ドル円、151円台を回復 円安が押し上げ=NY為替概況
投稿:
ドル円、151円台を回復 円安が押し上げ=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は買いが優勢となり151円台を回復した。151円台に入ると戻り売りも観測されたが、水準を維持している。本日の200日線が152円付近に来ていたが、明日以降その水準を試しに行くか注目される。本日はドル自体は買いが一服していたものの、円安の動きがドル円を押し上げた。中国の景気刺激策のニュースがリスク選好の円安を誘発しているとの指摘も出ているようだ。 先週の米雇用統計は底堅い米労働市場を示したものの、来週のFOMCでの0.25%ポイントの利下げ期待に変化はない。CMEのフェドウォッチによると、0.25%ポイントの利下げの可能性を85%程度と見込んでいる。 FOMC委員は現在、金融政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入っている。投資家は今週の米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)から、ヒントを探ることになりそうだ。ただ、若干高めの数字が予想されてはいるものの予想通りであれば、来週の利下げ期待に変化は無さそうだ。 日銀は東京時間に、来年1月の決定会合前に氷見野副総裁が懇談会で講演する予定を発表した。1月の決定会合前に政策委員が懇談会を開くのは異例で、1月利上げ観測を高めるニュースでもある。この日は日本のGDP改定値が発表されていたが、予想以上に上方修正されていた。来年も春の春闘での賃上げが期待される中、日銀は利上げを実施しやすい環境にあるようだ。ただ、市場も12月か1月のどちらかでの利上げを織り込んでおり、特に円高の反応は見せていない。日銀は今月18-19日と来年1月23-24日に決定会合を開催する。 利上げに傾いている日銀としては3月まで待ちたくはないといったところであろう。3月になるとトランプ政権の世界経済への影響や春闘の状況、そして年度末などそれなりのノイズも想定される。 ユーロドルは緩やかな買い戻しが出ていた。一時1.06ドル近くまで上昇する場面見られていたが、後半になって伸び悩む展開。積極的に上値を追う動きまではないが、年末も接近する中で、下値ではポジション調整中心の値ごろ感の買いが出ているものと見られる。 今週は12日木曜日に年内最後のECB理事会が開催される。0.25%ポイントの利下げは確実視しているものの、一部で出ている0.50%の大幅利下げへの期待は小さい。サービスインフレや賃金動向も気掛かりな中で、ECB理事からの慎重なペースでの利下げの声が大きく、大幅利下げの可能性は急速に後退している。 しかし、ドイツ経済に黄色信号が点灯しているほか、トランプ関税への警戒もあり、来年以降のECBはインフレから景気配慮型の政策にシフトするとの見方は根強い状況。その辺のヒントを声明やラガルド総裁の会見から探ることになりそうなほか、今回はECBスタッフの経済見通しも発表され、注目される。 ポンドドルは買い戻しが優勢となり、1.28ドルちょうど付近まで上昇。200日線の水準が1.28ドル台前半に来ており、再び試しに行くか注目されたが、後半に伸び悩んだ。 今週は10月の月次GDPが金曜日に発表される。9月は予想外のマイナス成長だったが、今回は0.1%のプラス成長が見込まれている模様。FRBやECBとは違い、今月の英中銀の金融政策委員会(MPC)は据え置きが確実視されている。ただ、ベイリー英中銀総裁は来年4回の利下げを示唆しており、来年2月には利下げが実施されると見込まれている状況。 本日は人材派遣・雇用連合会とKPMG、S&Pグローバルが11月の雇用報告を公表していた。正社員指数は40.7と2020年8月以来の大幅な低下となった半面、一時雇用は47.7に上昇した。この数字は400社へのアンケート調査を基に作成され、求人を増やしたとの回答に、変わらないとの回答の半分を合計し、指数化したもの。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美