前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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材料

■キユーピー <2809>  3,370円 (-241円、-6.7%)

 東証プライムの下落率6位。キユーピー <2809> [東証P]が5日ぶり急反落。25日の取引終了後、28年11月期に売上高6000億円(24年11月期予想4860億円)、営業利益450億円(同340億円)を目指す中期経営計画を発表した。ただ、4年間の設備投資を1000億円と24年11月期までの4年間に比べて4割強増やすほか、積極的な未来投資として200億円を計画しており、未来への投資期間と位置づけている25年11月期及び26年11月期の成長鈍化が懸念されることが売りにつながったようだ。

■HIS <9603>  1,757円 (-114円、-6.1%)

 東証プライムの下落率8位。エイチ・アイ・エス <9603> [東証P]が急反落。25日取引終了後、子会社のナンバーワントラベル渋谷が雇用調整助成金を不正受給していた疑いがあるとして、東京労働局による調査を受けていることを明らかにした。これに伴い、12月13日に予定していた24年10月期通期決算発表を延期するとしており、先行き不透明感を嫌気した売りが出た。会社側では、初期的な社内調査や外部専門家の助言に基づき、子会社に不正受給があった可能性は極めて高いとしている。グループ全体でも雇調金の受給に関して問題が生じていなかったか確認するため、外部専門家に調査・分析を依頼し、その進捗を自主的に東京労働局に報告しているという。

■メルカリ <4385>  1,911.5円 (-99.5円、-5.0%)

 メルカリ <4385> [東証P]が続落。25日、同社が運営するフリーマーケットアプリの安心安全な利用に向けて顧客サポート体制を強化し、新たな補償方針による対応を開始すると発表した。顧客間で解決が難しい問題に対してより関与を強めることで早期解決を実現するとし、正しく利用している顧客への補償を拡大するとした。また、関係当局や警察などと連携し、不正利用者の排除を進めていくという。サービスの質向上につながることが期待される一方、補償費用が増加するとの懸念もあるようで、目先売りが先行する形となっている。

■IHI <7013>  7,908円 (-405円、-4.9%)

 IHI <7013> [東証P]が大幅安で4日続落。NHKによると、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が26日に鹿児島県の種子島宇宙センターで実施した固体燃料式の小型ロケット「イプシロンS」の燃焼試験で、燃焼中に異常が起きて火災が発生した。イプシロンSを巡っては、IHI傘下のIHIエアロスペースが長年、開発や製造に携わってきた実績を持ち、同社に打ち上げ事業が移管される予定となっていた。今回の火災発生により、IHIの宇宙関連事業の今後に対する不透明感が意識され、売りが膨らんだようだ。

■アドテスト <6857>  8,834円 (-398円、-4.3%)

 アドバンテスト <6857> [東証P]が続落。約2ヵ月ぶりに25日移動平均線を下方向にブレークし、目先筋の狼狽売りを誘った。前日25日の米国株市場では画像処理半導体大手のエヌビディア  が25日線を大陰線で下放れており、エヌビディア関連の最右翼に位置するアドテストもこの動きに追随する格好となった。AI用半導体の高水準の需要に足もとで陰りはみられないものの、スマートフォンやパソコン向けの半導体需要の回復が遅れているほか、最先端半導体についてはトランプ次期政権下での対中規制が一段と強まることが想定される状況となっている。世界首位級のシェアを持つ企業がひしめく国内の半導体製造装置業界にとっても逆風が強まるとの見方が浮上している。

■ボードルア <4413>  4,770円 (-185円、-3.7%)

 ボードルア <4413> [東証G]が大幅安で3日続落。25日の取引終了後、既存株主による240万2000株の株式の売り出しと、オーバーアロットメントによる上限36万300株の売り出しを行うと発表しており、需給悪化を警戒した売りが出たようだ。売出価格は12月3日から6日までの期間に決定される予定で、受け渡し期日は価格決定日の5営業日後。同時に12月中をメドに東証プライム市場への上場市場区分変更申請を行うと発表しており、プライム市場への新規上場基準のうち未充足の項目である「流通株式比率」の充足を図るとともに、より一層の投資家層の拡大や流動性の向上を期待するという。なお、東証による承認の可否や時期は現時点で不確定としている。あわせて、上限を64万600株(発行済み株数の4.00%)、または35億円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は株式売り出しの受け渡し期日の翌営業日から25年4月30日までで、株式の売り出し実施に伴う株式需給への影響を緩和するのが狙い。

■日産自 <7201>  392.1円 (-14.8円、-3.6%)

 日産自動車 <7201> [東証P]が大幅反落。日本経済新聞電子版が26日、「日産自動車が2025年3月末まで米国生産を前年実績と比べ17%減らすことが分かった」と報じた。日本の自動車メーカーにとって稼ぎ頭となる米国での減産報道をネガティブに受け止めた投資家の売りがかさんだようだ。記事によると、減産を行うのはミシシッピ州キャントン工場とテネシー州スマーナ工場で、減産は12月末までの計画だったが、25年3月末まで続けるという。キャントン工場では大型ピックアップトラック「フロンティア」、スマーナ工場では多目的スポーツ車(SUV)「ローグ」を生産しているという。

■マネックスG <8698>  1,013円 (-32円、-3.1%)

 マネックスグループ <8698> [東証P]が大幅続落。そのほか、セレス <3696> [東証P]が安い。仮想通貨(暗号資産)関連の規制緩和に前向きとされるトランプ米次期政権への期待感から盛り上がりをみせていたビットコイン相場は足もとで上昇一服となった。先週に1BTC=9万9000ドル台をつけて史上最高値を更新したが、26日朝方には一時9万2000ドル前後まで下落する場面があった。ビットコイン価格と歩調を合わせるように水準を切り上げてきたマネックスGをはじめとする一連の仮想通貨関連株にも売り圧力が強まった。

■INPEX <1605>  1,976円 (-42.5円、-2.1%)

 INPEX <1605> [東証P]が3日ぶりに続落。そのほか、石油資源開発 <1662> [東証P]、ENEOSホールディングス <5020> [東証P]といった石油関連株が安い。25日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の25年1月限が前週末比2.30ドル安の1バレル=68.94ドルに下落した。イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは停戦に至る可能性がある、と複数のメディアが報じた。イスラエル政府は26日に閣議を開いてヒズボラとの停戦案を承認する見通しだという。中東情勢が緊張緩和に向かう可能性が出てきたことから、原油価格は下落基調となった。

■大和工 <5444>  7,865円 (-161円、-2.0%)

 大和工業 <5444> [東証P]が続落。26日午前11時、中東バーレーンでの合弁事業に関し、現地のガス価格の大幅な上昇と電気料金の上昇が予測され、事業の継続性への影響が懸念される状況となっていると開示。これを嫌気した売りが出たようだ。合弁会社ではH形鋼の生産・販売を展開する。バーレーン国営会社からの通知により、同国のガス埋蔵量の事情を背景にガス価格の大幅な上昇が予測されており、電気料金の上昇も見込まれているという。大和工はリスク情報を精査したうえで、合弁会社の将来業績への影響額を算定する方針。25年3月期の業績予想については、影響額が明らかになった時点で適時開示するとしている。

※26日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース

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