話題株ピックアップ【夕刊】(3):ゼオン、山九、富士通

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■日本ゼオン <4205>  1,478.5円   +33 円 (+2.3%)  本日終値
 日本ゼオン<4205>が3日続伸。1月31日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、売上高を4150億円から4170億円(前期比9.1%増)へ、営業利益を235億円から265億円(同29.3%増)へ、純利益を190億円から235億円(同24.4%減)へ上方修正したことが好感された。高機能材料事業部門で大型テレビやモバイル端末向け光学フィルムの需要が増加したほか、エラストマー素材事業部門で想定為替レートや原料前提を見直し、更に事業の直近の状況も精査したことが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(24年4~12月)決算は、売上高3154億3300万円(前年同期比11.1%増)、営業利益241億7300万円(同51.2%増)、純利益201億3100万円(同3.7%減)だった。

■山九 <9065>  5,657円   +106 円 (+1.9%)  本日終値
 山九<9065>が反発。同社は1月31日取引終了後、25年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しは従来の390億円から410億円(前期比16.4%増)に引き上げた。売上高予想も5960億円から6040億円(同7.2%増)に上方修正。機工事業でメンテナンスのSDM(大型定期修理工事)案件での追加工事の獲得及び設備工事の設備更新・増強工事の獲得、物流事業でも構内での付帯作業獲得及び輸送作業が増加したことなどが主な要因だとしている。

■富士通 <6702>  3,050円   +32 円 (+1.1%)  本日終値
 富士通<6702>が7日続伸。1月31日の取引終了後に発表した第3四半期累計(24年4~12月)連結決算で、営業利益が1252億6900万円(前年同期比2.7倍)と大幅増益となったことが好感された。ドイツにおける一部低採算事業の切り離しや、ハードウェアソリューション事業における前年の国内サーバー・ストレージ大型商談の反動などがあり、売上高は2兆6214億円(同0.8%減)となったものの、DX需要やレガシーシステムを現代的なシステムへと刷新するモダナイゼーション需要の拡大を受けて国内サービスソリューション事業が好調に推移。同事業の採算性向上もあり大幅増益となった。なお、25年3月期通期業績予想は、売上高を従来予想から450億円増額修正し継続事業ベースで前期比横ばいの3兆4700億円を予想。営業利益は2700億円(前期比80.8%増)を見込む。

■SCSK <9719>  3,473円   +24 円 (+0.7%)  本日終値
 SCSK<9719>が買われ、上場来高値を更新した。前週末1月31日の取引終了後、25年3月期の連結業績・配当予想の上方修正を発表し、評価されたようだ。今期の売上高予想は従来の見通しから860億円増額して5960億円(前期比24.1%増)、最終利益予想は20億円増額して465億円(同14.9%増)に引き上げた。IT投資需要の持続的な拡大が見込まれるなか、昨年12月25日付でネットワンシステムズ<7518>を連結子会社化しており、ネットワンの業績予想を取り込んだ。期末配当予想については3円増額して37円とした。年間配当予想は71円(前期比11円増配)となる。第3四半期累計(4~12月)の売上高は前年同期比9.5%増の3848億4000万円、最終利益は同5.2%増の297億9800万円だった。

■ソフトバンクグループ <9984>  9,455円   +44 円 (+0.5%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>は朝安後にプラス圏に浮上した。3日、米オープンAIと提携し、企業用最先端AI「クリスタル・インテリジェンス」を開発・販売することで合意したと発表。これをポジティブ視した買いが入ったようだ。ソフトバンクGはオープンAIのソリューションを、アーム・ホールディングスを含むグループ各社に展開するため、年間30億ドルを支払い、クリスタル・インテリジェンスを大規模に導入する。またソフトバンクGとソフトバンク<9434>が設立する中間持ち株会社と、オープンAIがそれぞれ50%出資し、合弁会社SB OpenAI Japanを設立。日本の主要企業に対し、クリスタル・インテリジェンスを独占的に販売する。合弁会社はソフトバンクの連結子会社となる予定という。

■バリューコマース <2491>  910円   -300 円 (-24.8%) ストップ安   本日終値  東証プライム 下落率トップ
 バリューコマース<2491>はストップ安。前週末1月31日取引終了後、25年12月期連結業績予想について売上高を前期比21.4%減の239億円、営業利益を同39.9%減の25億円と発表。配当予想も同8円減の49円としており、これを嫌気した売りが膨らんでいる。同時に発表した24年12月期決算は売上高が前の期比3.4%増の304億1000万円、営業利益が同20.5%減の41億6000万円だった。成果報酬型広告で金融分野の一部広告主に出稿意欲の緩やかな回復がみられたことが寄与し、増収を確保。一方、利益面では中期経営計画に基づく戦略投資の実施が重荷となった。

■エス・エム・エス <2175>  1,269円   -400 円 (-24.0%) ストップ安   本日終値  東証プライム 下落率2位
 エス・エム・エス<2175>はストップ安。前週末1月31日取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を656億6500万円から610億5000万円(前期比13.1%増)へ、営業利益を90億9600万円から63億円(同23.8%減)へ下方修正すると発表した。これを嫌気した売りが膨らんでいる。医療機関を中心とした働き方の見直しや賃金上昇の影響で求職者の転職意欲に鈍化がみられたことが要因。今後の成長継続に向けた広告宣伝投資も響く見通し。なお、未定としていた今期の配当予想は28円50銭(前期20円)とした。

■エンプラス <6961>  4,430円   -950 円 (-17.7%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 エンプラス<6961>は急落し昨年来安値更新。前週末1月31日取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を415億円から380億円(前期比0.5%増)へ、営業利益を66億円から51億円(同9.8%増)へ下方修正すると発表した。サーバー用途や自動車用途の市場の落ち込み、顧客の在庫調整などによる影響を織り込んだ。これをネガティブ視した売りが優勢となっている。

■ソシオネクスト <6526>  2,051円   -384.5 円 (-15.8%)  本日終値  東証プライム 下落率4位
 ソシオネクスト<6526>が急落。前週末1月31日の取引終了後、25年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正した。今期の売上高予想は従来の見通しから100億円減額して1900億円(前期比14.1%減)、最終利益予想は15億円減額して180億円(同31.1%減)に見直しており、嫌気されたようだ。中国市場で通信機器などの需要が振るわず、顧客の在庫調整が長期化するなか、売り上げの減少に伴う下振れ分を原価改善の取り組みでカバーするには至らないと判断した。第4四半期(1~3月)の想定為替レートは1ドル=130円とした。4~12月期の売上高は前年同期比14.4%減の1452億6400万円、最終利益は同18.8%減の164億7400万円だった。

■マーベラス <7844>  509円   -68 円 (-11.8%)  本日終値  東証プライム 下落率5位
 マーベラス<7844>は急落。前週末1月31日取引終了後、25年3月期連結業績予想を修正すると発表。売上高を前期比8.5%減の270億円(従来予想290億~320億円)、営業利益を同37.9%減の15億円(同15億~20億円)とした。新作タイトルの発売が翌期となったこと、第3四半期までにおいてタイトルの不振や計画未達があったことなどが要因。これが売り材料視された。

■中央紙器工業 <3952>  1,649円   +300 円 (+22.2%) ストップ高   本日終値
 中央紙器工業<3952>がストップ高。同社は前週末1月31日の取引終了後、ニッコンホールディングス<9072>が中央紙器に対し、非公開化を目的に株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表。買付価格は1株5034円で、中央紙器の株価はTOB価格にサヤ寄せする動きをみせている。買付予定数の下限は211万1300株で、上限は設定しない。TOB成立後、所定の手続きを経て、中央紙器は上場廃止となる見込みで、最終的に株主はトヨタ自動車<7203>とニッコンHDのみとなる。物流サービスを手掛けるニッコンHDは段ボール製品を手掛ける中央紙器とともにシナジーの発揮を目指す。中央紙器はTOBに賛同の意見を表明した。買付期間は2月3日から3月18日。名古屋証券取引所は1月31日付で、中央紙器を監理銘柄(確認中)に指定した。

■電算 <3640>  1,726円   +300 円 (+21.0%) ストップ高   本日終値
 電算<3640>がストップ高。情報処理システムの開発を手掛けるが、本社を長野市に構え信越を地盤に地方自治体向けで実績が高い。マイナンバーと保険証の一体化対応に関する案件で収益機会が高まり、足もとの業績は会社側想定を上回る水準で好調に推移している。前週末1月31日に25年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来計画の13億5000万円から23億1000万円(前期比79%増)に大幅増額修正、これがポジティブサプライズとなった。

●ストップ高銘柄
 レナサイエンス <4889>  1,425円   +300 円 (+26.7%) ストップ高   本日終値
 ウインテスト <6721>  238円   +50 円 (+26.6%) ストップ高   本日終値
 サイエンスアーツ <4412>  648円   +100 円 (+18.3%) ストップ高   本日終値
 など、10銘柄

●ストップ安銘柄
 SMN <6185>  397円   -80 円 (-16.8%) ストップ安   本日終値
 など、3銘柄

株探ニュース

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