ドル円は157円台を回復 ファンド勢はドル円の上値に強気に=NY為替概況

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ドル円は157円台を回復 ファンド勢はドル円の上値に強気に=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は買い戻しが優勢となり157円台を回復。今週はクリスマス週で市場の動意も小さくなることが予想される中、ドル買いが優勢となり、ドル円の下値をサポートしていた。

 先週のFOMCと日銀決定会合を通過して、ファンド勢はドル円の上値に強気になった模様。今後数カ月で最大5%の上昇を見越したポジション設定を急いでいるとの指摘も出ている。先週のイベントはタカ派的なFRBとハト派的な日銀の相違を鮮明にし、160-165円のレベルシフトを見込む取引も活発に出ているようだ。

 目先は160円の節目だが、オプション取引とエコノミストの予想からの推測で、年末までの到達の確率は10%程度と低いもものの、1月20日のトランプ氏の就任までであれば45%程度まで高めているようだ。

 きょうの為替市場はドル買いがやや優勢となる中、ユーロドルは上値の重い推移が続いている。1.04ドル台に上昇はするものの、21日線が控える1.05ドル付近までの戻りを試そうという気配まではない。引き続き上値が重い印象だ。

 ユーロはラガルドECB総裁の発言を消化している。総裁は英FT紙とのインタビューで、ECBは持続的にインフレを2%目標に近づけることに「非常に接近している」と述べていた。ただ、サービスインフレが高止まりしていることを踏まえ、若干の躊躇もあると述べている。

 アナリストは、今回のラガルド総裁の発言には利下げに慎重な要素も感じられると指摘。ユーロ圏は米国の貿易関税による打撃に直面しそうだが、力強い賃金上昇が消費とサービスセクターを下支えする可能性があるという。

 ポンドドルは1.25ドル台前半での推移。先週のFOMC以降、ポンドドルはさらに上値が重くなっており、英中銀の政策委員会(MPC)もポンドの下げを加速させていた。いまのところ1.25ドル台は維持しているものの、更なる下値模索は時間の問題との見方も少なくない。

 本日は第3四半期の英GDP確報値が発表され、前期比ゼロ%成長に下方修正された。市場の反応は限定的ではあったものの、年を追う事にGDPの伸びは鈍化しており、先日発表の10月の月次GDPがマイナス成長だったことから、エコノミストの間では第4四半期はマイナス成長の可能性も指摘され始めている。

 先週の英MPCは、9名の政策委員のうち3名が利下げを主張するなどハト派な雰囲気が広がっていたが、本日のGDP確報値はその雰囲気を裏付けている。短期金融市場では来年の英中銀の利下げを2回か3回で織り込んでいるが、エコノミストからは、市場は利下げの可能性を過小評価しているとの指摘も出ていた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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