ドル円、一時153円台に下落 ウクライナ情勢が悪化 ただ、落ち着いた反応は継続=NY為替概況
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ドル円、一時153円台に下落 ウクライナ情勢が悪化 ただ、落ち着いた反応は継続=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル買いの流れは続いていたものの、円高の動きからドル円は戻り売りに押され、153円台に下落する場面も見られた。次第に方向感もなくなり、日替わり相場の様相を見せる中、前日に回復した155-160円のゾーンから再び下に出ている。 ウクライナ情勢に絡んだ地政学リスクへの警戒感がドル円の上値を抑えた。ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)をウクライナに打ち込んだ。ウクライナが西側の兵器でロシア領内を攻撃したことに対する報復としている。プーチン大統領が明らかにしていた。 ただ、戦争はさらにエスカレートしつつあるものの、市場は引き続き落ち着いた反応を見せ、米株式市場でダウ平均が大幅高となる中、ドル円も154円台に買い戻されている。 本日は植田総裁の講演があったが、12月の決定会合の結果を予測するのは不可能だと語った。日銀は各会合ごとに最新のデータと情報を点検している。市場では12月もライブ会合ということで、追加利上げの可能性が捨て切れなくなっているようだ。 一方、FRBもオープンになっており、データ次第との言及も多い。12月18日のFOMCまでに、雇用やインフレ、小売などの一通りのデータを確認できることから、その内容次第ということのようだ。短期金融市場ではいまのところ五分五分と見ている。そのような中、ドル円も動きづらくなっているようだ。 ユーロドルは1.05ドルを割り込んだ。ストップを巻き込んで1.0475ドル付近まで一時下落。すぐに1.05ドル台を復帰できないようであれば、来年にかけてパリティ(1.00)を目指す展開も警戒される。ウクライナ情勢の悪化は米国や日本よりもユーロ圏への影響の方が大きい。 ECBとFRBの金融政策の格差拡大も意識される。12月のFRBの利下げは五分五分といった状況だが、ECBについては前日の賃金データの強さもあり、大幅利下げの可能性は低くなっているものの、0.25%ポイントの通常利下げは確実視している状況。来年についても、FRBは利下げサイクルを一旦止めるのではとの観測も台頭している一方、ECBは利下げをまだまだ継続との見方が多い。 ポンドも対ドル、対円で下落し、ポンドドルは今月サポートされていた1.26ドルを割り込んだ。ポンド円も194円台半ばまで下落し、再び200日線の水準に顔合わせしている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美