株価指数先物【寄り前】 参加者は限られ、-1σと-2σ辺りでレンジ推移

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先物

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 37800 -300 (-0.78%)
TOPIX先物 2647.0 -17.5 (-0.65%)
シカゴ日経平均先物 37810 -290
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。NYダウが連日で最高値を更新するなかで、短期的な過熱感が意識された。28日は感謝祭の祝日で休場、29日が短縮取引となることもあり、休暇に入る市場参加者も多く、持ち高調整の売りも出やすかった。また、2024年8-10月期決算と収益見通しが予想に届かなかったデル・テクノロジーズが急落し、ハイテク株の先行きに対して慎重姿勢を強めたことも重荷となった。

 10月の米個人消費支出(PCE)は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視するPCEコア価格指数が前年同月比2.8%上昇と市場予想と一致した。7-9月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率2.8%増と予想通りで、個人消費は3.5%増と今年最大の増加率となったが、市場予想(3.7%増程度)には届かなかった。10月の米中古住宅販売成約指数は前月比2.0%上昇の77.4となり、予想(0.2%低下)に反して上昇。米新規失業保険申請件数が予想を下回るなど、米経済や労働市場の底堅さを示す経済指標の発表が下落する相場を下支えた。

 NYダウ構成銘柄ではセールスフォースやマイクロソフト、エヌビディア、アマゾン・ドット・コムが軟調。半面、ボーイング、ウォルト・ディズニー、メルクが買われた。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比290円安の3万7810円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比10円高の3万8110円で始まり、その後はショート優勢となり3万7890円まで売られた。売り一巡後はショートカバーが入る形で切り返し、米国市場の取引開始直後には一時3万8120円とプラスに転じる場面もみられた。ただし、ロングの動きは限られ、中盤にかけて下へのバイアスが強まると、3万7650円まで下落幅を広げた。終盤にショートカバーで下げ幅を縮めたが、3万7800円と節目の3万8000円を割り込んでナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、売り先行で始まりそうだ。ナイトセッションで開始直後に3万7890円まで売られ、その後プラス圏を回復する場面もみられたが、75日移動平均線(3万8080円)をキープできず、同線を明確に下放れる形状となった。ボリンジャーバンドの-2σ(3万7610円)近辺まで下げたことで、同水準ではショートカバーが入る可能性はありそうだが、海外勢のフローが減少するなかでリバウンド狙いのロングは限られよう。

 薄商いのなかでスキャルピング中心のトレードを余儀なくされるため、トレンドは出にくいとみられる。75日線近辺には-1σ(3万8150円)が位置しており、-1σと-2σ辺りのレンジ推移が意識されやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万7625円から3万8125円のレンジを想定する。節目の3万8000円近辺で上値の重さがみられると、短期的にショートを仕掛けてくる動きが強まりそうだ。

 また、為替市場では円相場が一時1ドル=150円台に円高が進行している。再び150円台に乗せてくる動きとなれば、ショートを入れやすくなるだろう。

 27日の米VIX指数は14.10(前日は14.10)と変わらずだった。一時15.13まで上昇する場面もみられたが、前日の価格水準での値動きであり、引き続き14日につけた直近安値13.59が意識されている。米景気や労働市場の底堅さを示す経済指標の発表が続いており、米国ではリスク選好が強まりそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。200日線(14.28倍)水準で始まり、一時14.24倍に低下する場面もみられた。ただし、その後は200日線を突破し、75日線(14.31倍)を捉えている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が軟調だったが、円高を嫌気した輸出関連株の弱さがTOPIX型の重荷となった。為替を睨んでの展開になりそうだが、持ち高調整に伴うリバランスによって、NTショートを巻き戻す動きが入る展開が意識されよう。

株探ニュース

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