ドル円、一時157円台後半まで上昇 160円を視野に入れるか注目 口先介入も警戒=NY為替概況

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ドル円、一時157円台後半まで上昇 160円を視野に入れるか注目 口先介入も警戒=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円はさらに上値を伸ばし、一時157円台後半まで上昇した。前日のFOMCを受けたドル買いは一服していたものの、今度は日銀決定会合を受けた円安がドル円を押し上げた模様。

 日銀は大方の予想通りに政策金利を据え置いたが、市場が期待していた1月利上げを明確には示唆しなかった。植田総裁は利上げを先延ばしする可能性に言及し、春闘の動向を待ちたい姿勢も滲ませていた。総裁は「日銀が利上げを決定するには、賃金とトランプ次期米大統領の政策に関するさらなる情報が必要だ」と述べていた。

 ドル円はきょうの上げで11月高値を上抜いており、再び155-160円のゾーンにレベルを戻している。ショート勢も巻き戻しを余儀なくされたようだ。財務省による口先介入への警戒感も高まりそうな水準に入って来ており、明日以降の動向が注目される。

 前日のFRBと日銀の姿勢の違いから、日米の金利差は拡大したままの状態も想定され、円キャリー取引が再び活発化しそうな気配は否めない。年末にかけて160円を試しに行くか注目される動きではあるが、デリバティブ市場では20%程度の確率で見ており、そこまでの強気な見方はまだ少ないようだ。

 ユーロドルは一旦1.04ドル台まで買い戻されていたものの、前日の急落で上値がこれまで以上に重くなっている印象もある中、再び1.03ドル台に値を落とした。FRBとECBの差がさらに鮮明になる中で、ユーロドルは下向きの流れを加速させている。再び21日線を下放れしており、目先は11月22日の安値1.0335ドルが意識される。

 本日はドイツの消費者信頼感指数が発表になっていたが、若干回復を見せたものの、ショルツ政権崩壊を受けて来年に選挙が予定される中、比較的低水準に留まっていた。

 一部からは、ドイツの消費者信頼感は選挙後に改善する可能性があるとの指摘が出ている。政治的混乱が個人消費に壊滅的な打撃を与えることはなく、政治情勢が落ち着けば、消費者は信頼感は回復するという。賃金上昇がインフレを上回り続ける限り、実質可処分所得は回復を続けると述べている。

 きょうのポンドは売りが強まり、ポンドドルは1.25ドルちょうど付近まで下落。目先は11月安値の1.2485ドルが意識されそうだ。本日は対ユーロでもポンドは売りを強めている。

 本日の英中銀の金融政策委員会(MPC)がポンド売りを誘発。政策金利は予想通りに据え置かれたが、委員の投票行動は6対3で、3名が利下げを主張していた。また、ベイリー英中銀総裁も「金利の方向性は下方で、市場の次回2月の利下げの織り込みは合理的な出発点」と述べていた。短期金融市場では2月の追加利下げの確率を70%程度で織り込んでいる。

 今週の一連の英経済指標が、英国のインフレ圧力が依然根強いことを示したことで、市場は追加利下げのハードルが高まったと見ていたが、本日のMPCからは、そうでもないことが示された印象が広がったようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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