株価指数先物【寄り前】 3万8300円近辺での底堅さを見極め

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先物

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38280 -160(-0.41%)
TOPIX先物 2694.5 -11.5(-0.42%)
シカゴ日経平均先物 38280 -160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 20日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。NYダウは5日ぶりに反発した。ウクライナ軍は前日に米国が供与した長距離ミサイルでロシア西部の軍事施設を攻撃。この日は英国製の巡航ミサイルをロシア領内に向け発射したと伝わったほか、ウクライナの首都キーウにある米大使館は大規模な空爆に備え、閉館した。ウクライナとロシアを巡る緊張が高まるなか、NYダウは一時200ドル近く下落する場面もみられた。

 ただし、ユナイテッドヘルス・グループやアムジェンなどディフェンシブ株の一角が買われ、終盤にかけて切り返す形となった。

 また、エヌビディアの決算を控えていたことが、他の半導体株への持ち高調整の売りや様子見姿勢に向かわせたことで、ナスダック指数は3日ぶりに反落。なお、四半期決算を発表したエヌビディアは、第3四半期(2024年8~10月)実績、第4四半期(24年11月~25年1月)見通しとも市場の予想を上回ったが、時間外取引で売られており、下落率は一時6%を超えた。

 S&P500業種別指数は医薬品・バイオテクノロジー、ヘルスケア機器・サービス、エネルギーが上昇した半面、食品・生活必需品小売、自動車・同部品、半導体・同製造装置が下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比160円安の3万8280円だった。日日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比50円高の3万8490円で始まり、直後に付けた3万8520円を高値に軟化し下落に転じると、3万8310円~3万8420円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後から下へのバイアスが強まり、一時3万7860円まで下落幅を広げる場面もみられた。売り一巡後は下げ渋る動きとなり、3万8000円辺りでの推移を継続。終盤にかけてショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、3万8280円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。地政学リスクへの警戒からナイトセッションで一時3万7860円まで売られたが、前日同様、75日移動平均線(3万7800円)が支持線として機能する形となり、その後は200日線(3万8320円)水準まで回復している。200日線を挟んだもみ合いが続きそうであるほか、3万8000円を下回る局面においては、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 また、エヌビディアは決算発表直後に時間外で大きく売られたが、決算説明会が開催された東部時間17時(日本時間7時)以降は下落幅を縮めている。懸念されている次世代の人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」の動向が明らかになるとみられ、過度な警戒感は後退しそうだ。決算内容自体はポジティブであることから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への影響は限られそうである。

 もっとも、地政学リスクへの警戒からロングポジションは積み上がりにくいだろう。日経225先物は3万8500円辺りでは戻り待ち狙いのショートが入りやすいほか、スキャルピング中心のトレードのなか、ロングにおいても早めの利食いに向かわせそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円でのレンジを想定する。

 下へのバイアスが強まる局面では、上向きで推移する52週線(3万7470円)が支持線として意識される。現在は13週(3万8320円)、26週線(3万8340円)辺りで推移しており、日足、週足いずれも3万8300円近辺での底堅さを見極めたいところである。

 20日の米VIX指数は17.16(前日は16.35)に上昇した。地政学的リスクの高まりが意識されるなか、一時18.79まで切り上がり、25日線(17.96)、75日線(18.03)を上回る場面もみられた。不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回っている状況であるが、25日、75日線を一時上回ってきたこともあり、やや慎重姿勢に向かわせると考えられる。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。ただし、前日の値幅内での推移であり、一時14.14倍まで低下する場面もみられた。エヌビディアの決算を受けた値がさハイテク株の動向次第の面はあるが、地政学リスクへの警戒からNTショートを巻き戻す動きは強まりにくいだろう。

株探ニュース

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