」により作製した肝臓モデルは、既存の培養技術と比較して、肝機能の点において優位性を示すデータが得られているという。フェニクスBの新鮮ヒト肝細胞「PXB-cells」を組み合わせた肝臓モデルを製薬企業など外部機関に試供し、医薬品開発での安全性評価に貢献していく。

■川崎地質 <4673>  3,060円   +504 円 (+19.7%) ストップ高   本日終値
 川崎地質<4673>が急反発。午前11時ごろ、路面陥没を未然に防ぐための地中レーダーの探査深度向上への取り組みを発表しており、路面陥没事故が全国的に相次いでいることから、注目を集めているようだ。現在、路面陥没を未然に防ぐ取り組みとして、地中レーダー探査による空洞調査が行われているが、地中レーダー探査の可探能力は、一般的に深度2メートル程度が限界とされており、下水道管の損傷等に起因した深部の空洞の検出には、いまだ課題を残しているという。同社では1993年から、連続波レーダ(SF-CW)やチャープレーダの開発に着手し、5~10メートル程度の深部まで探査できる装置を開発し調査で使用。現在、広域且つ短時間で探査可能な「車載型の探査深度を5~10メートル程度まで可能」にするよう開発に取り組んでいるとしている。

株探ニュース

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