ドル買いが根強い 米CPIを受け来週の米利下げを確実視=NY為替概況

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ドル買いが根強い 米CPIを受け来週の米利下げを確実視=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、朝方発表になった11月の米消費者物価指数(CPI)が予想通りの内容で、市場では来週のFOMCの利下げを確実視している。ディスインフレのさらなる進展は見られていないものの、インフレの再浮上も確認されてない。短期金融市場では95%の確率で利下げを織り込んでいる。

 為替市場は一旦ドル売りで反応したが、動きが一巡するとドル買いが復活する展開。ドル円も152円ちょうど近辺に一旦伸び悩んだが、152円台半ばに戻しており、200日線の上を維持している。エコノミストからは、FRBは来年に利下げペースを減速させるとの見方が出ている。本日のCPIは予想通りではあったものの、インフレの粘着性を示しており、来年の利下げペース減速の見通しを変えるには至らなかったという。

 来年になるとFOMC委員は潜在的なインフレリスクの上昇を懸念する可能性があり、FRBは1月または3月に金利を据え置く可能性があるという。全体的に政策の正常化のペースは今年よりも遥かに遅いものになるという。

 ユーロドルも一時1.0535ドル近辺まで買い戻さたものの、ドル高期待が根強い中で再び1.05ドルを割り込んだ。下向きの流れが続いている21日線に沿った値動きをしており、上値の重い展開となった。

 明日は年内最後のECB理事会の結果が発表される。市場は確率85%程度で0.25%ポイントの利下げを有力視している状況。一部からは大幅利下げの可能性も排除できないとの声も出ているが、ECB理事は利下げの方向性には賛同しているものの、ペースについては慎重になっており、市場の予想通りの結果が期待されそうだ。

 その場合は、来年のヒントを探る上で、声明やラガルド総裁の会見が注目となる。市場は来年のECBの利下げのヒントを探している。ECBが発する利下げシグナルがユーロの見通しを左右するとの指摘も出ているようだ。

 ポンドドルは1.27ドル台での上下動に終始。11月後半からのリバウンドの流れは継続しているものの、いまのところ1.28ドル台前半に来ている200日線を試そうという動きまではない。

 本日はカナダ中銀が政策委員会の結果を発表。それを受けてカナダドルは買いの反応を見せていた。政策金利は予想通りに0.50%の大幅利下げを実施して来た。しかし、声明ではこれまで使用していた「見通しが具体化されれば追加利下げをコミット」の文言が削除されている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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