富田隆弥の【CHART CLUB】 「始まったAI時代、冷静に押し目買い」
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「始まったAI時代、冷静に押し目買い」 ◆今週の株式市場にはヒヤリとさせられた。日経平均株価は往来相場の下限(3万8000円)から切り返して1月24日に4万0279円の高値をつけ、往来上限(4万円)突破から節分高を目指すかに思われた。だが、中国企業が公開した低コスト生成AI(人工知能)「ディープシーク」が、AI分野におけるゲームチェンジャーとして突如脚光を浴びる。日米株式市場でAI、半導体関連株が厳しい下げに見舞われ、日経平均株価は28日に一時3万8886円まで売られた。 ◆米国ではエヌビディアと 半導体SOX指数が急落。日経平均株価は再び往来圏に戻され、レンジ下限の3万8000円を試す可能性も否めない雲行きだった。だが、足もとでは1月30日に3万9513円まで戻し、日足チャートは25日移動平均線(30日時点3万9314円)で下げ止まり、切り返しの動きを見せている。 ◆29日にはアドバンテスト <6857> [東証P]が好決算を発表。25年3月期の連結営業利益を従来予想1650億円→2260億円に大きく上方修正し、期末配当は20円(年39円)とした。AI関連の半導体検査装置の需要が高水準で推移している。これはAI関連の好調がまだしばらく続くことを予感させるものだ。 ◆AI時代はまだ始まったばかり。多くの企業がAI導入に動き始めており、それに伴う半導体やデータセンターの需要増は至極当然で、この流れがすぐに鈍化するとはとても思えない。 ◆「ディープシーク」の登場を受けて、日米の半導体株は目先乱高下すると思われる。日経平均株価は米国のエヌビディア株と半導体SOX指数の動向に連動しており、それ次第では一時的に往来下限を試すかもしれない。トランプ大統領の言動も気になる。ただし、下げればテクニカル指標は好転に向かい、目先筋の売りにより需給も改善するので、押し目買いの姿勢は変わらない。 (1月30日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース