【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 攻勢へ転じる中小型株にスポットライト!

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コラム

「攻勢へ転じる中小型株にスポットライト!」

●高寄与度の銘柄の冴えない動きが指数の重荷に

 残念ながら日経平均株価の値動きが軟調だ。11月7日に3万9884円の高値をつけたあと失速し、週末22日の終値は3万8283円だった。大きく値を崩したわけではないものの、ズルズルと滑り落ちる感じの下落であり、市場マインドは悪化中だ。

 米国市場でNYダウ、ナスダック、S&P500の3指数が揃って高値、それも史上最高値水準をキープしていることを考えると、あまりの差に少々気分が落ち込んでしまう。では、なぜこんなことになっているのかというと、それは日経平均株価への寄与度の高い銘柄の値動きが芳しくないからだ。

 寄与度の高い銘柄とは、

 ファーストリテイリング <9983> [東証P]、
 東京エレクトロン <8035> [東証P]、
 リクルートホールディングス <6098> [東証P]、
 アドバンテスト <6857> [東証P]、
 NTTデータグループ <9613> [東証P]、
 ニトリホールディングス <9843> [東証P]、
 コナミグループ <9766> [東証P]などとなる。

 これらのうち値動きが堅調なのは、リクルート、NTTデータ、コナミの3銘柄。他は横ばい、もしくは下落が続いている。なかでも下落がキツいのは東エレク、ニトリ。時価総額ベスト10銘柄にも類似の動きが見られる。トヨタ自動車 <7203> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、キーエンス <6861> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が失速中で、特に8月半ばから続くトヨタ株の長期横ばいがイタい。

 ただ、誤解がないようにお断りしておきたいのは、意外に堅調な値動きの銘柄もあることだ。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]や三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、そしてソニーグループ <6758> [東証P]、NTT <9432> [東証P]だ。これらのうち三菱UFJ、三井住友FGの上昇はもちろん日銀による利上げに期待してのこと。年末が近いことを考えると、年内は利上げできる環境にないと個人的には思うが、為替市場で円の下落がなかなか止まらないことを考えると、利上げでそれにブレーキをかける可能性もなくはない。

 市場はこんな見方からメガバンク株を買っていると見てよいため、今後も堅調な値動きが見込める。しかし、ここで私がお勧めしたいのは、大型主力株がまちまちの動きになっていることから、中堅、小型株への投資だ。それらは業績的には問題はないものの、なかなか上がらなかった。米国市場で中小型株の指標となるラッセル2000が低迷していたことも大きい。

●ギフティ、FPG、バリューHRなどを狙う

 しかし、ラッセル2000は細かい動きを見ると、上下動はあるものの11月に入り上昇に転じ、直近も浮上中であるため、日本の中小型株にもスポットが当たりはじめる――こんな観点から、まずはギフティ <4449> [東証P]に注目したい。この会社は商品・サービスと交換できる電子チケット「eギフト」を発券、流通させるプラットフォームを構築している。利用者はお世話になった方や恋人などにチケットをスマホ経由でプレゼント(=ギフト)することで、感謝や愛情を伝えられるため、利用者が着実に増加中だ。チケットを受け取った人は、それを商品やサービスと交換できるのだから、この会社が発行する電子チケットは実質的には通貨のようなもの。将来も利用は拡大し続けると見てよく、株は長期にわたる上昇が見込める。

 政治の世界では「手取りを増やす」ために「103万円の壁」打破が話題になっているが、個人はもちろんのこと、企業もなるべく税金を支払わなくてもよいように、あれこれ知恵を絞っている。それは合法的なものでなければならないため頼られるのがFPG <7148> [東証P]だ。税繰り延べメリットのあるオペレーティングリースや不動産小口化商品に強い。

 オペレーティングリースとは、機器類をリースで利用する場合、リース期間が終わったあとの残存価値をリース開始時点の価格から差し引いてお客に支払ってもらう方式。それが税繰り延べにつながることから利用企業が多く、同社の経営の柱になっている。加えて不動産小口化事業も伸び続けているため、株価は高値圏ながら、一服はあっても続伸が見込める。

 値動きは緩やかながら堅調高が見込める銘柄としては、バリューHR <6078> [東証P]がある。健保の保険事業や企業の健康関連業務をネットで提供するのに加え、健保の運営、新設などのサポート事業などに強い企業だ。特殊な分野でのビジネスであることに加え、11月14日に発表した24年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結営業利益は前年同期比19.8%減だったものの、通期予想は小幅ながら増収増益見通しを据え置いていることもあり、押し目は見逃さないようにしたい。

 自動車用シート材やエアバック、合皮などに強いセーレン <3569> [東証P]もさらなる上昇が見込める銘柄の一つだ。主力製品の需要拡大に加え、25年3月末までに200万株、上限60億円の自社株買いを表明していることも株価の支援材料になる。

最後に、ギフトホールディングス <9279> [東証P]を。社名がすでに紹介したギフティと似ているが、もちろん別企業だ。これまで数回取り上げた記憶がある。同社株は堅調に上昇を続け、11月13日に上場来高値をつけたばかり。その後、利食い売りの対象となったが、現在押し目をつけて浮上の兆しを見せているところである。横浜家系ラーメン「町田商店」を運営するとともに、ラーメン店経営のプロデュース業も展開し、高収益をキープしている。株価は近々、再び新値を更新すると見ている。

2024年11月22日 記

株探ニュース

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