株価指数先物【寄り前】 3万8200円~3万8300円辺りで強弱感が対立
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大阪12月限ナイトセッション 日経225先物 38230 +190 (+0.49%) TOPIX先物 2691.5 +6.5 (+0.24%) シカゴ日経平均先物 38230 +190 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 21日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。新規失業保険申請件数は前週比6000件減の21万3000件と予想(22万件程度)を下回り、4月以来の低水準となった。労働市場が底堅さを保っていると受け止められ、材料視された。また、前日取引終了後に四半期決算を発表したエヌビディアは小幅高となった。発表後の時間外取引では売られていたが、複数のアナリストが目標株価を引き上げたことが安心感につながり、一時高値を更新する場面もみられた。 トランプ次期政権による減税や規制緩和への期待から景気敏感株への買いも目立った。半面、米司法省がグーグルの「クローム」事業の売却を含む是正案を裁判所に提出したと伝えられたこと受けたアルファベット が大きく売られたほか、マイクロソフト 、アマゾン・ドット・コム など大型テック株の一角が軟調。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、公益事業、保険が上昇した一方で、メディア、小売、自動車・同部品が下落した。 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比190円高の3万8230円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比10円安の3万8030円で始まり、下へのバイアスが強まるなかで3万7700円まで売られた。ただし、その後はリバウンド基調が強まり、午後9時台にはプラス圏を回復した。米国市場の取引開始直後に再び3万7830円まで売られるなど荒い値動きをみせたが、中盤辺りからショートカバーが入る形で切り返しており、終盤には一時3万8340円まで買われ、3万8230円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。一時3万7700円まで売られたが、引き続き75日移動平均線(3万7830円)水準が支持線として意識される形であった。エヌビディアは荒い値動きとなったものの、小幅ながらプラス圏で終えたことは安心感につながると考えられ、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうである。 一方で、ボリンジャーバンドの-1σが3万8220円辺りで推移しているほか、200日線は3万8340円水準に位置しており、強弱感が対立しやすいと考えられる。3万8200円~3万8300円辺りでの攻防のなかで、明確に上回ってくるかを見極めたいところだろう。これらをクリアしてくるようだと、足もとで上値を抑えられている3万8500円水準や25日線が位置する3万8730円辺りが目先のターゲットとして意識されてくる可能性があろう。 もっとも、ロシア・ウクライナ情勢は新たな局面に突入しており、地政学リスクの高まりが重荷となる。オーバーウィークでのポジションは避けると考えられ、基本的にはスキャルピング中心のトレードになりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万7875円から3万8375円でのレンジを想定する。3万8000円割れの場面があれば押し目待ち狙いのロング対応。-1σや200日線を上回る局面では短期的に3万8500円をターゲットとしたロングが強まりそうだ。 21日の米VIX指数は16.87(前日は17.16)に低下した。地政学的リスクの高まりが意識されるなか、15.73から17.99での荒い値動きだった。上値は25日、75日線が抵抗となる反面、下値は200日線が支持線として機能していた。不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回っている状況であるが、このところは値動きの荒さが目立っていることで、やや慎重姿勢に向かわせると考えられる。 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。朝方は一時14.21倍と上昇に転じる場面もみられたが、その後は指数インパクトの大きい値がさ株の一角が弱い値動きとなるなかで14.12倍まで下げた。本日はエヌビディアの上昇を受けて、いったんNTショートを巻き戻す動きが意識されそうだ。ただし、NTロングへのシフトはしばらく見極めが必要になるだろう。地政学リスクへの警戒が一段と高まってくる局面では、9月上旬以来の14.00倍割れが射程に入る。 株探ニュース