24年7-9月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第3弾〕 29社選出 <成長株特集>
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3月、6月、9月、12月を本決算月とする企業の24年7-9月期決算発表がほぼ出そろった。本特集では、直近3ヵ月実績である7-9月期に経常利益ベースで利益倍増を達成した企業を取り上げる「24年7-9月期【利益倍増】企業はこれだ!」の〔第1弾〕(11月21日配信)、〔第2弾〕(11月24日配信)に続くシリーズ第3弾をお届けします。 今回は、第1弾を配信した21日時点の時価総額が250億円以上450億円未満の銘柄(銀行を除く)を対象に、本決算月にかかわらず、24年7-9月期の経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した29社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。 増益率トップとなったのは、日本製鉄 <5401> [東証P]系で合金鉄最大手の新日本電工 <5563> [東証P]。24年7-9月期(第3四半期)の経常利益は前年同期の7300万円から12億8500万円に急拡大して着地。焼却灰資源化事業で電力コスト上昇分の価格転嫁が進んだことに加え、貴金属市況の上昇に伴い回収金属売却価格が上昇したことが収益を押し上げた。また、国内合金鉄事業の採算が改善したことも利益拡大に貢献した。 2位はFX取引(外国為替証拠金取引)を主力とするトレイダーズホールディングス <8704> [東証S]が入った。7-9月期(第2四半期)は日銀による為替介入や株式市場の暴落、急激な円高の進行を受けて取引量が急拡大し、売上高41.4億円(前年同期比2.3倍)、経常利益22.3億円(同8.5倍)といずれも過去最高を更新した。好決算を背景に株価は22日に約7年4ヵ月ぶりの高値となる1141円まで上値を伸ばしている。 続く3位の第一工業製薬 <4461> [東証P]は機能材料事業でハイエンドサーバー向け電子材料(光硬化樹脂)の販売が大きく伸びたほか、原材料価格の高騰に伴う価格転嫁の効果なども寄与し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比7.8倍の13.8億円に急拡大した。25年3月期通期の同利益は前期比2.4倍の50億円と7期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。株価は12日に約3年10ヵ月ぶりの高値をつける場面があった。 9位に入ったLAホールディングス <2986> [東証G]の7-9月期(第3四半期)は土地企画販売で大型案件の売却が完了したことに加え、リノベーションマンションの販売が引き続き好調に推移し、経常利益は前年同期比5.4倍の32億円と四半期ベースの過去最高益を更新した。業績好調に伴い、最高益見通しだった24年12月期通期の同利益予想をさらに上乗せし、期末一括配当も290円(前期は211円)に増額修正した。これを受けて、株価は新規上場した06年6月以来、約18年5ヵ月ぶりの高値を快走する展開となっている。 11位の乾汽船 <9308> [東証S]は中東情勢の緊迫化に伴うハンディ船市況の上昇や円安進行を追い風に、外航海運事業の収益が急拡大し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比4.1倍の10.9億円に膨らんだ。ただ、25年3月期通期の同利益予想は市況悪化などを反映する形で下方修正した。一方、船舶の売却に伴う売却益の発生を踏まえ、通期の最終利益予想を大幅上方修正するとともに、配当も従来計画の24.84円→111.89円に大きく引き上げた。配当利回りが一時9%近くに上昇したことも材料視され、株価は約1年半ぶりの高値圏に急浮上している。 16位のヤマシンフィルタ <6240> [東証P]は主力の建設機械用フィルタが交換需要の増加を背景に、北米を中心に補給品の販売が伸びたほか、主要原材料価格やエネルギーコスト高騰への対応策として、販売価格の引き上げや原価低減を進めたことも寄与し、7-9月期(第2四半期)は2四半期連続で過去最高益を達成した。併せて、25年3月期通期の経常利益予想を14期ぶりの最高益見通しに大幅上方修正するともに、配当計画も増額修正した。株価は12日に668円と約3年ぶりの高値をつけたが、その後は調整局面が続いている。 ┌ 経常利益 ┐ 増益 予想 コード 銘柄名 増益率 7-9月期 連続期数 PER <5563> 新日本電工 1660 1285 2 11.6 <8704> トレイダーズ 746 2233 2 8.5 <4461> 一工薬 678 1385 1 14.5 <3264> アスコット 674 3097 2 7.8 <9742> アイネス 603 1202 1 13.4 <2207> 名糖産 561 648 2 7.4 <6245> ヒラノテク 457 774 1 13.2 <5757> CKサンエツ 448 4434 1 6.7 <2986> LAホールデ 445 3209 1 8.5 <5989> エイチワン 404 3137 1 3.5 * <9308> 乾汽船 311 1092 3 5.7 <4025> 多木化 283 510 3 16.1 <1793> 大本組 257 532 3 19.4 <6016> ジャパンエン 240 1362 6 9.3 <4218> ニチバン 232 640 4 18.8 <6240> ヤマシン―F 172 876 4 26.3 <1811> 銭高組 170 941 1 15.2 <3798> ULSグルプ 159 730 4 19.7 <2915> ケンコーマヨ 145 1477 2 10.8 <3660> アイスタイル 140 839 3 21.2 <9028> ゼロ 139 2715 4 7.2 * <2053> 中部飼 137 1386 2 11.6 <7408> ジャムコ 131 677 2 10.3 <4301> アミューズ 130 1044 1 68.1 <3696> セレス 124 455 1 21.5 <3452> ビーロット 123 3104 2 8.4 <6306> 日工 117 843 3 13.6 <7769> リズム 116 235 4 31.0 <7102> 日車両 107 2968 1 6.5 ※経常利益の単位は百万円。増益率は前年同期に比べた増加率、単位は%。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。 ※増益連続期数は四半期ベースの連続回数、同一会計基準内が対象。23年7-9月期の経常利益が5000万円未満の銘柄、今期最終赤字を見込む銘柄は除いた。 株探ニュース