株価指数先物【寄り前】 トランプ関税のリスク警戒でショート優勢
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大阪3月限ナイトセッション 日経225先物 38370 -470 (-1.21%) TOPIX先物 2714.0 -27.5 (-1.00%) シカゴ日経平均先物 38375 -465 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 7日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。1月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が14万3000人増と、市場予想(17万人増程度)を下回った。しかし、失業率が4.0%と前月比で横ばい予想(4.1%)から改善したほか、平均賃金は前月比+0.5%、前年同月比+4.1%となり、いずれも予想を上回る伸びだった。また、2月のミシガン大消費者信頼感指数は予想を下回る結果となったが、1年先期待インフレ率は4.3%と前月分の3.3%から上昇した。これにより、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げが後ずれするとの見方により米長期金利が上昇し、相場の重荷になった。 NYダウ構成銘柄では、2025年1-3月期の売上高見通しが市場予想に届かなかったことが嫌気されたアマゾン・ドット・コムが4%超の下落。そのほか、ナイキ 、アップル 、マイクロソフト 、セールスフォース 、シャーウィン・ウィリアムズ 、ハネウェル・インターナショナル の下げが目立った。S&P500業種別指数は運輸、消費者サービス、食品・飲料・タバコが上昇した一方で、小売、自動車・同部品、耐久消費財・アパレルが下落。 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比465円安の3万8375円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万8870円で始まり、3万8820円~3万8940円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜け、一時3万8350円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は終盤にかけて3万8350円~3万8560円のレンジで推移し、3万8370円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで200日移動平均線(3万8490円)を割り込んでおり、早い段階で同線を回復できるかが注目される。同線が抵抗線として機能してくるようだと、1月17日につけた直近安値の3万8070円が射程に入ってくるだろう。 また、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8640円)を割り込んだことで、-2σ(3万8130円)とのレンジが意識されてくる。そのため、まずはオプション権利行使価格の3万8125円から3万8625円のレンジを想定する。-1σをクリアしてくる局面では、3万8625円から3万9125円のレンジに移行する一方で、-1σに上値を抑えられるようだと、-2σとのレンジにより節目の3万8000円割れが警戒されてきそうだ。 為替市場ではトランプ大統領が日本への関税も選択肢の一つだと発言したことを受け、一時1ドル=150円台に突入した。先週は日銀の早期利上げ観測で円高基調を強めていたが、引き続き円高傾向が重荷となる可能性が高そうだ。また、11日は建国記念の日で祝日となるため、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られ、スキャルピング中心のトレードになり、短期的な売買に振らされやすい。 7日の米VIX指数は16.54(6日は15.50)に上昇した。前日までの調整で割り込んだ200日線(16.22)を上回り、75日線(16.58)、25日(16.73)を捉えてきた。直近のボトム圏からのリバウンドであるが、トランプ大統領が相互関税の導入計画を協議するための会合を10日か11日に開催すると報じられており、内容次第では急伸するリスクはありそうだ。 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.16倍(前日は14.18)に低下した。足もとでは200日線(14.22倍)に上値を抑えられており、14.10~14.22倍辺りのレンジ推移を継続している。ボトム圏での推移ではあるが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が不安定な状況であるため、NTロングでのスプレッド狙いの動きは入りづらい。 株探ニュース