ドル円、152円挟んで上下動 ドル自体は様子見で円の動きが先導=NY為替概況
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ドル円、152円挟んで上下動 ドル自体は様子見で円の動きが先導=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は152円挟んで上下動。NY時間に入って戻り売りに押され、一時151.60円付近に伸び悩む場面が見られた。トランプ大統領が週末に本日10日に全ての鉄鋼とアルミ輸入への25%関税を発表すると言及。また、米国に関税を課している国々に対する相互関税も週内に発表する方針も表明した。 インフレへの懸念からドルは買い戻され、ドル円もロンドン時間に152円台半ばに買い戻されていたが、NY時間にかけて151円台後半に伸び悩む展開となった。本日もトランプ関税のニュースに翻弄されている。本日152.80円付近に来ている200日線を復帰することなく、上値が重い印象を強める値動きではあった。 ただ、ドル自体は様子見の雰囲気が出ており、ドル円に関しては、円自体の動きが先導していたようだ。ここに来て日銀の早期追加利上げ期待が台頭しており、それが円高の動きをサポートしている。一部からは3月から4月初めの春闘の結果が持続的な実質賃金のプラスを確信できれば、利上げをしたがっている日銀は直ぐにでも動くと見ているようだ。しかし、いまのところ短期金融市場では5月の利下げの確率を25%程度しか織り込んでいない。 ユーロドルは1.03ドル台前半での推移。トランプ関税への警戒感からユーロドルは21日線の下での値動きが続いてる。下げ止まってはいるものの依然として上値は重い展開が続いている。トランプ関税と米インフレ期待からユーロは直撃するとの見方から、年内にパリティ(1.00ドル)への下落期待は依然根強い。 トランプ大統領はEUに間もなく関税を課すつもりだと発言している。それに対してEUは日本とは違い、対抗措置を検討しており、エスカレートしそうな様相を見せている。また、今週は米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が公表されるが、市場はユーロドルの下値警戒を高めているようだ。 一方、関税リスクと米インフレ指標を経て、もしユーロが生き残れっていれば、金曜日から開催されるミュンヘン安全保障会議で、米国が提案するウクライナ停戦合意に関するさらなる詳細が明らかになる過程で、ユーロは上昇する可能性があるとの見方も出ている。 ポンドドルは上値の重い展開が続いている。1.23ドル台で緩やかな戻り売りに押され、21日線に顔合わせした。トランプ関税への脅威が続いているが、EUに高関税を課した場合、ポンドはユーロに対して上昇する可能性があるとの見方が出ている。関税に関しては英国よりもEUの方がより大きな損失を被ると見ているという。英国から米国への輸出が他国よりも比較的少ない面もその見方をサポートしている。 ただ、対ドルでポンドは1.2250-1.2500ドルの取引レンジ下限に向かって下落する可能性があるとも述べている。また、明日のマン英中銀委員の講演も注目されている模様。同委員はこれまでタカ派の急先鋒だったものの、先週の金融政策委員会(MPC)では0.50%ポイントの大幅利下げを主張し、市場を驚かせていた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美