SAAFHD、今期最終を一転赤字に下方修正、配当は無配継続
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SAAFホールディングス <1447> [東証G] が2月14日大引け後(15:30)に決算を発表。25年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結最終損益は5.1億円の赤字(前年同期は3.6億円の赤字)に赤字幅が拡大した。 併せて、通期の同損益を従来予想の2.8億円の黒字→4億円の赤字(前期は1.8億円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。 会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結最終損益も従来予想の5.6億円の黒字→1.2億円の赤字(前年同期は3.7億円の黒字)に減額し、一転して赤字計算になる。 同時に、従来6円を計画していた期末一括配当を見送り、無配継続とする方針とした。 直近3ヵ月の実績である10-12月期(3Q)の連結最終損益は2.3億円の赤字(前年同期は1.7億円の赤字)に赤字幅が拡大し、売上営業損益率は前年同期の1.8%→-0.2%に悪化した。 株探ニュース 会社側からの【修正の理由】 2025年3月期の通期業績予想については、2023年3月期より採用しているボトムアップ方式の予算策定方法により、市場環境、各グループ会社の業績に基づき、当社の経営企画室が各グループ会社代表と協議の上、達成可能な予算を策定いたしました。また、予実管理を行う場であり、毎月開催のグループ経営会議においても対応策を協議し、実行する体制を進めてまいりました。しかしながら、2025年1月度に実施したグループ経営会議で計画値との乖離が顕著となり、本日別途開示しております「2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」の業績も踏まえ通期業績予想を修正することといたしました。 主な要因とされるセグメント別の理由は以下の通りです。なお、各セグメントに記載しております計画値差異については、2024年9月2日付適時開示「「2024年3月期連結決算内容及び事業計画成長可能性に関する事項」の更新および訂正について」の別紙P43の数値との差異を記載しております。<海外事業>(計画値差異 売上高:約△560百万円 セグメント利益:約△190百万円) ベトナムで深刻となっている砂不足(盛土材)の影響を受け、長期工期の大型案件(土木工事)について材料費の高騰および納入遅延による工事遅延が発生しております。第2四半期時点でも判明しておりましたが、下期以降の回復の可能性もあり通期業績予想の修正を見送っておりましたが、現時点において今期での回復は困難であると判断いたしました。現在は、盛土材を大量に必要とする土木工事案件から、地盤改良工事案件や堤防補強工事案件受注の営業活動へシフトする等の対応をしております。 また、ベトナムでの深刻な砂不足が判明してから、現場スタッフへの指示・対応が迅速に行えていない等の管理能力および対応遅延や材料費の高騰に伴う工事原価管理力への課題が浮き彫りになりました。現在は、明確な手順書・報告フローの確立、人員体制の見直し、管理システムの導入等、対策を進めております。<人材事業>(計画値差異 売上高:約△680百万円、セグメント利益:約△130百万円) 人材事業のうち、SE(システムエンジニア)を派遣する技術者派遣事業について、昨今のIT人材不足の状況もあり、派遣人員の採用が進まず、案件獲得に影響し、期初計画の売上を下回る見込みとなりました。 また、製造・物流関係を中心とした人材派遣事業および民間教育機関や学校法人を中心とした教育人材派遣事業について、業績は堅調であるものの派遣人員の確保が計画を下回り、期初計画の売上を下回る見込みとなりました。<地盤調査改良事業>(計画値差異 売上高:約△270百万円、セグメント利益:約△70百万円) 従来、戸建て住宅や低層マンション、商業施設等の比較的小規模の地盤調査および地盤改良を主軸にしておりましたが、国内における新設住宅着工数は、年々減少するなかで、より大きな工事へのシフトを図ってまいりました。中高層マンション等の地盤改良に用いるアースドリル工法(場所打ちコンクリート杭工法)への進出も着実に準備を進め、2025年3月期の計画に組み込んでおりました。しかしながら、結果としては、売上は前期比より増加しているものの、当初の計画に比べアースドリル工法の販路拡大が進まず、期初計画を下回る見込みとなりました。また、利益面については、2024年4月から36協定(労働基準法第36条に基づく労使協定)が建設業に適用されたことによる時間外労働時間の対応に人材採用等の費用が想定より発生したこと、および材料費の高騰による原価上昇面の単価交渉を進めてまいりましたが、想定より単価交渉が進まず、利益を圧縮する結果となりました。 なお、アースドリル工法については、2024年11月26日付適時開示「株式会社ユーシンの株式取得(連結子会社化)および特定子会社の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、株式会社ユーシン(以下「ユーシン」といいます。)が得意とする工法です。今後は、グループシナジーを活かし、アースドリル工法の販売、および場所打ちコンクリート杭工事事業の体制強化を図ってまいります。また、単価交渉は継続し進めるとともに、新たな販売戦略として、連結子会社のジオサイン株式会社が販売する3次元測量機器4Dkankanによる敷地測量と地盤調査のセット販売を計画しております。4Dkankanによる測量は効率的な測量が可能であり、ハウスメーカー等へのセット販売による販売網の拡大、および地盤改良の受注拡大を目指してまいります。<コンサルティング事業>(計画値差異 売上高:約△220百万円、セグメント利益:約△100百万円) 事業拡大の手段として、採用担当者の増員等によるコンサルタント採用の強化を図ってまいりました。しかしながら、IT関連の知見を有するコンサルタントの採用は、昨今のIT人材不足の状況もあり、期初計画に比べ、採用が進んでおりません。このため、コンサルティングの受注機会は豊富にあるものの、コンサルタント不足により受注を断念せざるを得ない状況となっております。結果、期初計画の売上を下回る見込みとなりました。 現在、IT分野の領域のみならず教育や防災分野の領域にコンサルティング事業の拡大を企図しております。領域の拡大により受注機会を増やすとともにコンサルタントの高稼働を促進し収益の拡大を目指してまいります。<その他事業>(計画値差異 売上高:約△290百万円、セグメント利益:約△80百万円) ドローン事業および産業イノベーション事業について、事業拡大のための人員増強等を行っておりましたが、営業体制の構築の遅れにより受注件数が期初計画比および前期比でも下回り、販管費が先行する結果となりました。また、下期以降に受注見込みであった案件の失注も発生したため期初計画の売上を下回る見込みとなりました。M&Aアドバイザリー事業について、M&Aの事業環境は旺盛であるものの契約成立の折り合いがかみ合わず、期初計画の売上を下回る見込みとなりました。 なお、当社グループのルールに従い、上述の事業については事業ポートフォリオの見直しの一環として事業継続の可否について検討を行う予定です。 当社の営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益については、連結売上高が減少したことに伴い減少いたしました。また、ユーシンについて、同社の業績を連結業績へ取り込む第4四半期の営業利益の見込みから、株式取得に係るアドバイザリー費用等とのれんの償却額を差し引いた額(約△70百万円)を考慮しました。これらの結果、期初の想定を下回る見込みとなったため、業績予想を修正いたします。 当社は、安定的な経営基盤の確保に努めるとともに、株主への利益還元を経営の重要課題の一つと認識しております。利益配分については、財務体質の強化と今後の事業展開に備えた内部留保の充実を図りつつ、業績や景況等を総合的に勘案して、株主への配当を実施することを基本方針としております。 利益重視の経営に転換以降、2023年3月期および2024年3月期において2期連続で利益を確保し、その体制を整えてまいりました。そして、2025年3月期は当社初となる配当を実施する計画を立てておりました。しかしながら、今回の通期業績予想の修正に伴い、誠に遺憾ながら、1株当たり配当金を前回予想の6円から0円に修正いたします。 株主の皆様には、深くお詫びを申し上げるとともに、早期に配当を実施できるよう努めてまいりますので、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。