株価指数先物【寄り前】 ハイテク株を安警戒も、値幅調整に一巡感
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大阪3月限ナイトセッション 日経225先物 39050 -430 (-1.08%) TOPIX先物 2738.0 -13.5 (-0.49%) シカゴ日経平均先物 39060 -420 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 27日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、エヌビディアが昨年10月以来の水準に急落するなど、半導体関連やAI関連株に売りが先行。NYダウは一時400ドル近く下げる場面もみられたが、その後ディフェンシブ株や消費関連株の一角に買いが入り、上昇に転じた。ナスダック指数の下落率は3%を超え、半導体SOX指数も9%超の下落となった。 NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほか、シスコシステムズ 、マイクロソフト 、キャタピラー が下落。半面、アップル 、セールスフォース 、トラベラーズ 、プロクター・アンド・ギャンブル 、ジョンソン・エンド・ジョンソン が買われた。 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比420円安の3万9060円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比70円安の3万9410円で始まり、一時3万8660円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は下げ渋り、米国市場の取引開始後は3万8890円から3万9190円辺りで保ち合い、3万9050円でナイトセッションの取引を終えた。 昨夕の時点でグローベックスのナスダック100先物は3%あまり下落して推移していたため、米国市場の下落の影響は織り込まれているだろう。ただし、直近のリバウンド局面で相場を牽引していた半導体株やAI関連株の急落によってセンチメントは冷まされ、しばらくはエヌビディア睨みの展開を余儀なくされそうである。 日経225先物はナイトセッションで25日移動平均線(3万9290円)、75日線(3万9040円)を下抜け、一時ボリンジャーバンドの-1σ(3万8770円)を割り込んだ。売り一巡後は下げ幅を縮め、75日線水準で終えている。同線辺りでの攻防となるなか、戻りの鈍さが意識される局面では、-1σを狙ったショートが強まりやすいだろう。-1σを再び割り込んでくるようだと、200日線(3万8490円)が射程に入ってくる。 一方で、前日の+2σ(4万0320円)突破から一気に-1σまで下げたことで値幅調整は一巡した形である。9%近く下落したアドバンテス <6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が下げ止まりをみせてくると、日経225先物は75日線を支持線として25日線辺りまでのリバウンドが意識されてきそうだ。 そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格となる3万8625円から3万9375円のレンジを想定する。昨日は東証プライムの8割近い銘柄が上昇したものの、アドバンテス、ソフトバンクグループ<9984>[東証P]、東京エレクトロン<8035>[東証P]の3銘柄で日経平均株価を530円あまり下押していた。この3社が弱い値動きをみせると、先物市場ではショートを仕掛けてくる動きが強まる半面、リバウンド局面ではショートカバーに向かわせよう。 27日の米VIX指数は17.90(24日は14.85)に上昇した。一時22.51まで切り上がり、1月13日につけた直近の戻り高値22.01を上回る場面もみられた。25日、75日、200日線を一気に上抜けており、慎重姿勢が強まりそうだ。ただし、日中の安値圏で終えていることもあり、パニック的な動きからは落ち着きをみせていた。 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に急低下し、25日、75日線が位置する14.36~14.37倍辺りを割り込んだ。両線が抵抗線として機能してくると、200日線が位置する14.23倍辺りを想定したNTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。ただし、為替市場では円高に振れて推移していることで輸出関連株などは手掛けづらくさせる。ハイテク株次第ではあるが、前日の大幅な低下に対するリバランスの動きも想定しておきたいところだろう。 株探ニュース