ドル円は一時152円台に上昇 来週のFOMC待ちの中、明日の米CPIが最後の手掛かり=NY為替概況

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ドル円は一時152円台に上昇 来週のFOMC待ちの中、明日の米CPIが最後の手掛かり=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は上値追いが続き、一時152円台に上昇した。本日の200日線が152円ちょうど付近に来ており、その水準を試す展開となったが、終盤に151円台に伸び悩んでいる。

 全体的に市場のトーンは落ち着いていた。トランプトレードによるドル買いも一服し、市場は来週のFOMCの動向を気にしている。FOMC委員は現在、金融政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入っており、発言は聞こえてこない中、来週のFOMCを占ううえでは明日の米消費者物価指数(CPI)と木曜日の生産者物価指数(PPI)が最後の手掛かりになりそうだ。

 来週のFOMCでの0.25%ポイントの利下げを裏付けるか注目されるが、市場は前回よりは若干高めの数字を予想している。これが上振れるようであれば、利下げは見送られる可能性も浮上。短期金融市場ではその可能性を15%程度で織り込んでいるが、過小評価し過ぎとの声も聞かれた。ただ、メインシナリオは利下げだとも述べている。

 「市場は年末に向けて勢いを失っているようで、参加者は何らかの新たなきっかけを待っている。明日以降のインフレ指標は、比較的堅調な米雇用統計でも、さらなる利下げ期待を裏切ることはない」と指摘も出ている。

 ユーロドルは再び売りが強まり、一時1.05ドルを割り込む場面も見られた。ただ、終盤には1.05ドル台に戻す展開。ユーロドルは本日の下げで、再び21日線を下放れる展開が見られており、依然として上値が重い印象。下向きのトレンドに変化はないようだ。

 木曜日にECB理事会の結果が発表され、ユーロにとっては最注目のイベントとなるが、理事会後にユーロは再び下落する可能性があるとの見方が出ている。ここ数日、ユーロはポジション調整で一時的に下落が止まっているものの、今後は再下落の可能性があるという。

 ECB理事会では0.25%ポイントの利下げが確実視されているが、会見では追加利下げの可能性について議論が展開される可能性があり、そうなればユーロに重しになるという。最新の製造業PMIや消費者物価指数(HICP)、そして弱いGDPなどを踏まえると、今週のECBのトーンはハト派寄りになると考えられるとしている。

 ポンドは対ドルでは上値が重いものの、対ユーロや円では上昇し、底堅い値動きも垣間見せていた。ポンド円は194円台まで上昇し、100日線を上抜いたほか、21日線も上回って来ている。

 英中銀はECBに比べて緩やかな金融緩和が想定され、それによりポンドは恩恵を受ける可能性があるとの指摘が出ている。英中銀が他の主要中銀と比較してより緩やかなペースで金利を引き下げた場合、来年はポンドが上昇する可能性があるという。市場では、12月19日の金融政策委員会(MPC)で英中銀は金利を4.75%に据え置くと予想しているが、来年には計0.75%ポイント引き下げられると予想している。もし、市場の見立て通りであれば、政策金利はG10国の中で最高水準のままとなる。

 2025年を通じて良好な英経済指標と比較的高い金利がポンドを支え続けるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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