【杉村富生の短期相場観測】 ─アメリカに強い企業を狙う!第2弾!
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「アメリカに強い企業を狙う!第2弾!」 ●壮大なスターゲート・プロジェクト トランプ(共和党)政権では戦争が終わる。19日に、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意が発効した。「就任前の話じゃないか」。それは違う。日付的には就任前だが、停戦交渉には次期トランプ政権が加わっていたし、ハマス高官は「トランプ政権との衝突を避けたかった」と語っている。これはイスラエルも同じ感覚だろう。 パレスチナの次はウクライナ戦争だ。「早期に戦争を終結させる」はトランプ大統領の公約だ。破天荒な人物だが、実行力はある。アメリカの歴史において、傾向的に戦争を始めるのは民主党、それを処理するのは共和党だ。民主党のバックには軍産複合体がいる。彼らは兵器・弾薬の消化を目的に、戦争をやりたがる。 ウクライナ戦争の終結は和平案がウクライナ側に不利になっている。これではロシアの国際法違反は「やったもの勝ち」になってしまうし、NATO(北大西洋条約機構)加盟延期はヨーロッパ諸国にはとうてい受け入れられない、と思う。ただ、ゼレンスキー大統領の姿勢(全土奪還)は微妙に後退しつつある。 やはり、戦争疲れがあろう。ロシアは電力インフラに対する攻撃を強めている。ウクライナの電力不足は深刻だ。それに、トランプ政権の兵糧攻め?(支援停止を示唆)が大きい。ロシアのプーチン大統領は強気姿勢とは裏腹に、「交渉、妥協の用意がある」とほのめかしている。軍事侵攻以来3年、ダメージは計り知れない。まあ、「そろそろ」か。 アメリカはイラン、ベネズエラとの和解を進めるはずだ。うまくいけば両国産の原油が供給される。アメリカはエネルギー規制を緩和する。トランプ大統領は「掘って、掘って、掘りまくれ」と宣言している。原油価格は下落するだろう。これは日本などエネルギー小国にはプラスになる。もちろん、インフレは沈静化する。 ●「ゴルディロックス」を迎えるアメリカ! 加えて、減税だ。アメリカ経済は「ゴルディロックス」(適温)状態が継続するだろう。株式投資には絶好の環境である。だからこそ、「アメリカ・ファースト」のアメリカ市場に強い企業を狙え、と主張している。日銀の利上げはメガバンクに好影響を与える。アメリカ向け売上高比率が高い東洋水産 <2875> [東証P]は潤うだろう。 フジクラ <5803> [東証P]、丸一鋼管 <5463> [東証P]、ファナック <6954> [東証P]、リクルートホールディングス <6098> [東証P]、オークマ <6103> [東証P]などもそうだ。オークマは工作機械業界の勝ち組となろう。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]のスターゲート・プロジェクトは壮大である。 総投資額は5000億ドル(約78兆円)、 データセンター、電力施設を併設したAI(人工知能)インフラを構築する。参加企業はオープンAI、オラクルの3社だが、技術面ではエヌビディア 、マイクロソフト 、アーム・ホールディングス が協力を約束、アラブ首長国連邦、同国のMGX(投資会社)が出資する。 小物ではトランプ大統領と親しいロビー会社の米バラード・パートナーズと提携している共同ピーアール <2436> [東証S]、空港関連業務を幅広く手掛けているエージーピー <9377> [東証S]、売上高の75%が海外で、マグネシウム、アルミ部品を精密、自動車業界に提供しているSTG <5858> [東証G]などに注目できる。 さらに、データセンター関連の巴川コーポレーション <3878> [東証S]、会計AIのファーストアカウンティング <5588> [東証G]はもっと評価されて良い。アメリカ発のAI革新(新産業革命)は日本に波及するし、日本企業の活躍余地は大きい。株価面での見直しにつながるだろう。 2025年1月24日 記 株探ニュース