話題株ピックアップ【夕刊】(1):古河機金、ノート、野村マイクロ
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■古河機械金属 <5715> 2,488円 +460 円 (+22.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位 古河機械金属<5715>は急騰。祝日前10日取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を1877億円から1989億円(前期比5.7%増)へ、営業利益を82億円から87億円(同2.1%増)へ上方修正すると発表。あわせて記念配当や大規模な自社株買いの実施を発表しており、これらを好感した買いが入った。ロックドリル部門で北米向けの油圧クローラドリルの出荷が予想を上回るため。円安により金属部門が増収増益となることも寄与する見込み。配当予想については記念配当を実施するとした。従来予想の60円に創業150周年記念配当10円を上乗せし、70円(前期55円)とする。自社株買いについては取得上限が700万株(自己株式を除く発行済み株数の19.30%)、または100億円。期間は2月12日から来年2月10日まで。更に、2月28日付で400万株の自社株を消却することを明らかにした。 ■西川ゴム工業 <5161> 2,737円 +500 円 (+22.4%) ストップ高 本日終値 西川ゴム工業<5161>ストップ高の水準となる前営業日比500円高の2737円に買われた。前営業日の10日取引終了後、通期の業績・配当予想の上方修正と配当方針の変更について開示し、材料視された。新たな配当方針をもとに、今期の期末配当予想について従来の見通しから152円増額して178円に引き上げた。年間配当予想は204円(前期比160円増配)となる。また、主要顧客の生産動向などを踏まえ、今期の売上高予想を37億円増額して1194億円(同1.3%増)、最終利益予想を5億円増額して52億円(同3.2%増)に見直した。減益予想から一転、最終増益を計画する。新たな配当方針では、株主資本配当率(DOE)を8%程度とすることを盛り込んだ。今期については第4四半期からの変更となることを考慮し、DOE4%で配当を実施する予定。また、31年3月期までの中長期経営計画において、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関する項目を追加し、自己株式取得を6年間で発行済み株式総数の6%実施する方針も示した。 ■note <5243> 2,909円 +500 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値 note<5243>がストップ高。連日の昨年来高値更新となっている。午前11時ごろ、新たに「物語投稿サイト」を今春リリースすると発表したことが好感された。子会社Tales&Co.と共同で立ち上げるもので、同サイトに投稿された作品が広く読者に公開されるだけではなく、note及びTales&Co.が連携する出版社・映像会社・動画配信プラットフォーム・ゲーム会社などでのメディアミックス化されることを目指すとしている。 ■野村マイクロ <6254> 2,990円 +500 円 (+20.1%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率4位 野村マイクロ・サイエンス<6254>がストップ高。前営業日の10日取引終了後、25年3月期の連結業績予想の修正を発表。今期の売上高予想を従来の見通しから80億円増額し960億円(前期比31.5%増)、経常利益予想を8億円増額し126億円(同16.5%増)、最終利益予想を10億円増額して96億5000万円(同21.0%増)に見直した。業績予想の上方修正を好感した買いが集まった。米国の大型水処理装置案件の工事進捗が想定を上回る見通しとなり、売上高と利益がこれまでの想定を上回る見込みとなったという。 ■エムスリー <2413> 1,659円 +268 円 (+19.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位 エムスリー<2413>が続急伸。10日の取引終了後に発表した第3四半期累計(24年4~12月)連結決算は、売上高2055億2100万円(前年同期比14.7%増)、営業利益501億100万円(同8.8%減)と増収減益となったものの、10~12月期は3.5%営業増益となっており、直近四半期の増益転換を好感した買いが入ったようだ。新型コロナウイルス関連プロジェクトの減少影響によりメディカルプラットフォーム事業、エビデンスソリューション事業の売上高が落ち込んだものの、医師向け及び薬剤師向けの求人求職支援サービスがいずれも好調に推移したキャリアソリューション事業は好調に推移した。ホスピス事業で前期より以前に開設した施設の稼働率が上昇したことに加えて、昨年1月に買収した米国足病事業及び10月に買収したノアコンツェルの業績寄与などがあったサイトソリューション事業の好調や、昨年10月に子会社化したエランの寄与もあり、10~12月期は増益に転じた。なお、25年3月期通期業績予想は売上高2680億~2730億円(前期比12.2~14.3%増)、営業利益670億~700億円(同4.1~8.7%増)の従来見通しを据え置いている。 ■武蔵精密工業 <7220> 3,375円 +502 円 (+17.5%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率7位 武蔵精密工業<7220>が後場に入りストップ高。同社は12日、25年3月期第3四半期の決算説明会資料を自社のホームページ上に公開した。このなかで、AIデータセンター向けの蓄電装置「ハイブリッド・スーパー・キャパシタ(HSC)」について、旺盛な顧客需要に応えて出荷開始を前倒ししたことを明らかにしたほか、南アルプス新工場の稼働時期についても前倒しを推進する方針を示した。AIデータセンター向けの事業の更なる成長を期待した投資家の買いが集まったようだ。 ■アストロHD <186A> 746円 +100 円 (+15.5%) ストップ高 本日終値 アストロスケールホールディングス<186A>がストップ高。大口の投資マネーが波状的に流入しており、需給相場の様相を呈してきた。前週にストップ高を交え大底圏からの急浮上を鮮明とした。今週明け10日はいったん利食われたものの、目先筋の売り一巡を待って改めて買い直され、きょうは値幅制限上限の746円まで駆け上がりカイ気配で張り付いている。同社はスペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去を手掛けるほか、人工衛星の軌道上サービスを行うベンチャーで、業績は赤字が続いているもののトップラインの伸びが著しい。直近は宇宙開発関連の一角として存在感を高めている。前週末7日に行われた日米首脳会談で「サイバー・宇宙分野での連携強化を協議する」と報じられ、そのなかスペースデブリの監視に日米で協働する方向にあることから、同社株に対する物色人気が増幅された。更に、11日に同社の英国子会社が、英国宇宙庁(UKSA)が主導するデブリ除去ミッション「COSMIC(コズミック)」の開発において、現在の契約フェーズの中間マイルストーンを達成したことを発表、これが思惑買いを加速させている。 ■荏原実業 <6328> 4,500円 +575 円 (+14.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位 荏原実業<6328>が続急伸した。前営業日の10日取引終了後、24年12月期の連結決算発表にあわせ、25年12月期の業績・配当予想を開示した。今期の売上高は前期比6.7%増の400億円、最終利益は同4.5%増の33億円を見込み、過去最高益の更新を計画する。年間配当予想は同25円増配の120円としており、これらをポジティブ視した買いが入った。受注残高が高水準となるなか、防災・減災や蓄電池、水産を中心に受注高の増加を計画する。中期経営計画も公表し、27年12月期に売上高450億円、営業利益55億円(25年12月期見通し45億円)に業績を拡大する目標を掲げた。 ■メタプラネット <3350> 6,650円 +770 円 (+13.1%) 一時ストップ高 本日終値 メタプラネット<3350>がカイ気配スタートで大幅続伸。直近5連騰を記録し、この間に32%も株価水準を切り上げていたが、きょうは一段と上げ足を加速している。ホテル事業を展開するほか、ビットコインへの積極投資を行っている。10日取引終了後に発表した25年12月期の業績予想は売上高が前期比3.2倍の34億円、営業利益は同7.1倍の25億円と急拡大する見通しとなった。これがポジティブサプライズとなったほか、「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消したことも投資資金の攻勢を誘っている。株価は昨年11月以降に大口資金の流入が顕著となり、時価は2015年7月以来9年半ぶりの高値圏に浮上している。 ■フジシール <7864> 2,670円 +282 円 (+11.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位 フジシールインターナショナル<7864>が後場一段高。正午ごろ、25年3月期の連結業績予想について、売上高を2030億円から2130億円(前期比8.3%増)へ、営業利益を154億円から186億円(同39.7%増)へ、純利益を106億円から116億円(同12.9%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を30円から35円(年65円)へ引き上げたことが好感された。既存事業の伸長と海外子会社における円安による為替の影響で売上高が計画を上回る見通しであることに加えて、不採算事業の見直しをはじめとした各地域での収益性向上施策が奏功していることが利益を押し上げる。また、高収益の医薬市場向け機械の販売が好調に推移していることも寄与する。なお、同時に発表した第3四半期累計(24年4~12月)決算は、売上高1584億7200万円(前年同期比9.5%増)、営業利益141億3000万円(同53.8%増)、純利益93億8100万円(同23.4%増)だった。 株探ニュース